ジーンズを選ぶとき、あなたは「オンス」という言葉を聞いたことがありますか?特にリーバイスのようなデニムの老舗ブランドを語るとき、このオンスという単位は重要な意味を持ちます。オンスはデニム生地の重さと厚さを表す単位で、数値が大きいほど生地が厚く重いということになります。
リーバイスは創業以来、時代によって異なるオンス数のデニムを使用してきました。9オンスから始まり、現在の主流は12オンス前後。この記事では、リーバイスのオンス数の変遷やモデル別の特徴、オンス数が着心地や耐久性にどう影響するのかなど、デニム選びに役立つ情報を詳しく解説します。あなたの好みや使用シーンに合った最適なリーバイスジーンズを見つける手助けになれば幸いです。

記事のポイント!
- オンスとは何か、リーバイスの各モデルのオンス数の違い
- オンス数が与える着用感や耐久性への影響
- 年代別リーバイスジーンズのオンス数の変遷
- 自分に合ったオンス数のリーバイスジーンズの選び方
リーバイス オンスとは何か?その基礎知識と重要性
- デニムにおけるオンスは生地の厚さと重量を表す単位
- リーバイス ジーンズのオンス表記は公式サイトや商品タグで確認可能
- ライト、ミッド、ヘビーオンスの違いは着用感と耐久性に直結する
- リーバイス オンスの選び方は季節や用途によって異なる
- オンス数の高いジーンズほど色落ちの表情が豊かになる傾向がある
- リーバイス 501のオンス数は年代によって変化している
デニムにおけるオンスは生地の厚さと重量を表す単位
デニム生地において「オンス」とは、一平方ヤードあたりの重量をオンス単位で表したものです。1オンスは約28グラム、一平方ヤードは約0.836平方メートルに相当します。簡単に言えば、オンス数が大きいほど、デニム生地が厚く重いということになります。
一般的なデニム市場では、12オンス未満をライトオンス、12オンスから16オンスをミッドウェイト、16オンス以上をヘビーウェイトと区分けするのが標準的です。ただし、メーカーによって呼び名や区分けの基準は異なる場合があります。
オンス数はデニムの重要な品質指標の一つで、着用感、耐久性、色落ちの進み方などに大きく影響します。リーバイスのジーンズを選ぶ際、オンス数を知ることで自分の好みや用途に合った一本を見つけやすくなります。
伝統的なセルビッジデニム(赤耳デニム)の生地幅は29インチ(約73.66cm)が標準です。一平方ヤードを幅29インチで考えると、長さは約44.68インチ(約113.4cm)になります。この面積あたりの重さが、デニムのオンス数として表されているのです。
独自調査の結果、リーバイスのジーンズは時代によってオンス数が変化しており、特に501モデルは多くのデニムファンにとって理想的なオンス数の基準となってきました。
リーバイス ジーンズのオンス表記は公式サイトや商品タグで確認可能
リーバイスのジーンズのオンス数を知りたい場合、いくつかの確認方法があります。現行モデルであれば、リーバイスの公式サイトやオンラインショップの商品詳細に記載されていることが多いです。また、実店舗で購入する際は商品タグやスタッフに尋ねることで確認できます。
ヴィンテージリーバイスの場合は、時代によってオンス表記の仕方が異なります。1940年代から1950年代前半の「FOR OVER 60 YEARS」から「FOR OVER 80 YEARS」までのギャランティーチケット(製品保証書)には、「THEY ARE MADE OF SELECTED TEN OUNCE AMERICAN DENIM」(本品は厳選された10オンスの米国製デニムで作られています)という記載がありました。
しかし、1950年代前半(推定53-54年頃)の「FOR OVER 85 YEARS」以降のギャランティーチケットからはオンス数の表記がなくなり、「EXCLUSIVE XX TOP WEIGHT DENIM TESTS STRONGEST WEARS LONGEST」(リーバイス専用のXXトップウェイトデニムは、最も長い期間着用できる最強のものであることがテスト済み)という表現に変わっています。
興味深いことに、1967年頃の551ZXX/505のダブルネームのフラッシャー(製品の説明タグ)には「Over 14 oz. Denim」(14オンス超のデニム)と記載されていました。このモデルはリーバイス独自の防縮加工(プロセス686)が施されており、縮み前の生デニムは14オンスより小さい、おそらく12.5オンス前後だったと推測されます。
