リーバイスのデニムジャケット(Gジャン)を持っている方の中には、ボタン裏に「52」という数字が刻印されているのを見つけた方もいるかもしれません。この小さな数字には、実はジャケットの製造工場や年代を示す重要な情報が隠されているんです。古着やヴィンテージデニムの世界では、こういった細かなディテールが製品の真贋や価値を決める鍵となっています。
特に「70505」モデルのデニムジャケットと組み合わさった「52」の刻印は、コレクターの間でも注目される特徴の一つです。アメリカ製のリーバイス製品が持つ工場コードとしての「52」の意味や、同じ52系列の他の刻印との関係、そして製造年代の特定方法まで、このミステリアスな数字の背景にある物語を紐解いていきましょう。

記事のポイント!
- リーバイスのボタン裏刻印「52」はアーカンソー州フェイエットビル工場を示している
- 刻印「52」は1970年代前半~中頃の製品に多く見られ、ヴィンテージの証となる
- 「70505」モデルと「52」刻印の組み合わせは4thデニムジャケットの特徴的な要素
- ボタン裏刻印から製品の年代やオリジナリティを判断する方法が明確になる
リーバイスのボタン裏に刻印された52の秘密
- 刻印52はアーカンソー州フェイエットビル工場を示す
- ボタン裏刻印52は1970年代前半~中頃の製品に見られる
- リーバイス70505モデルと刻印52の組み合わせは4thデニムジャケットの特徴
- ビッグEとスモールeの違いで刻印52の製造年代を特定可能
- 刻印52の製品は他の工場番号と比べて希少性が高い
- リーバイス刻印52のデニムジャケットの相場価格は年代により異なる
刻印52はアーカンソー州フェイエットビル工場を示す
リーバイスのデニムジャケットやジーンズのボタン裏に刻印された「52」という数字は、アメリカ合衆国アーカンソー州にあるフェイエットビル(Fayettville)工場を示すコードです。独自調査の結果、1960年代後半から70年代にかけて、リーバイスのデニム製品は複数の工場で製造されており、それぞれの工場には固有の番号が割り当てられていました。
フェイエットビル工場は、もともと「O」(アルファベットのオー)という刻印で表されていましたが、1967年頃にリーバイス社が製品管理のために新しいコンピュータシステムを導入した際、アルファベットから数字のコードへと変更されました。この移行により、「O」は「52」または「527」になったと考えられています。
興味深いことに、1966年頃にリーバイス社はOberman Manufacturing Co.という会社を買収しました。この会社はベトナム戦争中にM-1951などの軍用品も製造していた実績があり、その工場がフェイエットビル工場になったという背景もあります。
「52」はリーバイスのデニムジャケット、特に「70505」モデルのボタン裏によく見られる刻印です。この数字を見つけたら、その製品がアメリカ製であり、特定の歴史的背景を持つことを示しています。
ヴィンテージデニムの世界では、こういった製造工場の情報は製品の歴史的価値を理解する上で重要な手がかりとなります。刻印「52」は、リーバイスの歴史の中でも特に重要な転換期に製造された製品であることを示す証なのです。
ボタン裏刻印52は1970年代前半~中頃の製品に見られる
「52」の刻印が施されたリーバイス製品は、主に1970年代前半から中頃にかけて製造されたものと考えられています。Yahoo!知恵袋の情報によると、70505モデルでスモールe、ボタン裏刻印52、ケアタグなしの製品は、おおよそ1970年から1976年くらいの間に製造されたと推測されています。
この時期は、リーバイスのデニムジャケットの歴史においても興味深い転換期でした。1960年代終わりから1970年代初頭にかけて、リーバイスは製品管理システムを変更し、ボタン裏の刻印もその影響を受けました。特に70年代後半になると、工場コードは2桁から3桁へと変更されていきました。そのため、「52」という2桁の刻印は、それ以前の製造であることを示す重要な証拠となります。
また、同じ時期にはリーバイスのロゴ表記も変化しています。赤タブ(レッドタブ)に記載されている「LEVI’S」の「E」の字体が、1971年頃を境に「ビッグE」(大きなE)から「スモールe」(小さなe)へと変わりました。そのため、ボタン裏刻印「52」と「スモールe」の組み合わせがあれば、より具体的に1971年~1976年頃の製品であると判断できます。
リーバイスのデニムジャケットには様々なモデルがありますが、「70505」モデルはその代表的な製品です。「70505-0217」や「70505-0317」(ブランケットライナーバージョン)などのバリエーションも存在し、それぞれボタン裏刻印「52」との組み合わせが見られます。
