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リーバイスのシンチバックと年代を完全解説📚 知れば古着選びが100倍楽しくなる!

リーバイスのシンチバックと年代を完全解説📚 知れば古着選びが100倍楽しくなる!
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ヴィンテージデニム好きなら一度は憧れる「シンチバック」。リーバイスのジーンズにおいて、このディテールがある年代のものはコレクターから高い価値を認められています。シンチバックとは、ジーンズの後ろウエスト部分に付いた調整用のベルト・バックル機構のこと。サスペンダーが主流だった時代に、ウエストサイズを微調整するために設けられた機能的なディテールです。

リーバイスの歴史において、シンチバックが存在した期間や年代によるデザインの違い、そして現在の価値について詳しく解説します。さらに、ボタン裏の刻印やタブの種類など、年代判別に役立つポイントも紹介。これを読めば、古着屋で掘り出し物を見つける目が養えること間違いなしです!

記事のポイント!

  1. シンチバックが付いていたリーバイスジーンズの年代と特徴
  2. シンチバック付きモデルの現在の市場価値と希少性
  3. リーバイス501の年代別の見分け方と判別ポイント
  4. 現代の復刻版でシンチバック付きモデルを楽しむ方法

リーバイスのシンチバックとその年代について

  1. シンチバックはリーバイスの1870年代~1942年頃まで存在した調整機能
  2. シンチバックが付いていたリーバイス501の各年代モデルの特徴
  3. シンチバックの形状変化と年代判別に役立つポイント
  4. リーバイス シンチバック モデルの中で特に重要な1933年と1937年の特徴
  5. 戦時中の物資統制によりシンチバックが廃止された背景
  6. リーバイス シンチバック付きモデルの現在の価値は数十万円以上

シンチバックはリーバイスの1870年代~1942年頃まで存在した調整機能

シンチバックとは、ジーンズの後ろ側ウエスト部分に付いた調整用のベルト・バックル機構のことです。リーバイスの創業初期である1870年代から第二次世界大戦中の1942年頃まで採用されていました。当時はベルトよりもサスペンダー(吊りバンド)が主流だった時代で、シンチバックはウエストを微調整するための重要な機能でした。

シンチバックは、ジーンズを購入したオーナーが初めて絞る瞬間に特別な感触があったとされています。リーバイス公式サイトによると、「現行のリーバイス・ビンテージ クロージングのシンチバックは、安全上の観点から針ではありませんが、ここをオーナーがはじめて絞る感触、うれしさは当時と変わりないでしょう」と説明されています。

歴史的には、シンチバックがあるだけで製造年代に大きな差があることを示しています。1890年代までのシンチベルトにはリベットが打たれていませんでしたが、1880年代になるとリベットが施されるようになりました。このような細かなディテールの違いが、年代判別の重要なポイントとなっています。

リーバイス501の歴史において、シンチバックの存在は初期のモデルを象徴する特徴といえます。当時のジーンズはワークウェアとして作られており、機能性を重視した設計がなされていました。シンチバックもその一つで、体型やウエストサイズに合わせて調整できる実用的な機能だったのです。

シンチバックが付いた最後のモデルは1937年タイプとされています。第二次世界大戦中の1942年頃に物資統制の影響で廃止されましたが、その前から徐々にベルトの普及が進んでいたため、次第に不要となっていった背景もあります。

シンチバックが付いていたリーバイス501の各年代モデルの特徴

シンチバックが付いていたリーバイスの代表的なモデルには、1890年モデル、1922モデル、1933モデル、1937モデルなどがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

1890年モデルは、リーバイスに「501」というロットナンバーが初めて付けられた記念すべき年のモデルです。当時はアモスケイグ社製の9オンスセルビッジデニムを使用していました。特徴としては、リベットがむき出しとなった1つのバックポケット、シンチバック、サスペンダーボタン、ツーホースレザーパッチ、一本縫いのアーキュエットステッチなどが挙げられます。

1922年モデルは、コーンミルズ社の12.5オンスデニムに統一された時期のモデルです。この頃からベルトループが付くようになりましたが、まだシンチバックも残っていました。1922年~1930年代は、本体のデニムよりもライトオンス(軽い)のデニムがベルトループに使われており、ベルトはサスペンダーの補助的な役割と考えられていたと推測されます。

1933年モデルは、股上が一番深く・わたり幅も一番広い、ワイドストレートのシルエットが特徴です。12.7オンスという比較的ライトオンスな生地を採用していました。シンチバック、サスペンダーボタン、クロッチリベットなど、多くのヴィンテージディテールが詰め込まれた贅沢なモデルといえます。

