古着やヴィンテージデニムの世界では、リーバイスのジーンズやジャケットに刻まれた「工場番号」が重要な意味を持っています。この小さな刻印から製造された工場や年代を判別でき、その価値や希少性を見極める大きな手がかりとなるのです。特にコレクターやデニム愛好家にとって、工場番号の知識はヴィンテージリーバイス購入時の必須情報と言えるでしょう。
本記事では、リーバイスのボタン裏に刻まれた工場番号の歴史や意味、年代別の特徴を徹底解説します。特に人気の高い工場番号や希少価値のあるものにも焦点を当て、あなたのリーバイスコレクションの鑑定力を高める情報を網羅的にお届けします。これからヴィンテージリーバイスを集め始める方も、既にコレクターの方も、この記事を読めば工場番号の知識が一気に深まることでしょう。

記事のポイント!
- リーバイスのボタン裏刻印(工場番号)の基本的な意味と見方
- 年代別の工場番号の変遷と特徴(1桁、2桁、3桁、4桁)
- 特に人気が高い工場番号(555、16、524など)の特徴と価値
- 工場番号から製造年代や製造国を判別する方法
リーバイス 工場番号一覧と基本知識
- リーバイス ボタン裏刻印は工場番号を表している
- リーバイス 工場番号一覧の時代別変遷を理解しよう
- リーバイス 工場番号 1桁はアメリカの伝統工場を示す
- リーバイス 工場番号 2桁は60〜80年代の移行期に使用された
- リーバイス ボタン裏刻印 3桁は80年代〜2000年初期に多用された
- リーバイス ボタン裏刻印 4桁は現行モデルの特徴である
リーバイス ボタン裏刻印は工場番号を表している
リーバイスのジーンズやジャケットのボタン裏に刻まれた数字やアルファベットは、その製品がどの工場で製造されたかを示す「工場番号」です。この刻印は主にトップボタン(一番上のボタン)の裏側に見られますが、他のボタンにも刻印されている場合があります。
工場番号はリーバイス社が1950年代初頭から使用し始めたシステムで、当初は隠しリベット裏に刻印されていました。この番号を確認することで、その製品がどこの国のどの工場で作られたのかが分かります。例えば「555」はサンフランシスコのバレンシア工場、「524」はテキサス州エルパソの工場を示しています。
独自調査の結果、工場番号は単なる製造場所の識別だけでなく、その製品の特徴や品質、時には特別な仕様を示す指標にもなっています。特にヴィンテージリーバイスのコレクターにとって、この刻印は製品の真贋判定や価値評価の重要な要素となっています。
工場番号を調べる際は、まずジーンズの一番上のボタン(トップボタン)の裏側を確認します。数字やアルファベットが刻まれていれば、それが工場番号です。この番号をもとに、製造工場や年代、そして製品の特徴を推測することができます。
リーバイス社は長い歴史の中で、アメリカ国内だけでなく世界各国に生産拠点を持っていました。2003年には米国内の工場をすべて閉鎖し、その後は海外生産が主流となりましたが、工場番号のシステム自体は現在も続いています。
リーバイス 工場番号一覧の時代別変遷を理解しよう
リーバイスの工場番号は時代とともに変化してきました。大まかに分けると、1950年代から1960年代前半は「1桁の数字」、1960年代の一部期間は「アルファベット」、1960年代後半から1970年代は「1桁または2桁の数字」、1980年代以降は「3桁の数字」、そして現行モデルでは「4桁の数字」や「アルファベット+数字」の組み合わせが使われています。
この変遷を理解することで、リーバイスの製品がいつ頃製造されたものかを推測する手がかりになります。例えば、ボタン裏に「E」や「S」などのアルファベットが刻印されていれば、それは1960年代前半の製品である可能性が高いです。
時代別の工場番号変遷:
- 1950年代~1960年代前半:1桁数字(2、4、5、6、7、8など)
- 1960年代の短期間:アルファベット(A、D、E、F、J、K、L、O、S、Wなど)
- 1960年代後半~1970年代:1桁または2桁数字(10、12、14、17、20など)
- 1980年代~2000年代初期:3桁数字(501、513、524、555など)
- 2000年代以降:4桁数字またはアルファベット+数字
工場番号の変遷には、リーバイス社の事業拡大や生産体制の変化が反映されています。1980年代初頭には北米だけで63もの製造工場を有していましたが、1990年代後半からの業績低迷により工場閉鎖が進み、2003年には米国内の全工場が閉鎖されました。
各時代の工場番号は、その時代のリーバイス製品の特徴とも密接に関連しています。例えば、1950~60年代の製品は伝統的な製法や素材が使われ、現在では高い価値を持つヴィンテージとして評価されています。