この年代特定は、古着の価値評価や個人コレクションの整理において非常に役立つ知識となるでしょう。
リーバイス70505モデルと刻印52の組み合わせは4thデニムジャケットの特徴
リーバイスの「70505」モデルは、通称「4th(フォース)」と呼ばれるデニムジャケットです。これは、リーバイスが製造したデニムジャケットの形態変化において、「1st」から「4th」まであるうちの最終形態を指します。70505モデルと「52」刻印の組み合わせは、まさにこの4thデニムジャケットの特徴的な要素となっています。
4thモデルは、それ以前の「557」という3rdモデルの後継として製造されました。3rdモデルとの主な違いは、ジャケットの丈が長くなったことだと言われています。トレファクスタイルアメリカ村店のブログによると、70505-0217は4thデニムジャケットを代表するモデルであり、ボタン裏刻印「52」を持つものもその中に含まれます。
「70505-0217」の「0217」はモデルナンバーを示し、「70505-0317」はブランケットライナー(裏地がブランケット生地)バージョンを表しています。どちらのモデルにもボタン裏刻印「52」が見られるケースがあります。これらの製品は、主に1968年から1971年頃にかけて製造されたビッグE期のものと、1971年以降のスモールe期のものがあります。
また、カンヌキ(ポケットの補強部分)の糸の色や縫製方法も年代を判断する重要な要素です。例えば、ポケット部のカンヌキが黒糸のシングルステッチであれば、60年代後期のものである可能性が高いとされています。
独自調査によると、これらの「70505」モデルにボタン裏刻印「52」が見られる個体は、現在ではヴィンテージデニム市場で高い価値を持っています。特に状態の良いものや、特徴的なディテールが揃ったものは、コレクターから高く評価される傾向にあります。

ビッグEとスモールeの違いで刻印52の製造年代を特定可能
リーバイスのヴィンテージ製品を年代特定する上で重要な指標の一つが、赤タブに記載された「LEVI’S」の「E」の字体です。1971年頃までの製品は「E」が大きく表記された「ビッグE」であり、1971年以降は「e」が小さく表記された「スモールe」となりました。この違いと「52」刻印を組み合わせることで、より正確な製造年代の特定が可能になります。
「ビッグE」と「52」刻印の組み合わせがある場合、その製品は1967年頃(アルファベットから数字への移行期)から1971年頃までの間に製造されたものと考えられます。一方、「スモールe」と「52」刻印の組み合わせであれば、1971年から1970年代中頃(3桁コードへの移行前)までの製品である可能性が高いです。
また、「V」の形状も年代特定に役立ちます。「均等V」と「不均等V」という違いがあり、これも製造時期によって異なります。「ビッグE」の「不均等V」と「52」刻印の組み合わせは、より希少性の高い初期の製品を示す可能性があります。
さらに、ケアタグ(取り扱い表示タグ)の有無や形状も重要な手がかりとなります。初期の製品にはケアタグがなく、後期になると紙タイプのケアタグが付くようになりました。Yahoo!知恵袋の情報によると、「スモールe」「ボタン裏52」「ケアタグなし」の組み合わせは、1970年から1976年頃の製品である可能性が高いとされています。
以下の表は、「52」刻印製品の年代特定の目安となる特徴をまとめたものです:
特徴の組み合わせ | 推定製造年代 |
---|---|
ビッグE + 52刻印 + ケアタグなし | 1967~1971年頃 |
スモールe + 52刻印 + ケアタグなし | 1971~1976年頃 |
スモールe + 52刻印 + 紙ケアタグあり | 1973~1976年頃 |
これらの特徴を総合的に判断することで、お持ちのリーバイス製品の製造年代をより正確に特定することができるでしょう。
刻印52の製品は他の工場番号と比べて希少性が高い
リーバイスのボタン裏刻印「52」が施された製品は、他の工場番号と比較して一定の希少性を持っています。それは、この刻印が使用された期間が限られていることと、フェイエットビル工場の生産量に関係しています。
独自調査の結果、「52」刻印は1967年頃から1970年代中頃までの比較的短い期間に使用され、その後は3桁コードへと移行しました。この移行期の製品であるということ自体が、ヴィンテージデニム市場において価値を持つ要素となっています。
また、同時期に存在した他の工場番号(例:「2」、「4」、「6」など)と比較しても、「52」系列の工場は比較的少数の製品を生産していたと考えられています。特に「70505」モデルとの組み合わせでは、「52」刻印は一定の割合で見られるものの、全体からすれば決して多くはありません。
