古着好きの間で人気のリーバイス。特にヴィンテージモデルを探す際、ボタン裏の刻印を確認する人は多いでしょう。しかし、「ボタン裏に刻印がない!これって偽物?」と悩んだ経験はありませんか?実は、リーバイスの正規品でもボタン裏刻印がない個体は存在します。
本記事では、リーバイスの「ボタン裏刻印無し」の個体について詳しく解説します。刻印無しの個体が作られた背景、年代の特定方法、オリジナルと復刻品の見分け方など、古着マニアも納得の情報を徹底解説。これを読めば、あなたも「刻印無し=偽物」という誤解から解放され、ヴィンテージリーバイスへの理解が深まるでしょう。

記事のポイント!
- リーバイスの正規品でもボタン裏刻印が無い個体が実在する
- 刻印無しは特定の年代(主に506の時代)やモデルに見られる特徴
- オリジナルと復刻の刻印無し個体は、使用されている糸の種類などで見分けられる
- 刻印以外にも年代を判別できるポイント(パッチ、タブ、ステッチなど)がある
リーバイスのボタン裏刻印無しとは何か
- リーバイスのボタン裏刻印無しは正規品として実在する
- ボタン裏刻印無しが確認されているのは特定の年代やモデル
- 刻印無しの個体は506の名残といわれる理由
- ボタン裏の刻印とはそもそも何を意味するのか
- オリジナルと復刻品の両方に刻印無しが存在する事実
- リーバイス501XXでも刻印無しのモデルがある特徴
リーバイスのボタン裏刻印無しは正規品として実在する
「ボタン裏に刻印がない=偽物」という誤解は広く存在していますが、実はこれは間違いです。Yahoo!知恵袋の質問回答やヴィンテージジーンズに詳しいブログなどの情報によると、リーバイスの正規品でも、トップボタン(一番上のボタン)の裏側に刻印がない個体は確かに存在します。
刻印無しの個体は、特定の時代やモデルに見られる特徴で、刻印文化が定着する前の時代や、特定の工場で製造されたものに多く見られます。独自調査の結果、特にセカンドモデル(507XX)や特定の年代の501XXなどで刻印無しの個体が確認されています。
刻印無しだけをもって偽物と判断するのは早計です。むしろ、ヴィンテージリーバイスの一つの特徴として認識されており、コレクターの間では貴重な個体として扱われる場合もあります。
ボタン裏刻印はリーバイスの年代判別において重要な指標の一つですが、それがない場合は他の特徴から判断する必要があります。刻印無しの個体に出会った場合は、パッチやタブ、ステッチなど他の要素も総合的に見て判断しましょう。
また、興味深いことに古着市場では刻印無しの個体も正規品として取引されており、状態やモデル、年代によっては高値で取引されることもあります。つまり、刻印無しであることはリーバイスのヴィンテージ価値を必ずしも下げる要素ではないのです。
ボタン裏刻印無しが確認されているのは特定の年代やモデル
ボタン裏刻印無しの個体が確認されているのは、主に以下のモデルや年代です。
確認されているモデル:
- 507XX(セカンドモデル)
- 501XX(特定の年代のみ)
- 70505(一部の個体)
- 557(一部の個体)
特に、セカンドモデル(507XX)では刻印無しの個体が多く確認されています。Yahoo!知恵袋の回答者によると「セカンドの刻印なしはありますね。オリジナルだと思います」との情報があります。
年代的には、1950年代前半から刻印が導入され始め、それ以前のモデルには刻印がない場合が多いとされています。また、1950年代後半になると刻印付きが主流となりますが、同時期に刻印無しの個体も混在していたと考えられています。
工場によっても違いがあり、同じ年代でも工場によって刻印の有無が異なる場合があります。これは生産ラインや工場の方針によって変わっていたと推測されます。ただし、詳細な工場ごとの違いについては、リーバイス社が公式に明らかにしていないため、完全な理解には至っていません。
刻印無しの個体を見分ける際は、他の特徴(パッチの種類、赤タブの形状、ステッチの特徴など)から年代を推定する必要があります。例えば、「紙パッチギャラ入り」の501XXでもボタン裏刻印無しの個体が確認されており、こうした特徴から1950年代後半頃のモデルと推定できます。
長年の間に多くのモデルが生産されてきたリーバイスですが、特定の時期や工場での製造品に刻印無しが見られるという事実は、ヴィンテージジーンズの奥深さを示す一例と言えるでしょう。
刻印無しの個体は506の名残といわれる理由
知恵袋の回答によると、「刻印なしは506の名残ですね」という興味深い説明があります。これはどういう意味なのでしょうか?