リーバイス 工場番号 1桁はアメリカの伝統工場を示す
1950年代から1970年代初頭にかけて使用された1桁の工場番号は、リーバイスの伝統的なアメリカ国内工場を示しています。これらの工場で製造されたジーンズは、現在では高い価値を持つヴィンテージアイテムとして認識されています。
主な1桁工場番号とその所在地は以下の通りです:
- 「1」:サンフランシスコ・バレンシアストリート工場(カリフォルニア州)
- 「2」:サンノゼ工場(カリフォルニア州)
- 「4」:ウィチタフォールズ工場(テキサス州)
- 「5」:シデーリア工場(ミズーリ州)J.A. Lamy Manufacturing社
- 「6」:エルパソ・サイプレス工場(テキサス州)
- 「7」:デニソン工場(テキサス州)
- 「8」:ノックスビル工場(テネシー州)
これらの1桁工場番号の中でも、特に「2」の刻印は比較的少ないとされ、コレクターの間では希少価値が高いとされています。また「6」工場(エルパソ工場)は後に「524」番号に変更されましたが、その製品は高品質で評価が高いです。
1桁工場番号の製品の特徴として、V字ステッチや隠しリベット、赤耳デニムの使用などが挙げられます。これらの特徴は、現在のリーバイスには見られない伝統的な製法や素材の証です。
独自調査によると、1桁工場番号の製品は、特に501XXモデルなど初期のモデルにおいて、その希少性から高額で取引されることがあります。一部の製品は数十万円以上の価値を持つこともあるようです。
1桁工場番号の製品を見分ける際は、単に工場番号だけでなく、パッチの形状やステッチの特徴、リベットの有無などを総合的に確認することが重要です。これらの要素を組み合わせることで、より正確な年代判別が可能になります。

リーバイス 工場番号 2桁は60〜80年代の移行期に使用された
1960年代後半から1980年代にかけて、リーバイス社は1桁からアルファベット、そして2桁の工場番号へと移行しました。この時期は、リーバイスの生産拡大期にあたり、2桁の工場番号が多く使用されるようになりました。
主な2桁工場番号とその所在地は以下の通りです:
- 「10」:不明
- 「12」:不明
- 「14」:不明
- 「16」:特別な工場(後に「653」に変更)
- 「17」:デニソン工場(テキサス州)
- 「20」:エルパソ・エアウェイ工場(テキサス州)(後に「520」に変更)
この中でも特に注目すべきは「16」の工場番号です。これは1950年代初期から1970年代中期頃まで長期にわたって稼働していた工場で、通常のラインには見られない変わったモデルが多く、コレクターの間で人気があります。「16」の工場番号を持つ製品は「16ボタン」モデルと呼ばれ、独特の特徴を持っています。
長年謎だった「16」工場の正体は、ミシシッピ州ボールドウィンにあった「Lucky Star Industries, Inc.」という委託工場であることが近年判明しました。この工場は、リーバイス社から製造を委託された別会社で、後に「653」という3桁の工場番号に変更されました。
2桁工場番号の時代は、リーバイスの大量生産時代の始まりでもありました。この時期から生産拠点が増え、品質は均一化されていきましたが、「16」のような委託工場では独自性が残されていました。
この時代のリーバイス製品の特徴として、ビッグEからスモールeへの移行や、パッチデザインの変更などが挙げられます。特に「16」工場の製品は、他と明らかな違いがあるのは1970年代から80年代製のものと言われています。
リーバイス ボタン裏刻印 3桁は80年代〜2000年初期に多用された
1980年代から2000年代初期にかけて、リーバイスの工場番号は3桁へと移行しました。この時期、北米だけでも多数の工場が稼働しており、それぞれに固有の3桁番号が割り当てられていました。
3桁工場番号の基本的な規則として、「5」から始まる番号はリーバイス社の米国内工場、「6」から始まる番号は社外の委託工場を表しています。また、「3」から始まる番号は米国以外の工場を示すことが多いです。
主要な3桁工場番号の一部を紹介します:
【アメリカ製】
- 「501」:アルバカーキ工場(ニューメキシコ州)
- 「513」:ブルーリッジ工場(ジョージア州)
- 「524」:エルパソ・サイプレス工場(テキサス州)
- 「532」:ノックスビル工場(テネシー州)
- 「553」:サンベニート工場(テキサス州)
- 「555」:バレンシア工場(サンフランシスコ、カリフォルニア州)