さらに興味深いのは、「52」刻印がないボタンを持つ「70505」も存在することです。トレファクスタイルアメリカ村店のブログによると、「ボタン裏の刻印は無し。地味に希少だったりします。」という記述があり、刻印のないものも含めて様々なバリエーションが存在することがわかります。
市場での取引価格を見ても、「52」刻印を持つリーバイス製品、特に状態の良い「70505」モデルは、一般的なヴィンテージデニムジャケットよりも高値で取引される傾向にあります。特にビッグE期の「52」刻印製品は、より希少性が高いとされています。
コレクターや古着愛好家にとって、こういった細かなディテールの違いは重要な収集ポイントとなっており、「52」刻印製品はその歴史的背景と限られた生産量から、今後も価値を保ち続ける可能性が高いでしょう。
リーバイス刻印52のデニムジャケットの相場価格は年代により異なる
リーバイスのボタン裏刻印「52」を持つデニムジャケットの相場価格は、製造年代や保存状態、その他の特徴によって大きく異なります。楽天市場やYahoo!ショッピングなどの情報を基に、おおよその相場を見てみましょう。
まず、1960年代後半から1970年代初頭の「ビッグE」と「52」刻印の組み合わせを持つ製品は、最も高値で取引される傾向にあります。楽天市場の情報によると、状態の良い「ビッグE」「70505」「ボタン裏52」の組み合わせを持つデニムジャケットは、40,000円〜50,000円前後で取引されているケースが見受けられます。特に保存状態が良く、オリジナルのパッチ(革製ラベル)が残っているものは、さらに高値になることもあります。
一方、1971年以降の「スモールe」と「52」刻印の組み合わせを持つ製品は、それよりもやや安価で取引されることが多いようです。楽天市場やYahoo!ショッピングの情報から、「スモールe」「70505」「ボタン裏52」の組み合わせを持つデニムジャケットは、状態にもよりますが、15,000円〜30,000円程度で取引されている例が見られます。
また、「70505-0317」(ブランケットライナーバージョン)と「52」刻印の組み合わせは、通常の「70505-0217」よりも希少性が高く、状態の良いものであれば25,000円〜40,000円程度の価格帯で取引されることがあります。
以下は、ボタン裏刻印「52」を持つリーバイスデニムジャケットの大まかな相場価格表です:
年代・特徴 | 状態良好 | 一般的な状態 | 状態不良 |
---|---|---|---|
ビッグE + 52刻印 (1967-1971頃) | 40,000円〜 | 30,000円〜 | 15,000円〜 |
スモールe + 52刻印 (1971-1976頃) | 25,000円〜 | 15,000円〜 | 10,000円〜 |
ブランケットライナー + 52刻印 | 35,000円〜 | 25,000円〜 | 12,000円〜 |
ただし、これらはあくまで参考価格であり、実際の取引価格は個体の状態、希少性、市場の需要によって変動します。また、「52」刻印以外にも特筆すべき特徴がある場合(例:特殊な色落ち、歴史的背景など)は、より高値で取引されることもあります。

リーバイスのボタン裏刻印52を含む工場番号の全知識
- リーバイスの工場番号一覧では52系列は全8つ存在
- アルファベットから数字への移行期に登場した刻印52
- 3桁工場番号に変わる前の貴重な2桁刻印としての52
- 刻印52から521、524などへの変遷にはストーリーがある
- リーバイスコレクターが注目する理由は工場による細かな違い
- 刻印52製品を見分ける方法とその他の特徴
- まとめ:リーバイスのボタン裏刻印52はヴィンテージの証
リーバイスの工場番号一覧では52系列は全8つ存在
リーバイスのボタン裏刻印に関する独自調査によると、「52」を含む工場番号はシリーズとして存在し、全部で8つの関連番号が確認されています。これらは全て「52」から始まる番号であり、それぞれ異なる工場や製造ラインを示していると考えられています。
具体的には、以下の8つの番号が「52」系列として知られています:
- 52:Fayettville(アーカンソー州フェイエットビル)
- 521:具体的な工場は不明(おそらくテキサス州エルパソ)
- 522:El Paso Lomaland(テキサス州エルパソのロマランド)
- 524:El Paso Cypress(テキサス州エルパソのサイプレス)
- 525:El Paso Eastside(テキサス州エルパソのイーストサイド)
- 526:具体的な工場は不明(おそらくテキサス州エルパソ)
- 527:Fayettville(アーカンソー州フェイエットビル)
- 529:Hobbs(おそらくニューメキシコ州ホッブス)
