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プロも使う!リーバイス501の年代見分け方 🔍 これでもう迷わない完全ガイド

プロも使う!リーバイス501の年代見分け方 🔍 これでもう迷わない完全ガイド
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古着市場で不動の人気を誇るリーバイス501。1873年の誕生から150年以上の歴史を持つこの伝説的なジーンズは、時代によって様々な変化を遂げてきました。しかし、その変遷を知らなければ、価値ある一本を見分けることは難しいものです。

本記事では、リーバイス501の年代を見分けるための決定的なポイントを徹底解説します。ボタン裏の刻印から赤タブ、パッチ、内タグ、リベット、ステッチまで、年代判別に役立つ特徴をすべて網羅。古着愛好家からコレクターまで、リーバイスファンなら知っておくべき知識をお届けします。

記事のポイント!

  1. リーバイス501の年代を正確に判別するための基本的な見方と手順
  2. 各時代の501に見られる特徴的なディテールとその変遷
  3. ヴィンテージ品と復刻版の見分け方と価値の違い
  4. 買取価格や査定に影響する要素と高額査定を得るためのポイント

リーバイス501の年代を見分ける基本知識

  1. ボタン裏刻印でリーバイス501の年代を特定する方法
  2. リーバイス501の赤タブで年代を判別する特徴とは
  3. パッチの種類と表記からわかるリーバイス501の時代背景
  4. リーバイス501の内タグで製造年月を正確に読み取る方法
  5. リベットとステッチの変化からリーバイス501の年代を判断するコツ
  6. リーバイス501のジッパーで年代を見分けるポイント

ボタン裏刻印でリーバイス501の年代を特定する方法

リーバイス501の年代を判別する上で最も基本的な情報源となるのが、トップボタン裏の刻印です。この刻印は製造工場や年代を示す重要な手がかりとなります。

50〜70年代のリーバイスには、主にアルファベットや1〜2桁の数字が刻印されています。例えば、「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」などのアルファベットや、「2」「4」「5」「6」「8」「11」「12」「14」「16」「17」「20」などの数字が見られます。特に「16」の刻印は、50年代初期から70年代中期頃まで長期にわたって使用されており、「16ボタン」と呼ばれる人気のモデルとなっています。

80年代から2003年の米国工場閉鎖までの期間には、主に3桁の数字が刻印されています。例えば、「501」「522」「555」などがあります。「555」は特に注目すべき刻印で、1996年から2003年まで稼働していたバレンシア工場で作られた証です。この工場は赤耳モデルやXXモデルなどの高品質な復刻モデルを製造していたことで知られています。

2000年代以降は、4桁の数字や英数字の組み合わせが多く見られるようになりました。また刻印の文字が詰まっているのが特徴です。

ボタン裏の刻印を確認する際は、明るい場所で行うことをおすすめします。刻印は時に薄くなっていたり、薄暗い店内では確認が難しいことがあります。また、内タグと併せて確認することで、より正確な年代判別が可能となります。

リーバイス501の赤タブで年代を判別する特徴とは

リーバイス501の象徴的な特徴である赤タブは、1936年に初めて採用されました。この赤タブは、他のブランドのジーンズと区別するために考案されたもので、年代によって様々な変化を遂げています。

最も初期の赤タブは「片面ビッグE」と呼ばれるもので、1936年から1952年頃まで使用されていました。この赤タブはタブのオモテ面のみに「LEVI’S」と表記され、裏面には何も書かれていないという特徴があります。また、「E」の文字が大文字であることから「ビッグE」と呼ばれています。

1953年から1964年頃になると、「均等Vの両面ビッグE」タブへと変化します。タブの両面に「LEVI’S」の文字が入り、®マークが付くようになります。また、「V」の左右の線の太さが均等になっているのが特徴です。

1965年から1971年頃には、「不均等Vの両面ビッグE」タブとなります。「V」の右側が細いデザインに変更され、左右非対称になったのがポイントです。この時代の赤タブを持つモデルは、通称「ビッグEモデル」と呼ばれ、コレクターから高い人気を集めています。