1937年モデルはシンチバック付きの最終形態です。アメリカが世界大恐慌から脱出しはじめる頃の製品で、古さと新しさをミックスしながら進化をはじめていました。シンチバックはまだ残っていましたが、サスペンダーボタンは廃止されています。また、右バックポケットに初めて「レッドタブ」が付けられたのもこの時期です。

シンチバックの形状変化と年代判別に役立つポイント

シンチバックの形状も時代によって変化しており、年代判別の重要なポイントとなります。初期のシンチバックと後期のものでは、いくつかの特徴的な違いがあります。

1870年代~1920年代のシンチバックは、単純な構造で、後ろウエスト中央に付けられていました。リベットの有無も年代を特定する重要な手がかりです。1870年代までのシンチベルトにはリベットは打たれていませんでしたが、1880年代になるとリベットが施されるようになりました。

また、シンチバックに使われていた金具にも特徴があります。1922年~1941年頃に見られる「SOLIDE」の刻印が入った2本針シンチは、フランスのメーカーのものです。リーバイスだけでなく、さまざまなメーカーの衣類に使われていました。

シンチバックの縫製方法も年代判別のポイントになります。初期のものは手縫いに近い荒い縫製ですが、時代が下るにつれて工業用ミシンによる均一な縫製に変わっていきます。また、シンチバックを留めるリベットの種類も時代によって変化しています。

「頭潰し」という技術で先端が潰されており、「打ち抜き」と呼ばれる作りのリベットが1873年~1920年代まで使われていました。頭潰しは、馬の鞍やイスを傷つけないためだったり、リベットを外れにくくするための技術です。部分的に凹んでいるものが多く見られるのが特徴です。

1890年以降のリベットには「L.S. & Co. – S.F. -」と書かれており、1946年までは「o」が小文字という特徴があります。このような細かなディテールがヴィンテージの真贋や年代を判断する上で重要な役割を果たしています。

【501】シンチバックの形状変化と年代判別に役立つポイント

リーバイス シンチバック モデルの中で特に重要な1933年と1937年の特徴

リーバイスのシンチバック付きモデルの中でも、特に重要なのが1933年モデルと1937年モデルです。これらは最後期のシンチバック付きモデルであり、現在のリーバイス・ヴィンテージ・クロージング(LVC)でも復刻されている人気モデルです。

1933年モデルの特徴は、股上が非常に深く、わたり幅も広いワイドストレートのシルエットにあります。オンスは12.7という比較的軽めの生地を採用しており、着心地が良いのが特徴です。シンチバックに加えて、サスペンダーボタン、クロッチリベット(股部分のリベット)などの古いディテールが残されている一方で、徐々にベルトループも普及してきた時代の過渡期を象徴するモデルといえます。

1937年モデルは、シンチバック付きの最後のモデルとして歴史的価値が高いです。わたり幅が広く、股上がやや浅めで、丸みのあるウエスト周りから、やや太めのレギュラーストレートシルエットが特徴です。オンスは1933年モデルと同様に12.7オンスですが、毛羽立ちが少ないのが特徴的です。このモデルからウエストバンドのサスペンダーボタンが廃止され、隠しリベットやレッドタブが誕生するなど、現代のジーンズに繋がる重要な変化がありました。

両モデルとも現在のヴィンテージ市場では非常に人気が高く、状態の良いものは数十万円から数百万円の値がつくことがあります。例えば、40年代のS501XX(大戦モデル)は550,000円から3,520,000円の価格で販売されていることもあります。この価格帯は、シンチバック付きのモデルの希少性と歴史的価値を反映しているといえるでしょう。

復刻版のLVCでは、1933年モデルと1937年モデルが38,500円で販売されています。これらは本物のヴィンテージに比べるとはるかに手頃な価格で、シンチバック付きのクラシックなデザインを楽しむことができる選択肢となっています。

戦時中の物資統制によりシンチバックが廃止された背景

第二次世界大戦が始まると、アメリカ政府は民間企業に対して物資統制を行いました。リーバイスもこれに従い、1942年頃からジーンズのデザインを簡素化していく必要がありました。この物資統制により、シンチバックは廃止されることになったのです。