興味深いことに、これらの工場番号の中で「520」「523」「528」の番号は現在のところ確認されていないようです。これは、リーバイス社の工場管理システムの中で、これらの番号が使用されなかったか、あるいは非常に少量の生産にのみ使用された可能性を示唆しています。
また、「52」と「527」が共にFayettville工場を示しているのは、同じ工場内の異なる製造ラインや、時期による変更があった可能性が考えられます。実際、柴剣談話室のブログによると、「521」と「524」の異なる番号のボタンを持つ「70505」が1着存在するという例も報告されています。これは、工場間での部品の移動や、製造過程での混合があったことを示唆しています。
これらの工場番号は、製品の地理的な製造拠点を知る手がかりとなるだけでなく、リーバイス社の生産体制や歴史を理解する上でも重要な情報となっています。コレクターや研究者にとって、これら「52」系列の工場番号は、アメリカ製リーバイス製品の歴史的価値を裏付ける重要な要素となっているのです。
アルファベットから数字への移行期に登場した刻印52
リーバイスのボタン裏刻印の歴史において、「52」という数字の登場は重要な転換点を示しています。1967年頃、リーバイス社は製品管理のために新しいコンピュータシステムを導入し、それまでアルファベットで表されていた工場コードを数字へと変更しました。この移行期に登場したのが「52」を含む数字の工場コードです。
柴剣談話室のブログによると、フェイエットビル工場はもともと「O」(アルファベットのオー)という刻印で表されていました。この「O」が、新システム導入後に「52」または「527」となったと考えられています。同様に、他の工場も「D」(デニソン工場)が「7」に、「W」(ウィチタフォールズ工場)が「4」に変更されるなど、アルファベットから数字への移行が行われました。
この移行期は、リーバイスの「ダブルネーム」「タイプ物」と呼ばれる製品が登場した時期とも重なります。これらは、製品タグに古い表記と新しい表記が混在している特徴を持ち、まさにシステム移行期の証拠となっています。
興味深いのは、デニムジャケットとジーンズでは数字コードへの移行時期が若干異なるという点です。501などのジーンズでは、1967年頃にアルファベットから2桁の数字(2、4、6、8、16など)に変わり、1980年頃に3桁の数字に変更されました。一方、デニムジャケットでは、3桁の数字への変更がより早く、1960年代の終わり頃に行われたとされています。
このことから、「52」刻印は比較的短い期間のみ使用された可能性があり、それがこの刻印を持つ製品の希少性につながっていると考えられます。アルファベットから数字への移行期、そして2桁から3桁への移行期の間に製造された製品として、「52」刻印のリーバイスは歴史的な価値を持っているのです。
このように、「52」刻印はリーバイス社の製品管理システムの変遷を物語る重要な証拠であり、ヴィンテージデニム研究において貴重な情報源となっています。
3桁工場番号に変わる前の貴重な2桁刻印としての52
リーバイスの製品管理システムの変遷において、「52」という2桁の工場番号は、3桁工場番号へと変わる前の過渡期を象徴する貴重な刻印です。独自調査によると、リーバイスのデニムジャケットにおいては、1960年代終わりから1970年代中頃にかけて2桁の工場番号が使用され、その後3桁へと移行しました。
ジーンズ(特に501)の場合は、1980年頃まで2桁の工場番号が使用されていましたが、デニムジャケットではより早い段階で3桁への変更が進められたようです。そのため、「52」刻印を持つデニムジャケットは、この移行期の重要な証拠となっています。
Yahoo!知恵袋の情報によると、ジージャン(デニムジャケット)の場合、一般的に3桁の刻印よりも2桁の刻印の方が古い時代のものとされています。つまり、「52」のような2桁刻印は、3桁刻印(例:「524」など)よりも古い製造年代を示す可能性が高いのです。
実際、「52」から「521」、「522」、「524」などへの変遷を見ると、「52」が基本となり、その後より詳細な工場管理のために桁数が増えていったと推測できます。柴剣談話室のブログでは、「521」のボタンは「52」の刻印に後から「1」を加えたもののように見えるという観察も報告されています。
3桁工場番号への移行は、リーバイス社の生産規模の拡大や、より詳細な製品管理の必要性を反映していると考えられます。「52」という2桁刻印は、そうした変化の前の段階を示す貴重な歴史的証拠であり、ヴィンテージデニムコレクターにとって重要な収集ポイントとなっています。
このように、「52」刻印は単なる製造工場のコードを超えて、リーバイス社の歴史的な転換期を示す象徴となっているのです。そのため、この刻印を持つデニムジャケットは、リーバイスの製品進化の流れを知る上で重要な資料的価値を持っていると言えるでしょう。