506とは、リーバイスの初期のデニムパンツのモデル番号の一つです。リーバイスの歴史において、501が最も有名なモデルですが、初期には様々なモデル番号が存在していました。そのうちの一つが506であり、このモデルが製造されていた時代には、まだボタン裏刻印の文化が確立されていなかったと考えられています。
506モデルの正確な製造年代は資料によって異なりますが、概ね1940年代から1950年代初期にかけてと推定されています。この時代はまだ工場管理のための刻印システムが完全に導入される前の時期でした。
その後、リーバイスは徐々に現代的な品質管理システムを導入し、1950年代中頃からボタン裏に工場番号や製造年を示す刻印を入れるようになりました。しかし、移行期には刻印のある個体と無い個体が混在していたようです。
「506の名残」という表現は、506モデルの時代の製造方法や伝統が、後のモデルにも一部引き継がれていたことを意味していると考えられます。特に、生産ラインの変更や工場の違いにより、新しい製造方法(刻印あり)と古い製造方法(刻印なし)が並行して存在していた可能性があります。
このように、刻印無しの個体は単なる例外ではなく、リーバイスの製造過程の歴史的な変遷を示す重要な証拠と言えるでしょう。ヴィンテージリーバイスのコレクターにとっては、こうした時代背景や製造の変遷を知ることで、所有する個体の歴史的価値をより深く理解することができます。
ボタン裏の刻印とはそもそも何を意味するのか
リーバイスのボタン裏刻印について理解を深めるため、そもそもこの刻印が何を意味するのかを解説します。ヴィンテージマテリアルの資料によると、これらの刻印は主に「製造工場」や「地域」を判別するために入れられていたとされています。
刻印の種類は大きく分けて以下のようなパターンがあります:
- アルファベット1文字:例)A, D, E, F, J, K, L, O, S, W など(1950年代〜1960年代後半)
- 数字1桁:例)2, 4, 5, 6, 8 など(1950年代〜1970年代)
- 数字2桁:例)10, 12, 14, 16, 17, 20 など(1960年代〜1980年代)
- 数字3桁:例)501, 513, 522, 524, 555 など(1980年代〜2000年初期)
- 数字4桁、またはアルファベット+数字:現行モデル(2000年以降)
これらの刻印は、リーバイスの工場管理システムの一部として導入されました。例えば、「6」という数字はエルパソ工場(後の524工場)を示し、「555」はバレンシア工場(最後のアメリカ製工場の一つ)を示すとされています。
興味深いことに、同じ工場でも時代によって番号が変わっています。例えば、エルパソ工場は初期には「6」、後に「524」という刻印になりました。これはリーバイスの管理システムが時代とともに変化したことを示しています。
刻印システムが導入されたのは1950年代頃からと言われており、それ以前のモデルには刻印がなかったり、別の方法で管理されていた可能性があります。また、導入初期には刻印のある個体と無い個体が混在していたようです。
この刻印システムはリーバイス社の内部管理用であり、一般消費者向けに公開されていたわけではありません。そのため、どの番号がどこの工場を示すのかについては、ヴィンテージジーンズ愛好家の調査や情報交換によって少しずつ解明されてきました。現在でも完全に解明されているわけではなく、未知の部分も多く残されています。
刻印の有無や種類を知ることは、そのジーンズがいつ、どこで作られたのかを知る手がかりとなり、ヴィンテージリーバイスの価値を判断する上で重要な要素となっています。
オリジナルと復刻品の両方に刻印無しが存在する事実
リーバイスのヴィンテージ市場において興味深いのは、オリジナル(当時の製品)と復刻品(後に再現された製品)の両方に刻印無しの個体が存在するという事実です。これは古着市場での判別をより複雑にしている要因の一つです。
Yahoo!知恵袋の回答によると、「復刻でも刻印がないものがあります」と明確に述べられています。これは、リーバイス・ヴィンテージ・クロージング(LVC)などの復刻ラインが、オリジナルの詳細を忠実に再現する過程で、刻印無しのモデルも再現しているためです。
オリジナルの刻印無し個体は、主に1950年代前半から中期にかけてのモデルに見られます。一方、復刻品の刻印無し個体は、そうしたオリジナルを忠実に再現するために意図的に刻印を入れていないケースです。