現代では、リーバイスのヴィンテージクロージングライン(LVC)の製品情報にオンス数が明記されることが多く、歴史的な再現モデルの特徴を知る手がかりになっています。
ライト、ミッド、ヘビーオンスの違いは着用感と耐久性に直結する
デニムのオンス数の違いは、着用感、耐久性、経年変化などに大きく影響します。ライト、ミッド、ヘビーオンスそれぞれの特徴を理解することで、自分のライフスタイルに合ったリーバイスジーンズを選ぶ助けになります。
ライトオンス(12オンス未満)
- 柔らかく軽い着用感があり、初めから穿き心地が良い
- 通気性が良く、暑い季節でも快適に着用できる
- 比較的素早く馴染み、短期間でも自分の体型に合った風合いになる
- 耐久性はヘビーオンスよりもやや劣る傾向がある
- リーバイスの初期モデルや1933年、1937年のLVCモデルなどがこのカテゴリーに含まれる
ミッドウェイト(12-16オンス)
- 最も一般的で汎用性の高いオンス帯
- 適度な耐久性と着用感のバランスが取れている
- 四季を通して着用しやすい
- 時間をかけて穿き込むことで独特の風合いが出る
- リーバイスの現行501や1944年、1947年、1966年のLVCモデルがこのカテゴリーに含まれる
ヘビーウェイト(16オンス以上)
- 非常に頑丈で耐久性が高い
- 初期は硬く、馴染むまでに時間がかかる
- 色落ちのコントラストが強く出やすい
- 寒い季節の防寒性に優れる
- リーバイスでは特別モデルやコラボレーションモデルでこのカテゴリーのものが存在
リーバイスの1955年モデル(14.1オンス)はミッドウェイトの中でも比較的厚手で、ヘビーオンスに近い特性を持っています。耐久性に優れ、長期間使用することで独特の色落ちパターンが楽しめるモデルとして人気があります。
オンス数の違いは単なる数値の差ではなく、ジーンズとの付き合い方を決める重要な要素だということを覚えておくと良いでしょう。

リーバイス オンスの選び方は季節や用途によって異なる
リーバイスジーンズを選ぶ際、オンス数の選択は使用環境や目的によって変わってきます。季節、着用頻度、求める仕上がりなどを考慮して、最適なオンス数を選びましょう。
季節に応じた選び方
- 春夏:12オンス未満のライトオンスデニムが快適。通気性に優れ、蒸れにくい特性があります。
- 秋冬:13オンス以上のミッドウェイトからヘビーオンスが適しています。生地が厚いため保温性が高く、寒い季節でも暖かく過ごせます。
- オールシーズン:12-13オンス程度のミッドウェイトは一年を通して使いやすいバランスの取れたオンス数です。
用途に応じた選び方
- 日常使い:12-14オンスのミッドウェイトは耐久性と着心地のバランスが良く、デイリーユースに最適です。
- ワーク用:14オンス以上のヘビーオンスは丈夫さが求められる作業用に適しています。
- おしゃれ着:オンス数よりもシルエットや色味を重視する場合もありますが、12オンス前後のものが汎用性が高いです。
自分の好みに応じた選び方
- 即座に馴染む柔らかさを求める方:12オンス未満のライトオンス
- じっくり育てて自分だけの色落ちを楽しみたい方:14オンス以上のミッド〜ヘビーオンス
- バランス重視の方:12-13オンスのミッドウェイト
リーバイスのLVCシリーズでは、1933年と1937年モデル(12.7オンス)が比較的軽く、1955年モデル(14.1オンス)が厚手となっています。現代の一般的な501は約12オンスでバランスの取れた仕様になっています。
自分のライフスタイルや好みに合わせて選ぶことで、長く愛用できるジーンズとの出会いが期待できます。
オンス数の高いジーンズほど色落ちの表情が豊かになる傾向がある
デニムの魅力の一つは、着用を重ねることで生まれる独特の色落ちと風合いです。オンス数はこの色落ちの進み方や表情に大きく影響します。一般的に、オンス数が高いほど色落ちのコントラストが強く、ダイナミックな経年変化が楽しめる傾向があります。
オンス数の高いデニムは、インディゴ染料を多く含んでいるため、色落ちの過程で白と青のコントラストがはっきりと現れます。特に膝や腿裏、ポケット周りなどの摩擦が多い部分では、個性的なアタリ(色落ちパターン)が形成されやすくなります。
一方、オンス数の低いデニムは比較的均一に色落ちしていく傾向があり、全体的に柔らかな印象の風合いに変化していきます。激しいコントラストよりも、なめらかなグラデーションのような色落ちが特徴です。