当時のアメリカでは「戦争に使う物資が足りないから無駄は省け」という方針のもと、衣料品メーカーに一定量の金属、布地、糸を取り除き、商品を簡素化することを要請していました。リーバイスもこれに協力し、ウォッチポケットのリベット、クロッチリベット、シンチ、シンチまわりのふたつのリベットを省き、布地と金属の両方を節約しました。

しかし、シンチバックが廃止された背景には、単なる物資統制だけでなく、当時のファッション事情も関係しています。1920年代からベルトの普及率が高まり、それまでサスペンダーが主流だった時代から徐々に変化していました。1937年モデルではサスペンダーボタンが既に廃止されていることからも、シンチバックの必要性が薄れていたことがうかがえます。

廃止後、リーバイス501にはS501XX(Simplified=簡素化された)という名称が付けられました。この時期のジーンズには、月桂樹ボタンやドーナツボタンといった市販のボタンが使われることもあり、縫製も簡素化されていました。アーキュエイトステッチも糸の節約のためにペンキでプリントされるなど、様々な部分で工夫がなされていました。

戦後の1947年になると、501XXとして再び生産が本格化しますが、シンチバックが復活することはありませんでした。これは、戦後の社会でベルトの使用が一般的になり、シンチバックという調整機能が不要になったことを示しています。

リーバイス シンチバック付きモデルの現在の価値は数十万円以上

シンチバック付きのリーバイスヴィンテージモデルは、現在非常に高い価値を持っています。特に状態の良いものや希少なサイズのものは、数十万円から数百万円という高値で取引されることがあります。

独自調査の結果、50年代のリーバイス501XX革パッチモデルは1,320,000円、40年代のリーバイスS501XX大戦モデルは550,000円から3,520,000円、40年代~のリーバイス506Xデニムジャケット(ファースト)は1,100,000円で販売されていることがあります。これらの価格は、シンチバック付きモデルの希少性と歴史的価値を反映しています。

特に貴重なのは、1933年以前のモデルです。これらは生産数が少なく、現存数も極めて限られています。例えば、1890年頃のXXモデル(501の前身)などは、数百万円以上の価値がつくこともあるでしょう。中には廃坑で発見された1880年代のLevi’sヴィンテージが約1,300万円(手数料込)で取引された事例もあります。

リーバイスのヴィンテージ品は、アメリカだけでなく日本やアジア圏でも非常に人気が高いです。タイやシンガポールなどでも需要があり、今後も相場は下がらないと考えられています。特に色が残る個体は資産価値が高く、古着店の入荷日には投資目的として購入を目指す方々が多いとされています。

なお、オンラインオークションでも高値での取引実績があります。例えば、30’s 501XXCが2023年2月に200万円、40’s 501XXが2022年11月に170万1,000円、40’s S501XXが2023年1月に150万1,000円で落札されています。古着業界には「今日現在が最安値」との合言葉があるほどで、良い個体のヴィンテージリーバイス501に出会えた際には、迷わず購入した方が良いとされています。

リーバイスの年代別特徴とシンチバック以外の見分け方

  1. リーバイス 501の年代別シルエットはボックスフィットからスリムに変化
  2. リーバイスのボタン裏刻印で年代を判別できる重要な手がかり
  3. タブのデザインや表記が年代によって変化する特徴
  4. 内タグがある場合は1974年以降の製造である目安
  5. リーバイスの復刻版LVCでシンチバック付きモデルを今でも楽しめる
  6. レザーパッチやリベットなど年代判別に役立つその他のポイント
  7. まとめ:リーバイスのシンチバック年代は貴重なヴィンテージの証

リーバイス 501の年代別シルエットはボックスフィットからスリムに変化

リーバイス501のシルエットは、時代によって大きく変化してきました。シンチバックが付いていた初期のモデルはボックスフィットの太めなシルエットが特徴でしたが、時代が下るにつれて徐々にスリムなシルエットへと変化していきました。

1933年モデルは、股上が一番深く・わたり幅も一番広い、ワイドストレートのシルエットが特徴です。これはワークウェアとしての機能性を重視したデザインで、動きやすさを確保するためのゆとりが設けられていました。

1937年モデルは、わたり幅が広く、股上がやや浅め。丸みのあるウエスト周りから、やや太めのレギュラーストレートシルエットへと変化しています。この時代はまだシンチバックが残っていましたが、サスペンダーボタンは廃止されており、ベルト着用を前提としたデザインへの移行期にありました。

1944年の大戦モデルになると、わたり幅が細く、股上がやや浅めになります。物資統制の影響もあり、生地を節約するためにシルエットがスリム化しました。これまでの紹介したモデルの中では最も細いモデルとなりました。