両者を見分けるポイントとしては、縫製に使われている糸の種類が挙げられます。知恵袋の回答によると:
- オリジナルには「ただの綿糸」が使われている傾向がある
- 復刻品には「スパン系の糸」が使われている傾向がある
具体的には、「スパンは丈夫で、テカっている。綿糸は切れやすく、テカっていない」という特徴があります。また、オリジナルの綿糸は経年により「色あせやぼろくなっている」ことが多いです。
さらに、カフスの折り返し縫いの有無も見分けるポイントとされています。復刻品の場合、製造技術や素材の違いから、オリジナルとは微妙に異なる特徴があることも多いです。
ただし、これらの見分け方はあくまで一般的な傾向であり、例外も存在します。また、優れた復刻品は肉眼での判別が非常に難しいレベルに達していることもあります。確実な判別には、ディテールに関する深い知識と経験が必要です。
オリジナルと復刻品の両方に刻印無しが存在するという事実は、リーバイスの歴史の複雑さと、復刻品が本物の特徴を忠実に再現しようとする努力の表れとも言えるでしょう。
リーバイス501XXでも刻印無しのモデルがある特徴
リーバイスの代表的モデルである501XXにも、ボタン裏刻印無しの個体が存在します。hands-onブログなどの情報によると、特に「紙パッチギャラ入り」と呼ばれる1950年代の501XXには、刻印無しの個体が確認されています。
501XXの刻印無しモデルには、以下のような特徴が見られることが多いです:
1. 紙パッチの特徴
- 「Every Garment Guaranteed」という表記がある(通称「ギャラ入り」)
- 1955年頃から1962年頃までの特徴
2. リベットの特徴
- 隠しリベット(バックポケットの内側にのみリベットがある)が使用されている
- リベット裏は銅色(ギャラ入り時代の特徴)
- リベット裏には刻印があることもある(「11」「12」など)
3. フライボタンの特徴
- 「足長R」と呼ばれる、Rの文字の軸が長いデザインのボタンを使用
- 1950年中頃〜1960年代後半の特徴
4. ステッチの特徴
- Vステッチ(トップボタン脇にVの字のように折り返すステッチ)が見られる
- ミシンの返し縫い機構がなかった時代(〜1960年代)の特徴
5. ベルトループの特徴
- オフセットベルトループ(後ろの中心部のベルトループが中心から左にずれている)
- 1950年代後半〜1964年頃の特徴
これらの特徴がある501XXは、主に1950年代後半の製造と推定されています。特に「紙パッチギャラ入り」の501XXは、リーバイスの歴史の中でも重要な時期のモデルとして知られており、コレクターからの評価も高いです。
刻印無しの501XXが偽物でないことは明らかですが、高価な価値を持つヴィンテージであるため、近年では復刻品や偽物も存在します。購入を検討する際は、上記の特徴だけでなく、全体的な風合いや経年変化のリアリティなども含めて判断することが重要です。
また、501XXの刻印無しモデルは、単に刻印がないだけでなく、その他のディテールも含めて特定の時代を代表する貴重な個体であることを理解しておくと良いでしょう。

リーバイスのボタン裏刻印無しを見分けるためのポイント
- オリジナルと復刻の刻印無しを見分けるポイントは糸の種類
- 70505ボタン刻印無しの特徴と見分け方
- リーバイス内タグがないケースと刻印無しの関係性
- リーバイス工場番号のレア度と刻印無しの希少性比較
- 刻印無しと他の年代刻印(1桁、2桁、3桁、4桁)の違い
- 年代判別に役立つボタン裏以外のチェックポイント
- まとめ:リーバイスのボタン裏刻印無しは正規品だが確認ポイントが重要
オリジナルと復刻の刻印無しを見分けるポイントは糸の種類
リーバイスのボタン裏刻印無しの個体がオリジナル(ヴィンテージ)か復刻品かを見分ける際、最も重要なポイントの一つが使用されている「糸の種類」です。Yahoo!知恵袋の回答によると、この違いは見た目や触感からある程度判別可能です。
オリジナルの特徴:
- 「ただの綿糸」が使用されている
- 糸にテカリがない(マットな質感)
- 切れやすく、経年劣化で色あせやほつれが生じている
- 古ければ古いほど、綿糸は色あせやぼろくなっている傾向がある
復刻品の特徴:
- 「スパン系の糸」が使用されている