リーバイスのヴィンテージモデルでは、1950年代から1960年代の革パッチ501XX(推定12.5-14オンス程度)が特に美しい色落ちで知られています。現代のデニムファンの間でも、この時代のモデルは「色落ちの王道」として高く評価されています。
現行の501(約12オンス)と比べても、ヴィンテージモデルや復刻版のLVCモデルは、使用されているデニム生地の特性から独特の色落ち表情を見せることが多いです。これは単にオンス数だけでなく、織り方や染色方法、コットンの質なども関係しています。
色落ちを重視する方は、14オンス前後のミッドウェイト〜ヘビーオンスのモデルを選ぶと、より dramatic な経年変化が楽しめるでしょう。
リーバイス 501のオンス数は年代によって変化している
リーバイスの象徴的モデル「501」のオンス数は、発売から現在に至るまで時代とともに変化してきました。その変遷を追うことで、リーバイスのデニム生地に対する考え方や市場の需要の変化を読み取ることができます。
初期(1873年頃): 最初期の501(当時はまだ501という名称ではなく単に「XX」と呼ばれていた)は、約9オンスのデニムが使用されていました。当時としては十分な耐久性があるとされていました。
1920年代後半: 1927年にコーンミルズは501専用の29インチ幅、10オンスの赤耳デニムを開発しました。この頃から501は10オンスのデニムが標準となります。
1940年代(大戦モデル): 長らく大戦モデルには12オンス(縮み後約13.5オンス)のヘビーオンスのデニムが使われていたと言われてきましたが、実際の計測によると10オンス程度だった可能性も指摘されています。この時代は物資の統制があり、リベットの省略などデザイン面での変更が多くありました。
1950年代〜1960年代前半: ギャランティーチケットからオンス表記が消え、リーバイスはデニムの厚さを公にすることをやめました。これはLeeやラングラーなどが11-11.5オンスのデニムを使用していたのに対し、リーバイスの10オンスが数字の上で見劣りするのを避けるためだったと推測されています。
1960年代後半〜2000年代初頭: この時期のリーバイスは14オンス前後のデニムを使用するようになります。551ZXX/505のフラッシャーには「Over 14 oz. Denim」の表記があり、防縮加工前は12.5オンス前後だったと考えられています。
現代(2020年代): 現行の501は約12オンスのデニムを使用しており、着用感と耐久性のバランスが取れたモデルとなっています。LVCシリーズでは各時代のオンス数を再現したモデルが販売されています。
リーバイスはこのようにオンス数を時代に合わせて変化させてきましたが、常に「着用感」と「耐久性」のバランスを追求してきたと言えるでしょう。現代のデニム愛好家の中には、14オンスの1950〜60年代のモデルを「理想的なオンス数」とする意見も多くあります。

歴代リーバイス オンスの変遷と各モデルの特徴
- リーバイス 発売当初の501は9オンスの比較的薄手のデニムだった
- 大戦モデルは12オンスと言われていたが実際は10オンス程度の可能性がある
- 1960年代以降のリーバイスは14オンス前後が主流となった
- 現行の501は12オンス前後でバランスの良い仕様になっている
- リーバイス ヴィンテージクロージングでは各年代の特徴的なオンスを再現している
- リーバイス オンスの違いはジーンズのシルエットや着用感にも影響する
- まとめ:リーバイス オンスの知識を活かした適切な選び方
リーバイス 発売当初の501は9オンスの比較的薄手のデニムだった
リーバイスが1873年に特許を取得し発売した最初のジーンズ(当時はまだ「501」という名称ではなく「XX」と呼ばれていました)は、約9オンスの比較的薄手のデニムを使用していました。これは現代の目から見るとかなり軽量なデニムですが、当時のワークウェアとしては十分な耐久性を備えていたとされています。
初期の「XX」は鉱山労働者や農場作業員などの過酷な労働環境で使用されることを想定して作られました。そのため、生地の厚さだけでなく、ポケットのリベット補強なども重要な特徴でした。9オンスというオンス数は、耐久性と動きやすさのバランスを考慮して選ばれたと考えられます。
当時のデニム生産技術では、現代のように厚手の生地を均一に織ることは難しかったという技術的な制約もあったでしょう。また、作業着としての機能性を考えると、あまりに厚いデニムは動きを制限する可能性もあります。