戦後の1947年モデルは、わたり幅が細く、股上がやや深めのスリムフィットなストレートシルエットです。物資不足で簡素化されていたディテールが復活し、2本針ミシンが導入されることで縫製の正確さも格段に向上した、「デニムの完成形」とも言われているモデルです。

1955年モデルになると、再びシルエットに変化が見られます。わたり幅が広く、股上がやや浅めで、腰回りにゆとりを持たせた「アンチフィット」の作りとなり、歴代の501の中でも太めなストレートシルエットが特徴的です。これは1950年代のファッショントレンドを反映したものと考えられます。

1966年モデルは、股上がやや細めで股上が一番浅いモデルとなります。スリムフィットなテーパードシルエットが特徴で、ファッションとしてのジーンズが普及していく中で、より現代的なスタイルに近づいていきました。

このように、リーバイス501のシルエットは時代とともに変化しており、シンチバックが存在した年代のモデルは現代のものと比べるとかなり太めのシルエットであることが特徴です。

リーバイスのボタン裏刻印で年代を判別できる重要な手がかり

リーバイスジーンズの年代を判別する上で、トップボタンの裏に刻印された数字やアルファベットは非常に重要な手掛かりとなります。この刻印は、おおよその製造年代を特定するのに役立ちます。

ボタン裏刻印の年代別特徴は以下のとおりです:

一桁の数字やアルファベット(1950年代~1970年代)

  • A、D、E、F、J、K、L、O、S、W、2、4、5、6、8など
  • 特にアルファベットすべてと2の刻印は希少

二桁の数字(1960年代~1980年代)

  • 10、12、14、16、17、20など
  • 16工場は1950年代~1970年代中期まで長期に渡り稼働していた工場で、変わったモデルが多く人気

三桁の数字(1980年代~2000年初期)

  • 273(ポーランド)、501、513、515、522、524、527、529、532、544、552、553、558、575、624、650、653など
  • 3桁のうち5から始まるのはリーバイス社、6からは社外

特に注目すべきは、エルパソ工場の524(旧6工場)や、人気モデルを多く製造していたバレンシア工場(96年~03年、最後のアメリカ製)の555工場などです。また、70年代のビッグEモデルでは「2」「4」「6」「8」「16」などの数字が見られます。

ボタン裏刻印を確認する際には、錆びていたり擦れや刻印自体が薄い場合などで文字が消えていることもありますので、読めない場合は他の特徴と合わせて判断する必要があります。また、確定した情報ではないため、あくまで目安として活用するのが良いでしょう。

復刻版では、アルファベット+数字のパターンが見られ、特に日本企画モデルにはJが先頭に付く傾向があります。一方、現行モデルは4桁の数字で、文字が詰まっているのが特徴です。

このように、ボタン裏刻印はリーバイスの年代判別において非常に重要な要素の一つであり、他の特徴と組み合わせることで、より正確に製造年代を推定することができます。

タブのデザインや表記が年代によって変化する特徴

リーバイスの象徴とも言える右バックポケットの赤タブ(レッドタブ)も、時代によって特徴が変化しています。このタブのデザインや表記は、年代判別の重要なポイントとなります。

赤タブの年代別特徴は以下のとおりです:

片面タブ(1936年~1952年)

  • 表面のみに「LEVI’S」の刺繍があり、裏面は無地
  • 「LEVI’S」の「E」は大文字(ビッグE)
  • レジスターマーク(®)なし
  • 通称「片面ビッグE」

両面均等Vタブ(1953年~1964年)

  • 表と裏の両面に「LEVI’S」の刺繍
  • 「V」の左右のストロークが均等な太さ
  • レジスターマーク(®)あり
  • 通称「均等V両面ビッグE」

両面不均等Vタブ(1965年~1971年)

  • 両面に「LEVI’S」の刺繍
  • 「V」の右側のストロークが細くなる不均等なデザイン
  • レジスターマーク(®)あり
  • 通称「不均等V両面ビッグE」

スモールeタブ(1971年以降)

  • 「LEVI’S」から「Levi’s」に変更され、「E」が小文字に
  • 1974年頃までは刺繍、1982年頃からはプリントに変化

その他、オレンジタブ(1960~70年代の廉価ライン)、白タブ(70~80年代のデニム以外のパンツ)、黒タブ(混紡素材に使用)などのバリエーションも存在します。また、レジスターマーク(®)のみのタブも、商標権を示すために約10本に1本の割合で含まれていたとされています。