1971年以降は「スモールe」タブへと変わります。「LEVI’S」の「E」が小文字の「e」になった「Levi’s」表記となり、現在までこの形が続いています。この変化は、リーバイス社が株式公開した1971年に統一されたとされています。

赤タブの判別は、ヴィンテージリーバイスを見分ける上で最も基本的かつ重要なポイントの一つです。ただし、長年の使用で赤タブが取れてしまっている場合もあります。そのような場合は、次に説明するパッチや内タグなどの他の特徴から年代を判断する必要があります。

パッチの種類と表記からわかるリーバイス501の時代背景

リーバイス501のウエスト右後ろ部分に付けられているパッチ(ラベル)は、年代判別の重要な手がかりとなります。パッチの素材や表記内容の変化から、その501がいつ頃製造されたものかを推測することができます。

初期のパッチは、1870年代から革製(レザーパッチ)が使用されていました。1886年からは「ツーホースマーク」(2頭の馬が引っ張り合っても裂けないという強度を表現したデザイン)が採用されます。この革パッチは1954年頃まで使用され、その後は紙パッチへと変わっていきます。

パッチに記載されている文言も年代によって変化しています。〜1958年頃までのパッチには「Every Garment Guaranteed」(すべての商品を保証する)という表記があり、型番の後に「XX」(例:501XX)と表記されています。この「XX」表記は1966年頃まで続きました。

1962年〜1965年頃には「ギャラ無し紙パッチ」と呼ばれるタイプのパッチが登場し、「Every Garment Guaranteed」の表記が消えました。1966年〜1967年頃には「ダブルネーム」と呼ばれるパッチになり、品番が二つ表記されるという特徴を持っています。

1967年〜1969年頃には「タイプ物」と呼ばれるパッチが使用され、品番の上や下に「A」「S」「F」「I」といったアルファベットが小さく表記されています。

1970年代以降は「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」(取扱い表示は製品内側に)という表記が追加され、70年代〜80年代中期までは黒字、80年代中期以降は赤字で印字されるようになりました。

さらに1980年代後半からは、「501」の文字が赤字で印刷されるようになり、これを「87赤文字」「赤文字モデル」と呼ぶこともあります。1993年頃からは「501」の文字が黒の太字印刷に変わり、これが米国最終モデルとなります。

これらのパッチの特徴を確認することで、リーバイス501の大まかな年代を特定することができます。ただし、パッチは経年変化で劣化したり、脱落していることもあるため、他の特徴と合わせて総合的に判断することが重要です。

パッチの種類と表記からわかるリーバイス501の時代背景

リーバイス501の内タグで製造年月を正確に読み取る方法

リーバイス501の内タグは、1974年以降に採用されたディテールで、製造年月や工場番号など、年代を特定するための重要な情報が記載されています。内タグの種類や表記方法は時代によって変化しているため、その読み取り方を知ることで正確な年代判別が可能になります。

1974年〜1980年代前半の内タグでは、数字の羅列が3行に分かれて記載されています。製造年月と工場番号は一番下の行に記載されており、左から製造月、製造年の下2桁、工場番号の順で並んでいます。ただし、この時代の内タグでは年代が1桁しか記載されていないことがあるため注意が必要です。例えば「8」という数字の場合、70年代の「8」を表し、「1978年」を意味することがあります。

1980年代後半〜1991年頃の内タグは、行数が7行に増え、文字量が多くなります。製造工場番号は6行目、製造年月は7行目に記載されています。この時代の内タグは製造年が1桁しか記載されておらず、製造月と製造年の数字がつながっているという特徴があります。例えば「107」という数字は、10月の7年(1987年)を表します。

1991年〜1994年頃の内タグは、生地が薄くなり、製造年月と工場番号は下から2行目に記載されるようになります。左から工場番号、製造月・製造年、製造番号の順に記載されています。例えば「522 81」という表記は、522工場で8月の1年(1991年)に製造されたことを示します。

1995年〜2003年の内タグでは、一番上に数字、その下に洗濯時の注意点が書かれ、製造情報は最下段に記載されるようになります。例えば「324 10 02」という表記は、324工場で10月の2002年に製造されたことを示します。