- 糸にテカリがある(光沢感がある)
- 丈夫で、現代の製造技術による耐久性がある
- 新しいため、極端な色あせや劣化が見られない
糸の種類を見分けるには、ステッチ部分(特に目立つ箇所やバックポケットのアーキュエイトステッチなど)を注意深く観察します。オリジナルの古い綿糸は経年変化による独特の風合いを持っており、この自然な経年劣化を再現することは復刻品でも難しいとされています。
また、カフスに折り返し縫いがあるかどうかも確認ポイントの一つです。一部の復刻品には、オリジナルにはない縫製方法が採用されていることがあります。
ただし、注意すべき点として、現在の復刻技術は非常に高度になっており、素人目には判別が難しいケースも増えています。また、年代によっては例外的な特徴を持つ個体も存在するため、糸の種類だけでなく、複数の要素を総合的に判断することが重要です。
特に高額なヴィンテージリーバイスを購入する際は、信頼できる専門店やセラーから購入するか、詳しい知識を持つ人に相談することをお勧めします。また、自分自身でも知識を深めることで、より確かな目を養うことができるでしょう。
70505ボタン刻印無しの特徴と見分け方
リーバイスの代表的なデニムジャケットモデル「70505」(通称4th)にも、ボタン裏刻印無しの個体が存在します。これらは通常の刻印付き70505とは異なる特徴を持っており、古着市場では特別な存在として扱われることがあります。
70505刻印無しの主な特徴:
- 赤タブの特徴:
- ビッグEの不均等V(1966年〜1973年頃の特徴)
- まれに均等Vの個体も存在(より初期の特徴)
- パッチの特徴:
- 70505の紙パッチ(557に比べて横長で小さい)
- 初期のモデルでは「デカ紙パッチ」と呼ばれる大きめのパッチも
- ステッチの特徴:
- フロントポケットのバータック(補強ステッチ)がオレンジ糸の平行ステッチ(2本)
- 一部の個体では袖先のステッチが1本のみという特徴も
- 製造時期:
- 主に1966年〜1971年頃の70505初期モデル
- 特に初期の「70505デカ紙パッチ」や「557/70505ダブルネーム」と呼ばれる移行期のモデルに多い
70505の刻印無しモデルは、557(3rd)から70505(4th)への移行期に製造されたものが多いとされています。JAMのブログ情報によると、557から70505への移行は1966年頃で、この時期は「ダブルネーム」や「デカ紙パッチ」などの特殊なモデルが短期間製造されていました。
刻印無しの70505を見分ける際のポイントとしては、内タグの有無も重要です。1974年以降のモデルには内タグが付いているため、刻印無しでも内タグがある場合は比較的新しいモデルである可能性が高いです。ただし、ケアタグのみ付いている場合は移行期のモデルの可能性もあります。
また、赤タブの特徴からも年代を推測できます。不均等Vのビッグは1966年〜1973年頃、スモールeは1974年以降の特徴です。刻印無し70505の多くは前者の時期に該当します。
希少性の観点では、刻印無しの70505、特にダブルネームやデカ紙パッチモデルは製造期間が短いため、コレクターから高い評価を受けることがあります。ただし、状態や他の特徴との組み合わせによって価値は変動します。
購入を検討する際は、これらの特徴を総合的に判断するとともに、可能であれば信頼できる専門店や詳しい知識を持つ人のアドバイスを求めることをお勧めします。

リーバイス内タグがないケースと刻印無しの関係性
リーバイスのジーンズやジャケットを見分ける際、ボタン裏刻印と内タグは重要な判別ポイントですが、両方が欠けているケースもあります。ここでは、内タグがない場合と刻印無しの関係性について解説します。
内タグが存在しない年代:
- 1974年以前のリーバイス製品には基本的に内タグがない
- 内タグが導入されたのは1974年からとされている
- それ以前のモデルでは、パッチに記載された情報のみが製品情報となる
この事実を踏まえると、以下のような関係性が考えられます:
内タグなし+ボタン裏刻印なしの場合:
- 1950年代〜1960年代初期の可能性
- この時代はまだボタン裏刻印が一般的ではなく、内タグも導入前
- 特に革パッチや紙パッチギャラ入りの初期モデルにこの特徴が見られる
- パッチが欠損した1970年代前半のモデルの可能性
- 内タグ導入前で、何らかの理由で刻印が入っていないか消えた個体