- 「585」:ウィチタフォールズ工場(テキサス州)
【その他の国】
- 「212」、「216」、「217」:カナダ
- 「273」:ポーランド
- 「292」、「295」:スペイン
- 「359」:フィリピン
- 「647」、「989」:メキシコ
この中でも特に注目すべきは「555」工場です。これはリーバイス本社所在地の近くにあったバレンシア工場を示し、1906年から2002年まで稼働した伝統ある工場です。この工場で作られた製品は高品質で評価が高く、現在でも高い価値を持っています。
3桁工場番号の時代は、リーバイスの業績が1996年をピークに下降し始めた時期と重なります。コスト削減のため、1998年から2003年にかけて北米内の工場が次々と閉鎖されていきました。2003年には米国内の最後の工場が閉鎖され、生産は完全に海外へと移りました。
この時代のリーバイスは、現在「Made in USA」として高い価値を持つようになった最後の米国製モデルが生産された時期でもあります。特に1990年代後半から2003年にかけての米国製リーバイスは、その希少性から人気のコレクションアイテムとなっています。
リーバイス ボタン裏刻印 4桁は現行モデルの特徴である
2000年代以降、リーバイスの工場番号は4桁の数字や、アルファベットと数字の組み合わせへと変化しました。これらの刻印は現行モデルに多く見られる特徴です。
4桁の工場番号は、以前の3桁番号と比べて文字が詰まって見える傾向があります。また、特に日本向けの企画モデルには「J」から始まるアルファベットと数字の組み合わせが使われることがあります。
現行モデルの工場番号からは、かつてのように具体的な工場の所在地を特定することが難しくなっています。これは、グローバル化に伴い生産拠点が多様化したこと、また生産管理システムの変更などが要因と考えられます。
4桁工場番号の一例としては「4420」や「4170」などがありますが、これらの番号が示す具体的な工場については公開されている情報が限られています。一部の情報によれば、「4114」や「4420」などの4桁番号はアメリカのエルパソ工場に関連している可能性がありますが、確実な情報ではない点に注意が必要です。
現行モデルの工場番号は、製造年月を判別する手がかりにはなりますが、ヴィンテージモデルのように工場の所在地や特性を直接示すものではなくなっています。そのため、現行モデルの評価においては、工場番号よりもむしろ使用されている生地(例:コーンミルズ社のデニム)や製造国、モデルの特徴などが重視される傾向にあります。
特に2017年までのUSA製モデルでは、コーンミルズ社のホワイトオークデニムが使用されていましたが、同社の閉鎖に伴い、現在ではこの生地を使ったモデルは市場に残っているもののみとなっています。
現行モデルの価値を判断する際は、工場番号だけでなく、内タグの情報や製造年月、使用されている生地の特徴などを総合的に考慮することが重要です。

リーバイス 工場番号一覧から探る特別な工場と希少価値
- リーバイス 工場番号 レアナンバーはコレクターに人気が高い
- リーバイス 工場番号 555はバレンシア工場の象徴である
- リーバイス 工場番号 16は長期稼働の特別な工場だった
- リーバイス 工場番号 524はエルパソ工場を示している
- リーバイス 359工場はフィリピンの生産拠点として知られる
- リーバイス 工場 日本における製造状況と特徴
- まとめ:リーバイス 工場番号一覧の知識でヴィンテージ判別力アップ
リーバイス 工場番号 レアナンバーはコレクターに人気が高い
リーバイスの工場番号の中には、特に希少価値が高く、コレクターの間で人気のある「レアナンバー」が存在します。これらのレアナンバーを持つ製品は、その希少性や特別な製造方法、高品質などの理由から高額で取引されることがあります。
特に希少とされる工場番号の代表例は以下の通りです:
- 「2」刻印:サンノゼ工場(カリフォルニア州)の製品。比較的数が少ないとされています。
- 「16」刻印:長期間稼働していた特別な工場の製品。通常とは異なる素材や仕様を持つモデルが多く存在します。
- 「555」刻印:バレンシア工場(サンフランシスコ)の製品。特に1996年から工場閉鎖の2003年までに製造されたモデルは高品質で評価が高いです。
- 「A」、「D」、「E」などのアルファベット刻印:1960年代の短期間だけ使用されたため、数が少なく希少価値があります。
レアナンバーの価値は、単に番号が珍しいというだけでなく、その工場で製造された製品の品質や特徴にも関連しています。例えば、バレンシア工場(555)は赤耳モデルやXX(ダブルエックス)など、完成度の高い復刻モデルを製造していたことで知られています。