内タグを確認することで、リーバイス501の製造年月を最も正確に特定することができます。特に1980年〜2003年の米国製モデルでは、内タグの確認が年代判別の最も確実な方法となります。ただし、古い年代のものは内タグがない場合も多いため、その場合は他の特徴から判断する必要があります。

リベットとステッチの変化からリーバイス501の年代を判断するコツ

リーバイス501の年代判別において、リベット(鋲)とステッチ(縫製)の変化も重要な手がかりとなります。これらのディテールは時代とともに様々な変更が加えられてきました。

リベットに関しては、最も初期の1873年〜1890年のリベットには「PAT. MAY 1873 LS&CO. SF」という特許取得年月の刻印がありました。1890年に特許の期限が切れると、「L.S. & Co. – S.F. -」という刻印に変わります。

また、リベットの形状も時代によって変化しています。1873年〜1920年代は「頭潰しの打ち抜きリベット」と呼ばれる、先端が潰された形状のリベットが使用されていました。その後、1922年〜1941年頃には頭潰しがされなくなります。

バックポケットのリベットに関しても変化があり、1937年からは「隠しリベット」という、表側からはリベットが見えない仕様に変更されました。これは座った際にイスや自動車のシートを傷つけないための工夫でした。1966年頃からは、隠しリベットに代わって「バータック」というステッチによる補強方法が採用されるようになります。

リベットの材質も時代によって変化しており、〜1941年は銅製、1942年〜1947年は鉄製の銅メッキ、1947年〜1953年は再び銅製、1953年〜1962年は鉄製の銅メッキと変化しています。1962年頃からはアルミ製に変わり、リベットの種類も「打ち抜きリベット」から「被せリベット」に変更されました。

ステッチに関しては、バックポケットの「アーキュエイトステッチ」(弓型のステッチ)が最も特徴的です。1873年〜1943年頃までは1本針で縫製された「カモメステッチ」と呼ばれるタイプが使用され、1946年以降は2本針ミシンによる「ダイヤモンドステッチ」になります。

また、バックポケットの上部のステッチも年代判別の手がかりとなります。〜1977年頃まではシングルステッチが使用され、それ以降はチェーンステッチに変更されました。この変化は「66前期」と「66後期」を区別する重要な特徴の一つとされています。

インシーム(内股)のステッチに関しても、〜1980年頃まではシングルステッチ、それ以降はダブルステッチになるという変化があります。

これらのリベットとステッチの特徴を確認することで、リーバイス501の年代をより正確に判断することが可能になります。特に、パッチや赤タブなどが欠損している場合には、これらのディテールが重要な判断材料となります。

リーバイス501のジッパーで年代を見分けるポイント

リーバイス501は伝統的にボタンフライですが、501ZXXや505などのジッパーフライモデルも存在します。これらのモデルにおいては、使用されているジッパーの種類や製造元から年代を判別することが可能です。

1954年、アメリカ東部での販売強化を目的として、ボタンフライを廃止しジッパーフライを採用した「501ZXX」が発売されました。これは東部の人々にとってボタンフライのジーンズが馴染みが薄かったためです。この501ZXXは後に505へと改称され現在も製造されています。

60年代製のジッパーフライモデルには、主に「グリッパー(GRIPPER)」や「コンマー(CONMAR)」のジッパーが使用されていました。この時代のジッパーを確認できれば、60年代製であると判断できます。

70年代には「タロン(TALON)」や「スコービル(SCOVILL)」のジッパーが主流となりました。特にタロンの「42」と呼ばれるジッパーは、70年代のリーバイスの象徴的な部品です。

80年代初期から中期にかけては、「Levi’s」の刻印が入った「YKK」ジッパーが使われ始めます。この時代の特徴的なジッパーとして、レアですが「Levi’s」刻印の「talon製42ジップ」も存在します。これは移行期の特殊なジッパーであり、見つけた場合はチェックする価値があります。

ジッパーの確認は、ボタンフライの501に比べると判別材料は少ないものの、ジッパーフライモデルでは重要な年代判別のポイントとなります。特にヴィンテージのジッパーは独特のデザインや製造元の刻印があるため、慣れると一目で年代が分かるようになります。