- レプリカ(復刻品)の可能性
- ヴィンテージを再現した復刻品が、内タグを付けずに刻印も省略している場合
内タグがない場合は、他の特徴から年代を判断する必要があります。Vintajinのノート記事によると、年代判別のために以下のポイントをチェックすることが推奨されています:
- パッチの特徴:
- XX表記の有無(〜1967年頃までの特徴)
- Every Garment Guaranteed表記(〜1962年頃までの特徴)
- Made in USA表記の位置やスタイル
- 赤タブの特徴:
- ビッグE vs スモールe(1974年を境に変更)
- 均等V vs 不均等V(1966年頃を境に変更)
- ステッチの特徴:
- バックポケットのシングルステッチ(〜1977年頃までの特徴)
- チェーンステッチ(1977年頃〜の特徴)
- リベットの特徴:
- 隠しリベットの有無(〜1966年頃までの特徴)
- リベット素材(鉄の銅メッキ vs アルミ)
内タグがなく刻印も無い場合でも、これらの要素を総合的に判断することで、おおよその年代や真贋判定が可能です。ただし、すべての情報源が一致するわけではないため、複数の情報を照らし合わせることが重要です。
また、リーバイスの長い歴史の中では例外的な個体も存在するため、「内タグなし+刻印なし」という特徴だけで簡単に判断せず、総合的な視点を持つことが大切です。
リーバイス工場番号のレア度と刻印無しの希少性比較
リーバイスのヴィンテージ市場において、ボタン裏刻印(工場番号)のレア度と刻印無しの希少性を比較してみましょう。これはコレクション価値や市場価値を理解する上で重要なポイントとなります。
工場番号(刻印)のレア度:
- 最もレアとされる刻印:
- アルファベット全種類(A, D, E, F, J, K, L, O, S, W など)
- 数字「2」
- これらは1950〜70年代の刻印で、特に希少性が高い
- 比較的レアな刻印:
- 「16」(50年代初期〜70年代中期まで長期稼働した工場)
- 「555」(バレンシア工場、1996〜2003年の最後のアメリカ製工場)
- これらは特徴的なモデルや完成度の高い製品で知られている
- 一般的な刻印:
- 3桁の数字(501, 513, 522, 524, 527など)
- 1980〜2000年初期の刻印で比較的多く見られる
刻印無しの希少性:
刻印無しの個体は、以下のような場合に希少性が高いとされています:
- 特定の年代の刻印無し:
- 1950年代前半の「紙パッチギャラ入り」501XXの刻印無し
- 革パッチ時代(1953〜1954年頃)の刻印無し
- これらは刻印システム導入前または導入初期の貴重な個体
- 特定のモデルの刻印無し:
- セカンドモデル(507XX)の刻印無し
- 557/70505ダブルネームの刻印無し
- これらの特殊モデルの刻印無しは特に希少
- 一般的な刻印無し:
- 単に刻印がない(または消えた)だけの個体
- 特に他の特徴がなければ、希少性は比較的低い
希少性の比較:
総合的に見ると、以下のような価値序列が考えられます(あくまで一般的な傾向):
- 最も価値が高い:特定の希少モデル(大戦モデル、革パッチ、特定の工場限定モデルなど)の刻印付き/刻印無し
- 次に価値が高い:アルファベット刻印や「2」などの希少刻印を持つモデル
- その次:紙パッチギャラ入りなどの古い年代の刻印無しモデル
- 一般的な価値:通常の3桁刻印モデル
- 比較的価値が低い:後期のモデルで特に特徴のない刻印無し個体
ただし、ヴィンテージリーバイスの価値は刻印だけでなく、全体的な状態、色落ち具合、特殊な特徴(赤耳、特殊ステッチなど)、サイズなど多くの要素によって大きく変動します。例えば、状態の良い刻印無しの501XXは、状態の悪い希少刻印のモデルよりも価値が高い場合もあります。
また、市場のトレンドによっても価値は変動するため、固定的な価値序列ではなく、参考程度に考えることをお勧めします。
刻印無しと他の年代刻印(1桁、2桁、3桁、4桁)の違い
リーバイスのボタン裏刻印は、時代とともに変化してきました。ここでは、刻印無しと各年代の刻印の違いについて解説します。これにより、刻印無しがどの時代の特徴なのかをより明確に理解できるでしょう。
刻印無しの特徴:
- 主に1950年代前半以前、および移行期の一部
- 全モデルに一律ではなく、同時期に刻印ありの個体も存在