刻印52から521、524などへの変遷にはストーリーがある
リーバイスのボタン裏刻印「52」から「521」「522」「524」などへと変遷していった背景には、興味深いストーリーがあります。独自調査によると、これらの番号の変遷は、リーバイス社の生産体制の拡大と管理システムの精緻化を反映していると考えられています。
柴剣談話室のブログの観察では、「52」と「521」の刻印を比較すると、「521」は「52」の刻印に後から「1」を加えたように見えるとの指摘があります。これは、もともと「52」として一括りにされていた工場群が、生産規模の拡大に伴って細分化されていった可能性を示唆しています。
実際、52系列の工場番号を地理的に見ると、「52」と「527」はアーカンソー州のフェイエットビル、「522」「524」「525」などはテキサス州エルパソの異なる地区にある工場を示しています。これは、リーバイス社がアメリカ南部地域で生産拠点を拡大していった歴史的背景を反映していると考えられます。
また、同一の「70505」デニムジャケットに「521」と「524」、あるいは「522」と「524」のような異なる番号のボタンが混在している例も報告されています。これは、生産過程において複数の工場からパーツが供給され、最終的に一つの製品に組み立てられたことを示唆しています。あるいは、部品の在庫状況により、異なる工場のボタンが使用されたという可能性も考えられます。
この「52」から始まる工場番号の系列は、リーバイス社の南部地域における生産ネットワークの形成と拡大のストーリーを物語っています。特に1960年代後半から1970年代にかけて、デニム製品の需要増加に対応するため、リーバイス社が生産能力を拡大していった歴史的な証拠となっているのです。
このように、「52」刻印とその派生番号の変遷は、単なる管理コードの変更ではなく、アメリカのデニム産業の発展と変容を反映した重要な歴史的記録となっています。コレクターや研究者にとって、これらの細かな違いは製品の来歴を知る貴重な手がかりなのです。
リーバイスコレクターが注目する理由は工場による細かな違い
リーバイスのコレクターやヴィンテージデニム愛好家が「52」刻印などの工場番号に注目する大きな理由の一つは、工場によって製品の細かなディテールや品質に違いがあるためです。独自調査によると、同じモデルであっても、製造工場によって糸の色、ステッチのパターン、生地の質感などに微妙な違いが見られることがあります。
例えば、「52」(フェイエットビル工場)で製造されたデニムジャケットと「524」(エルパソのサイプレス工場)で製造されたものを比較すると、同じ「70505-0217」モデルであっても、ポケットのカンヌキの縫製方法や使用されている糸の色に違いがあることが報告されています。トレファクスタイルアメリカ村店のブログでは、「524」工場製の70505は特に「濃紺の色の残り具合」が優れているとの指摘もあります。
また、工場ごとに使用していた縫製機械や技術者のスキルにも違いがあったと考えられ、それが製品の仕上がりや耐久性に影響を与えていた可能性があります。こうした微妙な違いは、一般の消費者にはあまり気づかれませんが、コレクターにとっては重要な収集ポイントとなっています。
さらに、時代によって同じ工場でも製造方法や使用する材料に変化があったことも考慮する必要があります。「52」刻印製品でも、1960年代後半のものと1970年代中頃のものでは、使用されているデニム生地や付属品にも違いがある可能性があります。
これらの細かな違いを研究し、分類することで、リーバイスの製造歴史や技術的発展を理解することができます。また、特定の工場や時代の製品に対する需要が高まることで、「52」刻印のようなある特定の工場コードを持つ製品が市場でより価値を持つようになるのです。
このように、リーバイスコレクターが工場番号に注目するのは、単にレア度を判断するためだけでなく、アメリカのデニム産業の歴史や技術的変遷を読み解くための重要な手がかりとして捉えているからなのです。
刻印52製品を見分ける方法とその他の特徴
リーバイスのボタン裏刻印「52」を持つ製品を正確に見分け、その価値を判断するためには、いくつかの重要なポイントと特徴を確認する必要があります。ここでは、「52」刻印製品の見分け方と、合わせて確認すべきその他の特徴について解説します。
まず、ボタン裏の刻印を確認する際は、トップボタン(上部中央のボタン)を中心に全てのボタンを確認することが重要です。独自調査によると、同一製品内でもボタンによって異なる刻印が使われているケースがあります。例えば、「521」と「524」のように異なる刻印のボタンが混在している例も報告されています。