また、ジッパーの素材や仕上げも年代によって異なります。初期のジッパーは真鍮製が多く、アンティーク感のある色合いが特徴です。年代が新しくなるにつれて、アルミや樹脂など軽量な素材が使用されるようになりました。

ジッパーの状態も重要で、ヴィンテージ品では経年変化によるサビや動作の悪さが見られることがあります。ただし、これらは修理可能な場合も多く、ジッパーの状態だけでヴィンテージの価値が大きく損なわれることはあまりありません。

年代別リーバイス501の見分け方と特徴

  1. 1950年代以前のリーバイス501XXの特徴的なディテール
  2. 1960〜70年代ビッグEモデルのリーバイス501を見分ける方法
  3. 1970年代の66モデルリーバイス501の前期と後期の違い
  4. 1980年代赤耳リーバイス501の特徴と見分け方
  5. 1990年代〜2003年米国製リーバイス501の見分け方
  6. 2003年以降のリーバイス501と復刻版LVCの違いと特徴
  7. まとめ:リーバイス501の年代見分け方と価値を理解するポイント

1950年代以前のリーバイス501XXの特徴的なディテール

1950年代以前のリーバイス501XXは、現在のヴィンテージマーケットにおいて最も価値が高いモデルの一つです。これらの初期モデルには、現代のリーバイスとは異なる特徴的なディテールが多数存在します。

最も古い1900年以前のモデルでは、バックポケットが1つしかない「片ポケ」と呼ばれる特徴があります。1901年頃からバックポケットが現在と同じ2つになりました。また、1922年以前のフライボタン(スモールボタン)には社名が入らない格子柄のものが使用されていました。1927年以降になると、フライボタンに「LEVI STRAUSS & CO」の社名が入るようになります。

1941年までのモデルには「股リベット(クロッチリベット)」と呼ばれる、股部分を補強するためのリベットが付いていました。これは1942年に廃止されています。また、1947年までのモデルではフライ部分の先端(持ち出し)が切りっぱなしになっていましたが、それ以降は折り込みの仕様に変更されました。

1936年に登場した赤タブは、最初は片面にのみ「LEVI’S」と表記される「片面ビッグE」でした。また、1936年頃からはトップボタン付近のステッチがV字になる「Vステッチ」が採用され、これは1968年頃まで続きました。

第二次世界大戦中(1942年〜1945年)に製造された「大戦モデル」には、物資統制の影響による特徴的なディテールがあります。パッチには品番の前に「S」(Simplified=簡素化された)の表記が追加され、コインポケットのリベットが省略されたり、アーキュエットステッチがペンキに変更されたりしました。また、月桂樹ボタンやドーナツボタンという市販のボタンが使用されることもありました。

戦後の1947年〜1952年頃の「47モデル」では、アーキュエットステッチが2本針ミシンによるものに変更され、中央で交差する「ダイヤモンドステッチ」が特徴となっています。また、持ち出しが切りっぱなしから折り込みに変わりました。

1950年代初頭の「53モデル」からは赤タブが両面に「LEVI’S」と表記される「両面ビッグE」となり、「V」の左右の線の太さが均等な「均等V」が特徴です。また、1954年頃からは後ろ側センターのベルトループがオフセット(ずらした状態)になる「オフセットセンターループ」が採用されました。

これらの1950年代以前のモデルは、その希少性と歴史的価値から、高額で取引されることが多いです。特に状態の良いものは数百万円の価値がつくこともあります。また、リーバイス公式から発売されている「LVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)」シリーズでは、これらの歴史的モデルの復刻版が販売されていますので、ヴィンテージに手が出せない場合はそちらを検討するのも良いでしょう。

1960〜70年代ビッグEモデルのリーバイス501を見分ける方法

1960年代から1970年代初頭にかけて製造されたリーバイス501は、コレクターの間で「ビッグEモデル」と呼ばれ、高い人気を誇っています。この時代の501を見分けるポイントについて詳しく解説します。

最も特徴的なのは、赤タブに表記された「LEVI’S」の「E」が大文字であることです。この「ビッグE」表記は1971年頃まで続き、その後「LeVI’S」という小文字の「e」(スモールe)に変更されました。さらに1960年代中頃からは「V」の左右が非対称になり、右側が細くなるという特徴も加わりました。