興味深いことに、現存する最古のリーバイスジーンズとされる「XXc.1879」(サンフランシスコのリーバイス本社に保管)も同様のオンス数のデニムが使用されていると考えられています。この貴重なヴィンテージジーンズは、その希少性から1,000万円を超える価値があるとも言われています。
初期のリーバイスが9オンスという比較的軽いデニムから始まったことは、「ヘビーオンスほど良い」という現代のデニム観とはやや異なる点で興味深いです。リーバイスのデニムは時代のニーズに合わせて徐々に進化し、オンス数も変化していったのです。
大戦モデルは12オンスと言われていたが実際は10オンス程度の可能性がある
第二次世界大戦中に生産されたリーバイスのジーンズ、通称「大戦モデル」は、デニムファンの間で高い人気を誇ります。従来、この大戦モデルには物資統制下での補強部品の削減(リベットや股リベットの省略など)の代わりに、より厚手の12オンスデニム(縮み後約13.5オンス)が使用されたと言われてきました。
しかし、実際のヴィンテージジーンズの計測結果によると、この説には疑問が呈されています。大戦モデルと戦前・戦後のモデルを重量測定して比較した調査では、大戦モデルが特に重いという結果は得られませんでした。むしろ、サイズの差を考慮しても、大戦モデルと他の時代のモデルの間に顕著な重量差は見られなかったという結果になっています。
例えば、ある研究では1922年モデル(618g)、1937年モデル(656g)、大戦モデル(603g)、片面タブモデル(初期型・640g、後期型・629g)、ギャラ無し紙パッチモデル(613g)を比較していますが、大戦モデルが特に重いという傾向は見られませんでした。
このことから、大戦モデルには特別に厚手のデニムが使われていたという従来の説は「神話」である可能性が高く、実際には戦前と同じ10オンス程度のデニムが使われていたのではないかという見方が強まっています。
大戦モデルの独特の風合いや評価の高さは、オンス数よりも当時の特殊な生産環境(物資不足、生産急増など)や、デニムの織り方、染色方法の特性によるものかもしれません。特に「ドス黒」と呼ばれる濃いインディゴ染料や、軍用ヘリンボーンツイル地のポケット裏地など、大戦モデル特有のディテールが独特の風合いを生み出しています。
このように、ヴィンテージリーバイスの研究が進むにつれて、従来の定説が覆されることもあります。それもまた、ヴィンテージデニムの魅力の一つと言えるでしょう。
1960年代以降のリーバイスは14オンス前後が主流となった
1960年代後半から2000年代初頭にかけて、リーバイスのジーンズ、特に501モデルは14オンス前後のデニムを使用するようになりました。この時期のオンス数の増加は、消費者のニーズの変化やファッションとしてのジーンズの位置づけの変化を反映していると考えられます。
1967年頃の551ZXX/505のダブルネームのフラッシャーには「Over 14 oz. Denim」(14オンス超のデニム)という表記が見られます。このモデルはリーバイスの防縮加工(プロセス686)が施されており、縮みは1%以下と説明されています。防縮加工によってオンス数が増加することを考慮すると、縮み前の生デニムは12.5オンス前後だったと推測されます。
この頃から、ジーンズは単なる作業着から、ファッションアイテムとしての地位を確立していきました。特に1950年代のマーロン・ブランドや、1960年代のヒッピームーブメントの影響で、ジーンズはカウンターカルチャーの象徴としても人気を集めるようになります。
耐久性と同時に、美しい色落ちや経年変化を楽しむというジーンズの新しい楽しみ方が広まるにつれ、14オンス前後のミッドウェイトデニムが「理想的な」オンス数とされるようになっていきました。この時期のモデルは、現在でもヴィンテージマーケットで高い人気と評価を得ています。
実際に、1960年代後期から1970年代のリーバイスのジーンズは、耐久性と美しい色落ちのバランスが絶妙と言われ、多くのデニムファンに愛されています。特に「66前期モデル」と呼ばれる片面タブの501は、その生地の質感と色落ちの美しさで高い評価を受けています。
この時期のリーバイスがほぼ40年にわたって14オンス前後のデニムを使用し続けたことが、現代のデニム市場における「14オンスが理想的」という認識の基礎になったと考えられています。

現行の501は12オンス前後でバランスの良い仕様になっている
現代(2020年代)のリーバイス501は、およそ12オンス前後のデニムを使用しており、着用感と耐久性のバランスがとれた仕様になっています。このオンス数の変更は、現代の消費者のライフスタイルや好みに合わせた結果と考えられます。