コレクターの間では、レアナンバーを持つヴィンテージリーバイスは投資価値も高いとされています。特に状態の良い未使用品や、独特の特徴を持つモデルはプレミア価格で取引されることがあります。
レアナンバーを探す際のポイントとして、単に工場番号だけでなく、製品全体の特徴(パッチの形状、ステッチの様子、使用されている生地など)を総合的に判断することが重要です。また、特にヴィンテージモデルは年代によって同じ工場番号でも製品の特徴が異なる場合があります。
最後に、レアナンバーを持つ製品を見つけた場合でも、その状態やサイズ、色落ちの具合なども価値に大きく影響することを覚えておきましょう。コレクションとしての価値だけでなく、実際に着用することも考慮に入れると良いでしょう。
リーバイス 工場番号 555はバレンシア工場の象徴である
「555」工場番号は、リーバイスの工場番号の中でも特別な存在です。この番号はカリフォルニア州サンフランシスコのバレンシアストリートにあった「バレンシア工場」を示しています。
バレンシア工場は1906年のサンフランシスコ地震の直後に建設が始まり、2002年まで稼働していたリーバイスの伝統的な工場です。この工場は、リーバイス本社の所在地に近く、特に品質管理が厳しかったことで知られています。
「555」工場の製品が特に人気を集める理由はいくつかあります:
- 高品質な製造技術と厳密な品質管理
- 1996年から工場閉鎖の2003年までの間に製造された「赤耳モデル」や「XX(ダブルエックス)」などの復刻モデル
- リーバイスの米国内工場の中で最後まで残った象徴的な工場の一つ
バレンシア工場で製造されたジーンズは、その完成度の高さから「バレンシア製」という呼び名で親しまれ、特に評価が高いです。工場閉鎖後はさらに希少価値が高まり、現在もバレンシア工場モデルは高額で取引されています。
興味深いことに、工場閉鎖後の現在は、LVC(リーバイスヴィンテージクロージング)の復刻ラインを製造するために、バレンシア工場が再稼働しているという情報もあります。これらの新しいバレンシア製モデルも、品質の高さから注目を集めています。
「555」工場番号を見分ける際のポイントとして、トップボタン裏の「555」という刻印のほか、内側のラベルにも「555」の記載がある場合があります。また、特にLVCラインの製品では、品質の高さを示すマーカーとしてバレンシア工場の表記が使われることもあります。
バレンシア工場製の製品を購入する際は、その状態や特徴を十分に確認し、本物のバレンシア製であることを確認することが重要です。希少価値の高いモデルだけに、偽物や誤った情報も存在する可能性があります。
リーバイス 工場番号 16は長期稼働の特別な工場だった
「16」工場番号は、リーバイスの歴史の中でも特別な位置を占める工場番号です。長い間その正体が謎とされていましたが、近年の研究で米国ミシシッピ州ボールドウィンにあった「Lucky Star Industries, Inc.」という委託工場であることが判明しました。
「16」工場の特徴は、1950年代初期から1970年代中期頃まで、非常に長期間にわたって稼働していたことです。多くの工場番号が時代とともに変更されたり廃止されたりする中で、「16」の刻印は長きにわたって使用され続けました。
この工場で製造されたモデルは「16ボタン」モデルと呼ばれ、特に以下のような特徴で知られています:
- 通常のラインには見られない変わった素材やディテールの使用
- 年代の異なる生地やパーツを組み合わせた独特のモデルが存在
- 製造年代から予想される標準的な仕様とは異なる特徴を持つことがある
「16」工場の特異性の理由として考えられるのは、Lucky Star社がリーバイス社の委託工場であったという点です。下請けの別会社ということで、材料の生地などの在庫管理や縫製の仕様変更の基準・共有が本社工場と比べて曖昧だった可能性があります。
興味深いことに、「16」工場は後に「653」という3桁の工場番号に変更されました。「653」の頭の「6」は、リーバイス以外の別会社を意味します。これも、Lucky Star社が委託工場であったことを裏付けています。
「16ボタン」モデルの価値は、その独特の特徴や希少性から高く評価されており、特に1970年代から80年代製の物は明らかに同年代の他工場の製品と違いがあるため、コレクターの間でも人気があります。
「16」工場番号を持つ製品を見分ける際のポイントは、単に工場番号だけでなく、パッチのデザインや生地の特徴、ステッチの仕方など、全体的な特徴を見ることが重要です。特に時代錯誤的な特徴(その年代には通常見られない素材や仕様)があれば、「16ボタン」モデルの可能性が高まります。