パッチに関しては、1957年頃から革パッチから紙パッチへと変更され、1966年頃までは品番に「XX」が付く「501XX」表記でした。1966年〜1967年には「ダブルネーム」と呼ばれる、品番が二つ表記されるパッチが使用されました。これは旧品番を小さく表示しつつ新品番を導入するための過渡期の特徴です。

1967年〜1969年には「タイプ物」と呼ばれる、品番の上や下に「A」「S」「F」「I」といったアルファベットが小さく表記されるパッチとなりました。1970年〜1973年のビッグE後期には、「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」(取り扱い表示は製品内側にあります)という表記がパッチに追加されました。

トップボタン裏の刻印も重要な判断材料です。ビッグEモデルでは「2」「4」「6」「8」「16」などの刻印が多く見られます。特に「16」刻印は人気が高く、ビッグEモデル以外の時代にも見られる長寿の工場番号です。

リベットに関しては、1962年頃から「打ち抜きリベット」から「被せリベット」に変わり、同時にリベット裏の材質も「鉄製の銅メッキ」から「アルミ製」へと変化しました。また、1966年頃からはバックポケットの「隠しリベット」から「バータック」へと変更されています。

フロントのステッチも重要な特徴で、1968年頃までは「Vステッチ」(トップボタン付近のステッチがV字になる)が見られましたが、それ以降は2本の平行ステッチに変わりました。

ウエストバンド付近のベルトループも、1964年頃までは「オフセットセンターループ」(中心からずれた位置に付けられたループ)でしたが、それ以降は「センターセットループ」(中心に付けられたループ)に戻っています。

これらの特徴を総合的に確認することで、1960〜70年代のビッグEモデルかどうかを判断することができます。ビッグEモデルは、501の歴史においてデザイン的に完成された時期のものであり、現在でも人気の高いヴィンテージモデルです。状態の良いものであれば、数万円から十数万円の価値があることも珍しくありません。

1970年代の66モデルリーバイス501の前期と後期の違い

1970年代のリーバイス501の中でも特に人気が高いのが「66モデル」と呼ばれるタイプです。このモデルの名前は、右側のバックポケットに留められていたフラッシャー(紙ラベル)に記載された「©1966」の表示に由来しています。実際には1973年から1980年頃まで製造されていたモデルで、同じ66モデルの中でも「前期」と「後期」で特徴が異なります。ここではその違いを詳しく解説します。

まず、66モデルの共通の特徴として、赤タブの「LEVI’S」表記が小文字の「e」になる「スモールe」になっていることが挙げられます。これは1971年頃にリーバイス社がCIを変更したことによるものです。

また、パッチには「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」(取り扱い表示は製品内側にあります)というスタンプが押されている点も66モデルの特徴です。1980年代中頃からはこのスタンプがデザインの一部として印刷に変わります。

トップボタン裏の刻印は「6」が基本です。これは工場を識別する番号と考えられています。もちろん例外もありますが、「6」刻印の66モデルが最も一般的です。

66前期(1973年〜1976年)と66後期(1977年〜1979年)の最も大きな違いは、バックポケット上部のステッチにあります。66前期ではバックポケット入口の折り返し部分がシングルステッチになっていますが、66後期ではチェーンステッチに変更されています。前期モデルの方がタテ落ちし、色合いにも深みがあるとされ、一般的に人気が高い傾向にあります。

内股のステッチに関しても、66前期ではシングルステッチ、66後期では一部からダブルステッチに変更されています。

裾のステッチも違いがあり、66前期ではシングルステッチ、66後期ではチェーンステッチが採用されています。

内タグに関しては、66モデルから内側に取り扱い表示のタグが付くようになりました。66前期の内タグには収縮率が8%と記載されていますが、後継モデルでは10%に変わります。

また、66モデルの内タグでは製造年月を確認することができます。1970年代前半の内タグでは、製造年が1桁で表記されていることがあります。例えば「6」と表記されている場合、これは「197(6)年」を意味します。