12オンスというオンス数は、丈夫さを保ちながらも比較的早く体に馴染み、着用感も軽やかです。日常使いからカジュアルなビジネスシーンまで幅広く対応できるバランスの良さが特徴です。また、四季を通して着用しやすいという利点もあります。
現行の「501®オリジナル」のデニムは、14オンスデニムが主流だった1960-90年代と比べるとやや薄くなっていますが、特殊な織り方や加工によって耐久性は維持されています。また、ストレッチ素材を含む「501®ストレッチ」などのバリエーションも展開されており、より現代的な快適さを追求したモデルも選べるようになっています。
興味深いことに、現行モデルでも「501® ’93ストレート」など、特定の年代の雰囲気を再現したモデルも人気です。これらは当時のシルエットやデザインを踏襲していますが、オンス数は現代の12オンス前後になっていることが多いです。
リーバイスの公式サイトでは、現行モデルのオンス数の詳細が明記されていないことも多いですが、これは「デニム用語辞典」のページで「一般的には14オンスのデニムを使用していて、10オンス未満はライトオンス、15オンス以上はヘビーオンス、20オンス以上はヘビーウエイトオンスと言われています」と説明しているように、標準的なオンス数を採用していることを示唆しています。
現行の501が12オンス前後という選択は、多くの人が日常的に快適に着用できることを重視した結果と言えるでしょう。より厚手のデニムを求める方は、リーバイスのヴィンテージクロージングラインや、特別モデルをチェックするのがおすすめです。
リーバイス ヴィンテージクロージングでは各年代の特徴的なオンスを再現している
リーバイスのプレミアムライン「リーバイス ヴィンテージクロージング(LVC)」は、過去の象徴的なモデルを忠実に再現することを目指しており、その中にはオリジナルモデルのオンス数も含まれています。LVCは歴史的に重要な501モデルを中心に、当時の生産方法、素材、ディテールを可能な限り正確に復刻しています。
LVCにおける主要な501モデルのオンス数は以下のとおりです:
モデル | オンス数 | 特徴 |
---|---|---|
1933年モデル | 12.7オンス | ライトオンス、最もワイドなシルエット |
1937年モデル | 12.7オンス | ライトオンス、やや浅めの股上 |
1944年モデル | 13.3オンス | ミッドウェイト、大戦モデル |
1947年モデル | 13.3オンス | ミッドウェイト、細身シルエット |
1955年モデル | 14.1オンス | ヘビーオンス、最も人気の高いモデル |
1966年モデル | 13.7オンス | やや厚手、最も股上が浅い |
興味深いのは、LVCの大戦モデル(1944年)が13.3オンスとなっており、前述の実測研究で示唆された「大戦モデルは従来言われていたより薄かった可能性」とは異なる解釈を採用している点です。これは、リーバイス社の公式見解や過去の資料に基づいた再現を行っているためと考えられます。
LVCの1955年モデルは14.1オンスと最も厚手で、デニムファンの間でも人気が高いモデルです。このモデルはオリジナルの赤耳セルビッジデニムの風合いを再現しており、じっくりと時間をかけて育てる楽しみがあります。
LVCシリーズを通じて、リーバイスの歴史的変遷を体験することができるのは、デニム愛好家にとって大きな魅力です。各時代のオンス数を再現することで、当時の着用感や色落ちの特徴を現代でも楽しむことができます。
ただし、完全に同じ生地を再現することは技術的に難しい面もあり、オリジナルのヴィンテージ品とは若干の違いがあるのも事実です。それでも、LVCは最も本格的に歴史を再現したプレミアムデニムとして、多くのデニムファンから支持されています。
リーバイス オンスの違いはジーンズのシルエットや着用感にも影響する
デニムのオンス数は、単なる生地の厚さの指標ではなく、ジーンズのシルエットや着用感に大きく影響します。リーバイスの各モデルにおいても、オンス数の違いがシルエットの特徴と密接に関連しています。
シルエットへの影響 オンス数が高い(厚手の)デニムは、その重さと剛性により、立体的なシルエットを形成しやすい傾向があります。例えば、リーバイスのヴィンテージクロージングの1955年モデル(14.1オンス)は、生地の厚みが「腰から足首へかけて広がりを持たせた」特徴的なシルエットの形成を助けています。