次に、赤タブ(レッドタブ)の「LEVI’S」ロゴの「E」の字体を確認します。「ビッグE」(大きな「E」)は1971年頃までの製品、「スモールe」(小さな「e」)は1971年以降の製品を示します。さらに、赤タブの「V」の形状(均等Vか不均等V)も確認することで、より詳細な年代特定が可能になります。
また、パッチ(革製ラベル)の有無とその状態も重要です。「70505-0217」のようなモデル番号が記載されている場合もありますが、年代によってはパッチが欠損していたり、硬化が進んでいたりする場合もあります。トレファクスタイルアメリカ村店のブログによると、「ジーンズ同様パッチがあるかないかでは大違いです」との指摘もあります。
さらに、ケアタグ(取り扱い表示タグ)の有無とその形状も確認してください。初期の製品にはケアタグがなく、後期になると紙製または布製のケアタグが付くようになりました。特に紙製のケアタグは経年劣化で判読不能になっていることも珍しくありません。
その他、確認すべき特徴として以下が挙げられます:
- ポケットのカンヌキの糸の色と縫製方法(黒糸のシングルステッチなど)
- 使用されている糸の色(オレンジ糸で統一されているかなど)
- 「MADE IN USA」の表記の有無と位置
- ブランケットライナー(裏地)の有無(「70505-0317」の場合)
- 全体的な色の濃さや生地の質感
これらの特徴を総合的に判断することで、その製品の製造年代や希少性、そして市場価値をより正確に評価することができます。「52」刻印製品を購入検討する際は、これらのポイントをチェックリストとして活用することをおすすめします。

まとめ:リーバイスのボタン裏刻印52はヴィンテージの証
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイスのボタン裏刻印「52」はアーカンソー州フェイエットビル工場を示すコードである
- 「52」刻印は1960年代後半から1970年代中頃にかけて使用された
- 「70505」モデルの4thデニムジャケットに「52」刻印が見られるケースが多い
- 「ビッグE」と「52」刻印の組み合わせは1967年〜1971年頃、「スモールe」と「52」刻印は1971年〜1976年頃の製品を示す
- 「52」を含む工場番号は全部で8つ(52、521、522、524、525、526、527、529)確認されている
- デニムジャケットにおいては3桁工場番号に変わる前の貴重な2桁刻印である
- 「52」刻印から「521」「524」などへの変遷は、リーバイス社の生産拡大と工場管理の精緻化を反映している
- 工場によって製品の細かなディテールや品質に違いがあり、それがコレクターの注目ポイントとなっている
- 「52」刻印製品は、状態やその他の特徴に応じて15,000円〜50,000円程度の相場価格で取引されている
- 「52」刻印製品を正確に判断するためには、赤タブのEの字体、パッチの状態、ケアタグの有無なども合わせて確認する必要がある
- 「70505-0317」(ブランケットライナーバージョン)と「52」刻印の組み合わせは、より希少性が高いとされている
- 「52」刻印はリーバイス社の製品管理システムの歴史的変遷を示す重要な証拠であり、ヴィンテージデニム研究において貴重な情報源となっている
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト https://shibaken.work/post-5906/2024/5906/ https://www.tf-style.com/shop/541/topics/182427/ https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10301587305 https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3%E8%A3%8F52/ https://singingthroughtherain.net/8945321715.htm https://jp.mercari.com/search?keyword=%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3%E8%A3%8F%E5%88%BB%E5%8D%B052 https://shopping.yahoo.co.jp/search/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B970505+%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3%E8%A3%8F52/2495/