リーバイス 工場番号 524はエルパソ工場を示している
「524」工場番号は、テキサス州エルパソにあったサイプレス工場(Cypress Plant)を示しています。この工場は以前は「6」や「E」という刻印で知られていた工場で、「旧6工場」とも呼ばれています。
エルパソは「ブルージーンズにおける宇宙の首都」とも呼ばれるほど、リーバイスやラングラーなど多くのジーンズメーカーの工場が集まっていた都市です。リーバイス社だけでも、エルパソには複数の工場がありました。
「524」工場以外のエルパソ関連の工場番号には、以下のようなものがあります:
- 「511」:エルパソ・カストリン工場(Kastrin Plant)
- 「520」:エルパソ・エアウェイ工場(Airway Plant)
- 「522」:エルパソ・ロマランド工場(Lomaland Plant)
- 「525」:エルパソ・イーストサイド工場(Eastside Plant)
エルパソの工場群は1998年頃から2002年にかけて順次閉鎖されました。「524」工場(サイプレス工場)は1999年に閉鎖されたとされています。
「524」工場の製品の特徴として、1桁時代の「6」刻印の頃から高品質な製品を製造していたことが挙げられます。特に66モデルの製造で知られており、その伝統は3桁工場番号時代にも引き継がれていました。
興味深いことに、一部のジーンズには胸ポケットなど見にくい場所に異なる工場番号のボタンが使われている例があります。例えば、胸ポケットに「522」、その他のボタンに「524」という組み合わせが見られることがあります。これは、エルパソ内の複数の工場間でパーツが共有されていた可能性を示唆しています。
「524」工場番号を持つリーバイス製品は、アメリカ国内での伝統的な製造技術と品質を象徴するものとして、特にUSA製リーバイスのコレクターから高い評価を受けています。
近年では、「MADE IN THE USA」シリーズの一環として、エルパソの工場が再稼働したという情報もありますが、これが「524」工場と同じ施設かどうかは明確ではありません。
リーバイス 359工場はフィリピンの生産拠点として知られる
「359」工場番号は、フィリピンのマカティにあったリーバイスの生産拠点を示しています。この工場は1972年に操業を開始し、2009年に閉鎖されるまで、約37年間稼働していました。
「359」は「3」から始まる工場番号ですが、これはリーバイス社の工場番号体系において、米国以外の工場を示すことが多いパターンです。特に「3」から始まる番号は、アジアの工場を示すことが多いとされています。
フィリピン工場は、リーバイスの生産拠点がアジアへと移行し始めた時期に開設された比較的早い時期の海外工場の一つです。この工場の製品は、アメリカ国内向けやアジア市場向けなど、様々な市場に供給されていました。
「359」工場の特徴として、以下のような点が挙げられます:
- 比較的長期間(37年間)稼働していたため、様々な時代のリーバイス製品が存在する
- アジア製でありながら、比較的初期の海外工場であるため、一定の品質管理がなされていた
- 後期になると一部のモデルでは「H07」などの新しい工場番号に変更された例も見られる
フィリピン製の「359」工場製品は、USA製リーバイスほどの希少価値や価格はつかないものの、リーバイスの生産拠点のグローバル化を示す重要な証拠として、一部のコレクターから注目されています。
特に2000年代初頭のUSA製工場閉鎖後は、フィリピンを含むアジア諸国での生産が中心となりました。この時期の「359」工場製品は、USA製の代替として一定の評価を得ています。
「359」工場番号を持つ製品を見分ける際のポイントとして、ボタン裏の刻印だけでなく、内タグの「Made in Philippines」表記や製造年月の情報も確認すると良いでしょう。また、後期の製品では「H07」など別の工場番号に変更されている場合もあるため、複数の情報源から製造元を判断することが望ましいです。
フィリピン製のリーバイスは、USA製と比較すると歴史的価値や希少性では劣るものの、適切な価格帯で購入すれば、日常使いに適した選択肢となる可能性があります。
リーバイス 工場 日本における製造状況と特徴
日本におけるリーバイス製品の製造状況は、グローバルなリーバイスの展開の中でも特殊な位置を占めています。実は、リーバイス社が直接運営する日本国内の工場は存在せず、日本企画モデルは主に委託生産や輸入によって供給されてきました。