66モデルは、ビッグEモデルと比べて現存する数が多く、状態の良いものも比較的見つけやすいという特徴があります。特に66前期モデルは、ヴィンテージリーバイスの入門編として人気が高く、状態にもよりますが数万円から購入することができます。

66モデルは「最後のヴィンテージ」とも言われており、その後の「赤耳モデル」と合わせて、現代でも愛用する人が多いモデルです。独特の風合いやシルエット、そして手頃な価格帯が魅力となっています。

1970年代の66モデルリーバイス501の前期と後期の違い

1980年代赤耳リーバイス501の特徴と見分け方

1980年から1986年頃まで製造された「赤耳(あかみみ)」モデルは、リーバイス501のヴィンテージの中でも最も入手しやすく、現代のファッションにも取り入れやすいとして人気を集めています。ここでは赤耳モデルの特徴と見分け方について詳しく解説します。

「赤耳」という名称は、デニム生地の耳(セルビッジ)の部分に赤い糸が織り込まれていることに由来しています。セルビッジとは、デニムのアウトシーム(足の外側の縫い目)の内側に付いている生地の端のことで、生地のほつれを防ぐために施されています。この赤い糸を特徴とするセルビッジは、リーバイスの伝統的なディテールであり、1873年の創業当初から1986年頃まで使用されていました。

赤耳モデルのパッチは紙パッチで、「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の文字が黒のスタンプで押されているのが特徴です。パッチの「501」表記も黒字で、細めのフォントが使用されています。この黒スタンプの特徴から、赤耳モデルは「ハチマル(80)」とも呼ばれることがあります。

トップボタン裏の刻印は3桁の数字が基本で、「501」「522」「524」などが多く見られます。特に「524」工場はエルパソ工場(旧6工場)として知られ、その製品は品質が高いとされています。

内タグは1970年代後半から変化があり、1980年代前半までは数字の羅列が3行に分かれて記載され、製造年月と工場番号は一番下の行に記載されていました。1980年代後半になると内タグの文字量が増え、製造工場番号は6行目、製造年月は7行目に記載されるようになります。製造年は多くの場合1桁で表記され、例えば「107」という数字は、10月の7年(1987年)を意味します。

赤耳モデルのリベットは引き続きアルミ製で、バックポケットはバータックによる補強が施されています。バックポケットのステッチはチェーンステッチが主流となり、内股のステッチもシングルからダブルへと変わっていきました。

裾のステッチもチェーンステッチが採用され、赤タブはもちろん「LeVI’S」の「スモールe」表記です。

1983年にコーンミルズ社がセルビッジデニムの生産を中止したことで、リーバイスも赤耳仕様を終了することになりました。そのため、1986年頃を境に「脇割り」と呼ばれるセルビッジのない通常の生地に切り替わっていきます。この移行期には赤耳と脇割りの両方が混在していたと考えられています。

赤耳モデルは、ヴィンテージリーバイスの中では比較的新しいモデルであるため現存数も多く、状態の良いものも見つけやすいという特徴があります。また、セルビッジデニムの風合いとヴィンテージ感を兼ね備えながらも、現代的なシルエットに近いため、現代のファッションに取り入れやすいというメリットもあります。

価格帯は状態にもよりますが、良好な状態のものであれば数万円から購入することができ、特に良好なデッドストック品など希少なものになると、それ以上の価値がつくこともあります。リーバイスヴィンテージの中では比較的手に入れやすい価格帯であることも、赤耳モデルの人気の理由の一つです。

1990年代〜2003年米国製リーバイス501の見分け方

1990年代から2003年までの米国製リーバイス501は、「米国最終モデル」または「93米国最終」などと呼ばれることもあります。2003年にリーバイス社がアメリカ国内の自社工場を閉鎖したため、この時期のモデルが米国自社工場で製造された最後のリーバイス501となりました。ここではこの時期の501の特徴と見分け方について詳しく解説します。

まず、パッチの特徴として、1980年代後半から紙パッチの「501」表記が赤字で印刷されるようになり、これは「87赤文字」または「赤文字モデル」と呼ばれます。そして1990年代初頭〜中頃からは、「501」表記が黒の太字印刷に変わり、これが米国最終モデルの特徴となります。また、パッチには引き続き「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の表記がありますが、80年代の黒スタンプから赤字のプリントに変わっています。