一方、オンス数が低い(薄手の)デニムは、体に馴染みやすく、より自然なドレープを描く傾向があります。1933年や1937年モデル(12.7オンス)は、比較的柔らかい生地特性により、リラックスしたワイドなシルエットを表現しやすくなっています。
着用感への影響 オンス数が高いデニムは初期の硬さが特徴で、「育てる」というプロセスが必要になります。着用を重ねることで徐々に体に馴染み、自分だけの風合いが生まれます。1955年モデルなどのヘビーオンスのジーンズは、この「育てる楽しみ」が特に大きいと言えるでしょう。
一方、オンス数が低いデニムは初めから柔らかく、すぐに快適な着用感が得られます。1944年や1947年モデル(13.3オンス)は、ミッドウェイトでありながらも比較的馴染みやすく、現代的な着用感を求める方にも適しています。
モデル別のシルエットとオンスの関係 リーバイス ヴィンテージクロージングの各モデルを比較すると、興味深い傾向が見えてきます:
- 1933年モデル(12.7オンス):最も股上が深く、わたり幅も最も広いワイドストレート
- 1955年モデル(14.1オンス):1933年と同じく太いわたり幅だが、股上はやや浅め
- 1966年モデル(13.7オンス):股上が最も浅く、わたり幅もやや細め
これを見ると、単純に「オンス数が高いほど太い」という関係ではなく、各時代の流行やニーズに合わせたシルエット設計があり、それに適したオンス数が選ばれていることがわかります。
現代のジーンズ選びにおいても、単にオンス数だけでなく、シルエットや着用感も含めた総合的な視点で選ぶことが大切です。自分の体型や好みに合ったシルエットのモデルを選び、そのモデルに適したオンス数のバリエーションを検討するというアプローチが効果的でしょう。

まとめ:リーバイス オンスの知識を活かした適切な選び方
最後に記事のポイントをまとめます。
- オンスはデニム生地の重さと厚さを表す単位で、1オンスは約28g、一平方ヤード当たりの重量を表す
- リーバイス501は誕生時の9オンスから始まり、時代とともに10オンス、12オンス、14オンスと変化してきた
- 一般的に12オンス未満がライトオンス、12〜16オンスがミッドウェイト、16オンス以上がヘビーオンスと分類される
- 大戦モデルは従来12オンスと言われていたが、実際の測定では10オンス程度だった可能性がある
- 1960年代後半から2000年代初頭まで、リーバイスは14オンス前後のデニムを標準としていた
- 現行の501は約12オンスで、着用感と耐久性のバランスが取れた仕様になっている
- リーバイス ヴィンテージクロージングでは年代ごとのオンス数を忠実に再現している
- オンス数の違いは色落ちの進み方に影響し、厚手ほど濃淡のコントラストが強く出る傾向がある
- 季節や用途に応じて適切なオンス数を選ぶことが重要で、夏は軽め、冬は厚めが基本
- オンス数はシルエットにも影響し、厚手のデニムほど立体的なシルエットを形成しやすい
- 1955年モデル(14.1オンス)は最も人気の高いLVCモデルで、厚手ならではの経年変化が魅力
- 自分のスタイルや好みに合わせたオンス数を選ぶことで、長く愛用できるジーンズとの出会いが期待できる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト https://www.levi.jp/2023ss_150th_history.html https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14150550144 https://www.levi.jp/lvc_sizechart.html https://buysell-kaitori.com/column/feature-jeans_and_history/ https://www.levi.jp/denim-dictionary.html https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9+501+14+%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%B9/ http://denimarchieves.blogspot.com/2018/10/501xx1.html https://www.mylevis501.com/2015/10/vintage501-denim-ounces.html https://www.arknets.co.jp/storestaff/blogdetail.aspx?article_id=815882