リーバイスのジーンズを語る上で避けて通れないのが「ビックE」という存在。そのレトロな魅力と希少性から、古着市場で高い価値を持つビックEは、ジーンズコレクターやファッション愛好家から熱い注目を集めています。でも「リーバイス ビックE」と検索している人は、その具体的な価値や見分け方について詳しく知りたいのではないでしょうか?
この記事では、リーバイスのビックEの歴史的背景からその価値を決める要素、本物と復刻版の見分け方、さらには市場での相場価格まで徹底解説します。「このジーンズ、もしかして価値があるかも?」と思っている方や、本格的にヴィンテージジーンズを集めたい方にとって、必見の情報をお届けします。

記事のポイント!
- ビックEとは何か、なぜ価値があるのかがわかる
- 本物のビックEと復刻版の見分け方を理解できる
- ビックEの相場価格と価値を左右する要素がわかる
- ビックEを含むヴィンテージリーバイスの種類と特徴を知ることができる
リーバイス ビックEの価値とは?その魅力と特徴
- ビックEとは1970年代初頭までのリーバイスを示す重要な特徴
- ビックEの価値は年代や状態、希少性によって大きく変わる
- オリジナルのビックEは1967年から1973年頃まで製造された
- ビックEは赤タブのLEVI’Sの「E」が大文字という特徴がある
- 不均等Vの形状もビックEの価値を高める重要な要素
- ビックEモデルの価値を決める要素は複数ある
ビックEとは1970年代初頭までのリーバイスを示す重要な特徴
リーバイスのジーンズに付いている赤いタグ(赤タブ)に注目してみましょう。1971年頃までは「LEVI’S」と大文字の「E」で表記されていましたが、それ以降は「Levi’s」と小文字の「e」に変更されました。この大文字の「E」を持つモデルを「ビックE(ビッグE)」と呼び、小文字の「e」のモデルを「スモールe」と呼んでいます。
ビックEは単なるロゴの違いではなく、リーバイスの歴史において重要な転換点を示しています。1971年に株式公開をした際にリーバイスは企業イメージを刷新し、ロゴも現代的なデザインへと変更しました。つまり、ビックEのジーンズは株式公開前の、いわば「古き良き時代」のリーバイスということになります。
この時代のリーバイスは、現在のような大量生産ではなく、職人技術と高品質な素材にこだわった製造方法で作られていました。特に1970年代前半までは天然インディゴ染料が使われており、独特な色落ちの美しさが特徴です。
ビックEは単なるデザインの違いではなく、製造方法や素材、ディテールにおいても現行モデルとは異なる魅力を持っています。そのため、ヴィンテージデニムの世界では特に価値のある存在として認識されているのです。
また、ビックEが付けられた時代は501XXからXX表記が消え、現在と同じ「501」表記になった時期とも重なります。このように、リーバイスの歴史における重要な変革期を示す証として、ビックEは大きな意味を持っているのです。
ビックEの価値は年代や状態、希少性によって大きく変わる
リーバイスのビックEモデルの価値は一概には言えず、様々な要素によって大きく変動します。最も重要なのは製造年代です。例えば、ビックEの中でも1960年代後半の初期モデルは特に希少価値が高いとされています。
また、状態の良さも価値を大きく左右します。特にヴィンテージデニムの場合、50年近く経過したものが多いため、破れや補修がないもの、色残りが良いものは相場よりも高価になる傾向があります。色残りについては、インディゴ染料をしっかり残したモデルほど価値が高いとされています。
サイズも重要な要素です。日本人の体型に合いやすい小さめのサイズ(ウエスト28〜32インチ程度)は需要が高く、価格も高騰しがちです。一方、大きいサイズは比較的安価で取引されることが多いようです。
独自調査の結果、オークションサイトでのビックEの平均落札価格は約36,000円程度ですが、状態や希少性によっては数十万円で取引されるケースもあります。特に色残りが良く、ダメージの少ない希少なモデルは高値がつきやすいです。
例えば、501 Big Eの中でも「タイプ物」と呼ばれる1967〜69年製のモデルは特に人気が高く、状態が良ければ30万円前後の価値があるとされています。これは赤タブのロゴとパッチの特殊なスタンプマークが特徴で、使用されるスタンプはA、S、F、Iなどがあります。
一方で、同じビックEでもダメージが激しいものや、後年の修理が施されたものは価値が下がります。特に股部分の修理や穴、素人による補修が目立つものは敬遠される傾向があります。
オリジナルのビックEは1967年から1973年頃まで製造された
リーバイスのビックEモデルが製造されたのは主に1967年から1973年頃までです。この期間はリーバイスにとって大きな変革期でもありました。1966年頃までのモデルは「XX」という表記がされていましたが、ビックE時代になるとこの表記が消え、現在と同じように「501」のみの表記となりました。
この時代のリーバイスジーンズは、ワークウェアからファッションアイテムへと徐々に進化していく途上にありました。タフな作りを保ちながらも、より洗練されたデザインに変化していったのです。シルエットも若干変化し、以前より細身のスタイリッシュなデザインになっていきました。
ビックEの時代は、リーバイスが株式公開する直前の時期であり、まだ大量生産体制が確立される前の比較的少量生産の時代でした。そのため、一つ一つの製品にかける時間や手間も現在とは異なっていたと考えられています。