赤タブが初めて付けられたのは1936年で、それ以前のモデルにはタブはありません。つまり、赤タブの有無だけでも1936年前後かどうかの判断材料になります。また、片面タブであれば1952年以前、両面タブであれば1953年以降という大まかな区分けができます。

ビッグEからスモールeへの変更は1971年頃とされていますが、この時期のタブは特に人気が高く、「ビッグEモデル」として高値で取引されることもあります。このような細かな違いを把握しておくことで、リーバイスの年代判別がより正確になります。

【501】タブのデザインや表記が年代によって変化する特徴

内タグがある場合は1974年以降の製造である目安

リーバイスのジーンズに内タグが付くようになったのは1974年からです。内タグの有無やデザインも、年代判別の重要な手がかりとなります。

内タグの年代別特徴は以下のとおりです:

1974年~1980年後半

  • 初期の内タグは数字の羅列が3行に分かれて記載
  • 製造年月と工場番号が一番下の行に記載
  • 記載順序は、左から製造月、製造年の下2桁、工場番号
  • 70年代では年代が1桁しか記載がないことがある

1980年後半~1991年

  • タグに書かれている文字量が増え、7行になる
  • 6行目に工場番号、7行目に製造年月が記載
  • 製造年が下1桁のみで記載され、製造月と製造年の数字が繋がっている
  • 染み込みプリントのようなプリント方法

1991年~1994年

  • ペラペラで薄い生地の内タグ
  • 一番上に数字、その下に洗濯時などの注意点
  • さらに下に2行の数字の列
  • 製造年月と工場番号は下から2行目に記載
  • 記載順序は、左から工場番号、製造月・製造年、製造番号

1995年~2003年

  • 最も分かりやすいデザインの内タグ
  • 例えば、324工場だった場合、10月の2002年製であることが明記

内タグの存在は、1974年以降の製造であることを示す明確な証拠となります。それ以前のモデル、特にシンチバックが付いていた1942年以前のモデルには内タグはありません。

また、内タグに記載された収縮率も年代判別のヒントになります。例えば「66モデル」と呼ばれる1970年代のモデルの内タグには8%の収縮率が記載されていますが、その後継モデルでは10%に変わります。

内タグは比較的新しい時代のリーバイスに付いている特徴ですが、製造年月や工場を特定できる貴重な情報源です。特に1980年代以降のモデルでは、内タグの情報から正確な製造時期を知ることができます。

リーバイスの復刻版LVCでシンチバック付きモデルを今でも楽しめる

本物のヴィンテージリーバイスはその希少性から非常に高価ですが、リーバイスのヴィンテージ復刻ライン「LEVI’S VINTAGE CLOTHING(LVC)」では、往年の名モデルを忠実に再現したジーンズを購入することができます。

LVCは、過去の貴重なロットナンバーを忠実に再現して作られた復刻コレクションです。シンチバック付きのモデルも複数ラインナップされており、本物のヴィンテージに比べて手頃な価格で楽しむことができます。

例えば、シンチバック付きのLVCモデルには以下のようなものがあります:

  • 1890モデル:52,800円(本物ヴィンテージは約630万円)
  • 1933モデル:38,500円
  • 1937モデル:38,500円(本物ヴィンテージは約330万円)

これらの復刻モデルは、シンチバックやサスペンダーボタン、独特のシルエットなど、オリジナルの特徴を可能な限り忠実に再現しています。ただし、安全上の観点からシンチバックの針は本物とは異なる設計になっています。

LVCの特徴は、単にデザインを真似ただけでなく、デニム生地の質感や厚み、縫製方法、ディテールに至るまで、可能な限り当時のものに近づけようとしている点です。例えば、1890モデルでは往時を思わせる薄手デニム地でワイドなシルエット、1937モデルでは毛羽立ちが少ない特徴的な生地感を再現しています。

復刻版を購入するメリットは、本物のヴィンテージに比べて格段に安価であること、新品なので耐久性に問題がないこと、サイズの選択肢が豊富なことなどが挙げられます。本物のヴィンテージを所有することが難しい場合でも、LVCであれば歴史的なモデルのデザインや着心地を体験することができます。