トップボタン裏の刻印は3桁の数字が基本で、「501」「513」「522」「524」「527」「555」などが多く見られます。特に「555」工場はバレンシア工場として知られ、1996年から2003年まで稼働していました。この工場は赤耳モデルやXXモデルなどの高品質な復刻モデルを製造していたことで知られています。

内タグに関しては、1990年代前半(91年〜94年頃)のものは、生地が薄くなり、製造年月と工場番号は下から2行目に記載されるようになります。例えば「522 81」という表記は、522工場で8月の1年(1991年)に製造されたことを示します。1995年〜2003年の内タグでは、一番上に数字、その下に洗濯時の注意点が書かれ、製造情報は最下段に記載されるようになります。例えば「324 10 02」という表記は、324工場で10月の2002年に製造されたことを示します。

この時期のリーバイス501は、セルビッジ(赤耳)を持たない「脇割り」と呼ばれるタイプが主流です。1983年にコーンミルズ社がセルビッジデニム生産を中止したことで、リーバイスも広幅デニムに切り替えたためです。ただし、1990年代後半から2003年までの間には、バレンシア工場(555工場)で一部赤耳タイプの復刻モデルが製造されることもありました。

リベットやステッチなどのディテールに関しては、リベットは引き続きアルミ製で、バックポケットはバータックによる補強が施されています。バックポケットのステッチはチェーンステッチが主流で、内股のステッチはダブルステッチが基本となっています。裾のステッチもチェーンステッチが採用され、赤タブはもちろん「LeVI’S」の「スモールe」表記です。ただし、2018年以降の一部モデルでは、レギュラーラインでも「ビッグE」表記が復活しています。

1993年には全世界の501の規格が統一され、それまで国や地域によって異なっていたシルエットやディテールが完全に統一されました。2004年にはモデルチェンジが行われ、約10年間にわたって親しまれてきた501が刷新されます。股上が少し浅くなり、生地も柔らかくなるなど、時代に合わせたアップデートが施されました。

1990年代〜2003年の米国製501は、ヴィンテージとしての希少性はさほど高くないものの、品質の良さと現代的なシルエットで使いやすいという特徴があります。また、この時期のモデルはまだ「Made in USA」の表記があり、アメリカ製であることの証明となっています。価格も比較的手頃で、良好な状態のものであれば数千円から購入することができます。

2003年以降のリーバイス501と復刻版LVCの違いと特徴

2003年以降のリーバイス501は、アメリカ国内の自社工場閉鎖に伴い、世界各国の協力工場での生産に完全に移行しました。同時に、ヴィンテージモデルを復刻した「LVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)」シリーズも展開されています。ここでは、2003年以降の現行501とLVCシリーズの違いと特徴について詳しく解説します。

まず、2003年以降の現行501(レギュラーライン)の特徴としては、「Made in USA」表記がなくなり、代わりに「Made in Mexico」「Made in Bangladesh」「Made in China」など、様々な国での生産表記が見られるようになりました。トップボタン裏の刻印も4桁の数字や英数字の組み合わせが増え、文字が詰まって刻印されているのが特徴です。

内タグのデザインも変更され、2000年代以降は製造年月の読み取り方法が変わりました。例えば「1110」という表記は、2010年11月製造を意味します。また、QRコードなど新しい情報技術を取り入れたタグも見られるようになっています。

デザイン面では、2004年、2013年、2018年などにモデルチェンジが行われ、その都度シルエットや生地、ディテールなどが更新されています。2004年のモデルチェンジでは股上が浅くなり、生地が柔らかくなりました。2013年には腰回りのフィットはそのままにウエストサイズが少し大きく、裾幅を細めに変更。バックポケットも縦長になり、よりスタイリッシュなデザインになりました。2018年には赤タブに大文字表記の「LEVI’S」(ビッグE)が復活しています。

一方、LVCシリーズは、歴史的な501モデルを忠実に復刻したプレミアムラインです。1890年モデル、1937年モデル、1944年モデル、1947年モデル、1954年モデル、1955年モデルなど、リーバイスの歴史的な名作を現代に再現しています。