- 506モデルの名残と言われる
- 最も古いモデルの特徴として認識されることが多い
1桁の数字やアルファベット1文字刻印:
- 時期:1950年代〜1970年代前半
- 例:A, D, E, F, J, K, L, O, S, W, 2, 4, 5, 6, 8
- 最も古い体系的な刻印とされる
- アルファベットは工場の頭文字と推測されている(例:J=サンノゼ工場)
- 希少性が高く、特にアルファベットと「2」は非常に価値が高い
2桁の数字刻印:
- 時期:1960年代〜1980年代前半
- 例:10, 12, 14, 16, 17, 20
- 「16」工場は特に有名で、50年代から70年代中期まで長期稼働
- 通常のラインにはない変わったモデルが多いことで知られる
3桁の数字刻印:
- 時期:1980年代〜2000年初期
- 例:501, 513, 522, 524, 527, 532, 544, 552, 553, 555, 558, 575
- 5から始まる番号はリーバイス社自社工場、6から始まる番号は社外工場
- 「555」はバレンシア工場で最後のアメリカ製工場として有名
4桁の数字刻印やアルファベット+数字:
- 時期:2000年以降の現行モデル
- 例:4桁の数字や「J22」などの組み合わせ
- 文字が詰まって印字されているのが特徴
- 日本企画モデルには「J」が先頭につくことが多い
刻印無しと各年代刻印の違いを表にまとめると:
刻印タイプ | 主な時代 | 特徴 | 希少性 |
---|---|---|---|
刻印無し | 〜1950年代前半 | 506の名残、システム導入前 | 年代・モデルによる |
アルファベット1文字 | 1950年代〜1960年代後半 | 工場頭文字と推測 | 非常に高い |
数字1桁 | 1950年代〜1970年代 | 工場番号 | 高い |
数字2桁 | 1960年代〜1980年代前半 | 拡張された工場番号 | 中〜高 |
数字3桁 | 1980年代〜2000年初期 | 体系化された工場番号 | 低〜中 |
4桁/アルファベット+数字 | 2000年以降 | 現行の管理システム | 低い |
このように、刻印無しはリーバイスの最も初期のシステムを反映しており、年代判別において重要な手がかりとなります。ただし、刻印だけで判断するのではなく、他のディテールと合わせて総合的に判断することが重要です。
年代判別に役立つボタン裏以外のチェックポイント
ボタン裏刻印が無い場合、年代判別には他の特徴を確認する必要があります。以下に、リーバイスの年代を特定するための重要なチェックポイントをまとめました。
1. パッチ(革/紙パッチ)の特徴
- 革パッチ(〜1954年頃):
- 鹿革素材を使用
- XX表記あり(例:501XX)
- Every Garment Guaranteed表記あり
- 紙パッチギャラ入り(1955年〜1962年頃):
- Every Garment Guaranteed表記あり
- XX表記あり
- 紙パッチギャラ無し(1962年〜1965年頃):
- Every Garment Guaranteed表記なし
- 小さめの文字でMade in U.S.A.表記
- XX表記あり
- ダブルネーム(1966年〜1967年頃):
- 古い型番と新しい型番が両方記載(例:501XX/501)
- XX表記が消える移行期
- タイプ物(1967年〜1969年頃):
- 型番の横にアルファベット(A、S、F、I など)が印字
- XX表記なし
- 1970年代〜:
- CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT表記あり
- 内タグが付くようになる
2. 赤タブの特徴
- 片面タブ(1936年〜1952年頃):
- 片面のみにLEVI’S表記
- レジスターマーク(®)なし
- 両面タブ均等V(1953年〜1966年頃):
- ビッグE(大文字のE)
- Vの字の太さが均等
- 両面にLEVI’S表記
- レジスターマーク(®)あり
- 両面タブ不均等V(1966年〜1973年頃):
- ビッグE(大文字のE)
- Vの左が太く右が細い
- 現在のロゴに近いデザイン
- スモールeタブ(1974年〜1982年頃):
- 小文字のe(Levi’s)
- 刺繍タイプ
- プリントタブ(1982年〜):
- 小文字のe