もちろん、投資価値や歴史的価値という点では本物のヴィンテージには及びませんが、日常的に着用するアイテムとしては復刻版の方が現実的な選択肢と言えるでしょう。

レザーパッチやリベットなど年代判別に役立つその他のポイント

リーバイスの年代を判別する上で、シンチバック、ボタン裏刻印、タブ、内タグ以外にも、様々な特徴があります。ここではレザーパッチやリベットなど、その他の判別ポイントを見ていきましょう。

レザーパッチ(ラベル)の特徴:

  • 〜1885年:文章のみの革パッチ
  • 1886年〜1957年頃:ツーホースマークの革パッチ
  • 1955年〜1962年:ギャラ入り紙パッチ(「Every Garment Guaranteed」の記載あり)
  • 1962年〜1969年:ギャラ無し紙パッチ(「Every Garment Guaranteed」の記載なし)
  • 1966年〜1967年:ダブルネーム(リーバイスが品番を変更したことで混乱を生まないよう、以前の型番を左端に小さく印字)
  • 1967年〜1969年:タイプ物(小さい文字の代わりにA、S、F、Iなどのアルファベットが印字)
  • 1970年〜:「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の記載あり(70〜80年代中期は黒字、80年代中期〜は赤字)

リベットの特徴:

  • 1873年〜1890年:「PAT. MAY 1873 LS&CO. SF」の刻印(特許取得を示す)
  • 1890年以降:「L.S. & Co. – S.F. -」の刻印(特許期限切れ後)
  • 1873年〜1920年代:頭潰しの打ち抜きリベット
  • 1922年〜1941年:頭潰し無しの打ち抜きリベット(小文字の「o」)
  • 1942年〜1950年:大文字「O」の打ち抜きリベット
  • 1937年〜1966年:隠しリベット(バックポケットのリベットがデニム地で覆われている)
  • 1942年〜1963年頃:リベットの内側素材が鉄製の銅メッキからアルミに変化

アーキュエイト(バックポケットのステッチ)の特徴:

  • 1873年〜1943年:1本針の「カモメステッチ」
  • 1942年〜1945年:ペンキステッチ(戦時中の糸節約のため)
  • 1946年以降:2本針のアーキュエイトステッチ
  • 1977年以降:バックポケット入口の折り返し部分がシングルステッチからチェーンステッチに変化

ベルトループの特徴:

  • 〜1921年:ベルトループ無し(サスペンダーボタン&シンチ有り)
  • 1922年〜1930年代:ライトオンスのベルトループ(本体より軽い生地)
  • 1954年〜1963年:オフセットセンターループ(背面中央のループが左に寄っている)
  • 1964年以降:センターセットループ(背面中央にループが戻る)

フロントステッチの特徴:

  • 1936年〜1968年:フロントVステッチ(トップボタン付近のステッチがV字)
  • 1968年以降:平行ステッチ(2本の平行なステッチに変化)

これらの特徴を総合的に見ることで、より正確にリーバイスの年代を判別することができます。特にシンチバック付きのモデルでは、他のディテールと合わせて確認することで、より詳細な製造年代を推定することが可能です。

まとめ:リーバイスのシンチバック年代は貴重なヴィンテージの証

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. シンチバックがリーバイスに存在した年代は1870年代~1942年頃
  2. シンチバック付きリーバイスの代表的モデルは1890年、1922年、1933年、1937年モデル
  3. シンチバックの形状や付属リベットが時代によって変化している
  4. 第二次世界大戦の物資統制によりシンチバックは1942年頃に廃止された
  5. シンチバック付きヴィンテージは現在数十万円から数百万円の価値がある
  6. リーバイス501のシルエットは初期のワイドフィットから次第にスリムに変化
  7. ボタン裏刻印や赤タブのデザインも年代判別の重要なポイント
  8. 内タグの有無で1974年前後かどうかを判断できる
  9. リーバイスの復刻版LVCでシンチバック付きモデルを手頃な価格で楽しめる
  10. レザーパッチ、リベット、アーキュエイトステッチなど多くの特徴で年代判別が可能
  11. ヴィンテージリーバイスは投資対象としても価値が高く、年々価格が上昇している
  12. 希少なヴィンテージは古着業界の格言「今日現在が最安値」の筆頭例である

調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト https://www.levi.jp/2020aw_501timeline.html https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4 https://forzastyle.com/articles/-/61818 https://dig-it.media/lightning/article/534103/ https://www.leon.jp/fashions/6526 https://magazine.collet.am/121 https://hurugiblog.com/levis501 https://store.vk-oregon.com/categories/4842652 https://www.arknets.co.jp/storestaff/blogdetail.aspx?article_id=866633