LVCシリーズの特徴は、本物のヴィンテージのディテールを可能な限り忠実に再現していることです。例えば、革パッチ、セルビッジデニム(赤耳)、隠しリベット、片面ビッグEタブ、Vステッチなど、当時のディテールを細部まで再現しています。また、コーンミルズ社の生地を使用するなど、素材にもこだわっています。

価格面でも現行501とLVCシリーズには大きな違いがあります。現行501が数千円から1万円程度で購入できるのに対し、LVCシリーズは3万円から5万円程度と高額です。しかし、本物のヴィンテージと比較すれば、LVCシリーズはまだ手の届きやすい価格帯と言えます。例えば、本物の1890年モデルのヴィンテージは600万円以上の価値がある一方、LVCの1890年モデル復刻版は約5万円で購入できます。

現行501とLVCシリーズを見分けるポイントとしては、まずパッチのデザインが挙げられます。LVCシリーズは当時のデザインを忠実に再現しているため、現行501とは明らかに異なるデザインになっています。また、生地にもセルビッジ(赤耳)が付いているか、赤タブのデザイン、ボタンやリベットの細部など、様々な点で違いが見られます。

ただし、LVCシリーズも完全に本物のヴィンテージと同じというわけではありません。例えば、生地の風合いや経年変化の仕方、細部の作りこみなどには違いがあります。本物のヴィンテージが持つ歴史や物語性、希少価値などは、復刻版では完全に再現することはできないという側面もあります。

それでも、LVCシリーズはリーバイスの歴史と伝統を現代に伝える重要な役割を果たしており、本物のヴィンテージを手に入れることが難しい愛好家にとっては、貴重な選択肢となっています。

まとめ:リーバイス501の年代見分け方と価値を理解するポイント

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. リーバイス501の年代判別は、ボタン裏刻印、赤タブ、パッチ、内タグ、リベット、ステッチなど複数の特徴を組み合わせて行う
  2. ボタン裏刻印は50〜70年代がアルファベットや1〜2桁の数字、80年代以降は3桁、2000年代以降は4桁の数字や英数字の組み合わせが基本
  3. 赤タブは1936年に初めて採用され、1971年までは「LEVI’S」(ビッグE)、それ以降は「Levi’s」(スモールe)という表記の違いがある
  4. パッチは1955年頃を境に革パッチから紙パッチへと変化し、表記内容も時代によって変わる
  5. 内タグは1974年以降に導入され、製造年月や工場番号が確認できる重要な情報源である
  6. リベットは材質や形状が時代によって変化し、バックポケットのリベットは1937年から「隠しリベット」、1966年からは「バータック」へと変更
  7. ステッチも時代によって変化し、バックポケットのアーキュエットステッチは1946年から2本針ミシンによるものに、内股や裾のステッチもシングルからダブルやチェーンステッチへと変わる
  8. 1980年代の「赤耳」モデルは、アウトシームのセルビッジに赤い糸が入っているのが特徴
  9. 2003年のアメリカ工場閉鎖以降、米国製の501は外部協力工場での生産に移行
  10. リーバイス・ヴィンテージ・クロージング(LVC)シリーズは、歴史的な501モデルを忠実に復刻したプレミアムライン
  11. ヴィンテージ501の価値は年代、状態、希少性によって大きく異なり、1950年代以前のモデルは特に価値が高い
  12. 現代のファッションに取り入れやすい80年代の赤耳モデルや90年代の米国製モデルは、比較的手頃な価格で入手可能

調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト

  1. https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
  2. https://hurugiblog.com/levis501
  3. https://jamtrading.jp/blogs/jam/1020444/
  4. https://shibaken.work/post-2413/2021/2413/
  5. https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/
  6. https://kanteikyoku.jp/store/ichikawa/news/446581/
  7. https://www.leon.jp/fashions/6526
  8. https://kanteikyoku.jp/store/ichikawa/news/466440/
  9. https://www.pinterest.com/pin/207024914096452117/
  10. https://www.levi.jp/2023ss_150th_history.html