- 刺繍ではなくプリント
3. ステッチの特徴
- Vステッチ(〜1960年代):
- トップボタン脇にV字型ステッチ
- ミシンの返し縫い機構がなかった時代の特徴
- シングルステッチ(〜1977年頃):
- バックポケット裏のステッチが1本
- チェーンステッチ(1977年頃〜):
- バックポケット裏のステッチがチェーン状
4. リベットの特徴
- 隠しリベット(1937年〜1966年):
- バックポケット付け根の内側にのみリベットがある
- リベット素材変更(1963年頃):
- リベット内側が鉄の銅メッキからアルミ素材に変更
5. その他の特徴
- オフセットベルトループ(1950年代後半〜1964年頃):
- 後ろの中心部のベルトループが左側にずれている
- 内タグの有無(1974年〜):
- 1974年以降に内タグが導入される
- ジッパーの種類:
- GRIPPER/CONMAR(60年代)
- TALON/SCOVILL(70年代)
- YKK(80年代〜)
これらの特徴を複合的に確認することで、刻印無しのリーバイスでもかなり正確に年代を特定できます。特に、パッチの特徴と赤タブの特徴は年代判別において非常に重要なポイントとなります。
ただし、これらの特徴も絶対的なものではなく、移行期には例外的な個体も存在するため、複数の特徴を組み合わせて総合的に判断することをお勧めします。

まとめ:リーバイスのボタン裏刻印無しは正規品だが確認ポイントが重要
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイスのボタン裏刻印無しは正規品として実在する
- 刻印無しは主に1950年代前半以前や506の名残とされる個体に見られる
- セカンドモデル(507XX)や紙パッチギャラ入りの501XXに刻印無しが多い
- オリジナルか復刻品かは、使用されている糸の種類などで判別できる
- オリジナルは「ただの綿糸」、復刻品は「スパン系の糸」を使用している傾向がある
- 70505(4th)でも刻印無しの個体が存在し、特に移行期の特殊モデルに多い
- 内タグがない個体は1974年以前の製品である可能性が高い
- 刻印無しの希少性は、モデルや他の特徴との組み合わせによって大きく変わる
- 最もレアな刻印はアルファベットと数字「2」とされるが、刻印無しも年代によっては価値が高い
- ボタン裏刻印無しの場合は、パッチ、赤タブ、ステッチ、リベットなど他の特徴を確認して年代判別する
- 赤タブは年代によって「片面タブ」「均等V」「不均等V」「スモールe」など変化している
- オフセットベルトループ(1950年代後半〜1964年頃)も重要な年代判別ポイントである
- 特定の年代の刻印無し個体は、ヴィンテージリーバイスコレクターにとって貴重な存在となる
- リーバイスの刻印に関する情報はまだ完全に解明されていない部分も多く、新たな発見がある可能性もある
- 高額なヴィンテージを購入する際は、信頼できる専門店や詳しい知識を持つ人に相談することが望ましい
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
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- https://mrredwingchildren.hatenablog.jp/entry/2020/05/26/210000
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- https://jamtrading.jp/blogs/jam/1018254/
- https://www.longhorn-imports.com/501big-e-stamp-w/
- https://masagonia.com/archives/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9557%EF%BC%883rd%EF%BC%89%E3%81%A870505%EF%BC%884th%EF%BC%89%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84.html
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