日本向けリーバイス製品の特徴として、以下のような点が挙げられます:
- 「J」から始まる工場番号が付けられることがある(特に日本企画モデル)
- カイハラデニムなど日本製の高品質デニムを使用したモデルが存在
- 日本市場向けの特別なサイジングや仕様が採用されることがある
- LVC(リーバイスヴィンテージクロージング)の一部は日本製として生産されていた時期がある
日本市場におけるリーバイスの歴史を振り返ると、1970年代から80年代にかけて「極東リーバイス」として知られる時期がありました。これは日本向けに特別に製造された製品ラインで、日本人の体型に合わせたサイジングや独自の仕様が特徴でした。
2000年代以降、特にLVCラインでは、日本製デニムを使用したモデルが登場しました。特に2017年にコーンミルズ社のホワイトオーク工場が閉鎖された後は、カイハラデニムなど日本製デニムの使用が増加しました。
ボタン裏刻印で「J」から始まる工場番号が付いている場合、それは日本企画のモデルである可能性が高いです。ただし、これはリーバイス社が日本に工場を持っていたことを意味するわけではなく、日本市場向けに特別に製造された製品であることを示しています。
日本国内では、リーバイスのライセンス生産を行っていた時期もありますが、現在の日本国内で販売されているリーバイス製品のほとんどは輸入品か、日本向けに海外で製造されたものです。
日本市場におけるリーバイス製品の価値は、その希少性や特別な仕様、使用されている生地の品質などによって大きく異なります。特にLVCラインや日本限定モデルは、コレクターの間で高い評価を受けています。
日本向けのリーバイス製品を見分ける際は、工場番号だけでなく、内タグの情報や製品の特徴、使用されている生地の質感などを総合的に判断することが重要です。

まとめ:リーバイス 工場番号一覧の知識でヴィンテージ判別力アップ
記事のポイントをまとめます。
- リーバイスのボタン裏刻印(工場番号)は製造工場を示す重要な識別情報である
- 工場番号は1950年代から始まり、時代とともに1桁→アルファベット→2桁→3桁→4桁と変化した
- 1桁工場番号(1950~60年代前半)はアメリカの伝統的な工場を示し、現在高い価値を持つ
- アルファベット刻印(1960年代の短期間)は比較的希少で、特に「E」はエルパソ工場を示す可能性が高い
- 2桁工場番号(1960~80年代)の中でも「16」は特別な委託工場で高い人気を誇る
- 3桁工場番号(1980~2000年代初期)では「5」で始まる番号はリーバイス社の米国内工場を示す
- 「555」はサンフランシスコのバレンシア工場で、高品質な製品で知られる
- 「524」はテキサス州エルパソのサイプレス工場で、かつての「6」工場の後継
- 「359」はフィリピンのマカティ工場で、1972年から2009年まで稼働した
- 4桁工場番号(2000年代以降)は現行モデルに多く、具体的な工場の特定が難しい
- リーバイスは2003年に米国内の全工場を閉鎖し、その後は海外生産が中心となった
- 日本向けのリーバイス製品には「J」から始まる工場番号が付けられることがある
- 工場番号の知識は、ヴィンテージリーバイスの年代判別や価値評価に役立つ
- レアナンバーを持つ製品は、コレクターの間で高値で取引されることがある
- 工場番号だけでなく、パッチ、内タグ、ステッチなど総合的な特徴から判断することが重要
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://shibaken.work/post-2286/2021/2286/
- https://note.com/furuta_japan/n/n768bc58fa57e
- https://shibaken.work/post-1733/2021/1733/
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/
- https://mrredwingchildren.hatenablog.jp/entry/2021/09/22/210000
- https://jp.mercari.com/item/m60451697612
- https://saito-d.hatenablog.com/entry/levis510
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12231065977
- https://saito-d.hatenablog.com/entry/jeans_jiman_04