この時代に製造された501ビックEは、アーキュエイトステッチの色がイエローから金茶に変更され、ステッチのピッチ(運針数)も倍増しました。また、それまで採用されていた隠しリベットもバータックと呼ばれる縫製による補強に変更されています。
さらに、トップボタン脇に施されていたV字ステッチに代わって、2本の平行ステッチが使われ始めたのもこの時代です。このように、細部まで見ていくと、ビックE時代のリーバイスは様々な変化を遂げていたことがわかります。
オリジナルのビックEの価値が高いのは、この時代特有の特徴と、現存数が限られていることが大きな理由です。なお、近年では復刻版のビックEも多く製造されていますが、それらはオリジナルのビックEとは価値が大きく異なりますので注意が必要です。

ビックEは赤タブのLEVI’Sの「E」が大文字という特徴がある
ビックEの最も分かりやすい特徴は、その名の通り赤タブに表記されている「LEVI’S」のEが大文字であることです。1971年以降、リーバイスは赤タブのロゴを「Levi’s」と小文字のeに変更しました。この変更は単なるデザインの変更ではなく、企業としてのリーバイスの転換点を示すものでした。
赤タブはリーバイスのアイコンとして1936年に初めて導入されました。当初は片面のみに刺繍が入っていましたが、1953年からは両面に刺繍が入るようになりました。ビックEの赤タブには両面に「LEVI’S」の刺繍がされていますが、裏側は上下が逆になっているのが特徴です。
また、ビックEの時代の「LEVI’S」のVの形状にも注目する必要があります。1960年代中頃までは「V」が左右均等の形状だったのに対し、ビックE時代(1966年以降)は右側が細い「不均等V」の形状になっています。この「不均等V」は現在のロゴにも引き継がれており、ビックEを見分ける重要なポイントの一つです。
さらに、1966年以前の均等VとビックEが組み合わさったモデルも存在します。これは移行期のモデルとして特に希少価値が高いと言われています。均等VとビックEを併せ持つモデルは生産期間が短く、現存数も少ないためです。
なお、赤タブに「LEVI’S®」としてレジスターマーク(®)が付いているかどうかも、年代を判断する一つの手がかりになります。1950年代からレジスターマークが登場し、現在に至るまで使用されています。
ビックEの赤タブは刺繍で作られており、立体感と品質の高さを感じさせます。これに対し、1980年代以降はプリント技術の向上により、一部モデルではプリントの赤タブも登場しています。刺繍とプリントの違いも、ヴィンテージかどうかを判断する一つの基準となります。
不均等Vの形状もビックEの価値を高める重要な要素
リーバイスの赤タブに刺繍された「LEVI’S」のVの形状は、年代によって変化しています。1966年頃までは左右対称の「均等V」が使用されていましたが、ビックE時代になると右側が細い「不均等V」へと変更されました。この不均等Vは現在のリーバイスロゴにも引き継がれている特徴です。
不均等Vがビックモデルの価値を高める理由は、それが特定の時代を明確に示すディテールだからです。特に「ビックE+不均等V」の組み合わせは、典型的な1966年〜1971年頃のモデルを示しています。この時代のジーンズは天然インディゴを使用しており、美しい色落ちが特徴とされています。
さらに興味深いのは、移行期には「均等V+ビックE」や「不均等V+スモールe」といった「過渡期モデル」も存在することです。こうした移行期のモデルは生産期間が短く、現存数も少ないため、コレクターの間では特に高い価値を持つことがあります。
特に「均等V+ビックE」の組み合わせは1966年前後の短い期間にしか製造されていないため、非常に希少です。この組み合わせは「初期ビックE」とも呼ばれ、状態の良いものであれば高額で取引されることもあります。
不均等Vの形状を確認する際には、フェイク(偽物)にも注意が必要です。本物のリーバイスは「V」の字体が独特であり、左右の太さだけでなく、角度や形状にも特徴があります。不自然な形状や均一すぎる刺繍は、復刻モデルや偽物である可能性が高いでしょう。
また、赤タブの大きさや位置も年代によって微妙に異なります。こうした細かなディテールを総合的に判断することで、より正確な年代判定や価値の評価が可能になります。ビックEを含むヴィンテージリーバイスを評価する際には、不均等Vの特徴も重要な判断材料の一つとなるのです。
ビックEモデルの価値を決める要素は複数ある
リーバイスのビックEモデルの価値を決める要素は非常に多岐にわたります。まず最も基本的な要素として「希少性」があります。製造年代が古いほど、現存数は少なくなる傾向にあり、価値も高くなります。例えば1960年代後半の「タイプ物」と呼ばれるモデルは特に希少で、高値で取引されています。
次に重要なのが「状態」です。50年以上前の古着であっても、色落ちが美しく、破れや補修が少ないものほど価値が高いとされています。特に股部分やポケット周りの破れは価値を下げる大きな要因になります。ただし、ヴィンテージならではの自然な使用感は、逆に価値を高めることもあります。
「サイズ」も重要な要素の一つです。日本人の体型に合いやすい小さめのサイズ(W28〜32インチ)は需要が高く、価格も高くなる傾向があります。一方、大きいサイズは比較的安価で取引されることが多いようです。
「ディテール」もビックEの価値を大きく左右します。例えば、ボタン裏の刻印、赤タブのデザイン、パッチの種類、ベルトループの仕様など、細部にまでこだわりが見られるモデルほど価値が高くなります。特に「隠しリベット」や「V字ステッチ」といった、特定の時代にしか見られないディテールは重視されます。
「生地の質」も重要です。特に天然インディゴで染められた生地は、合成インディゴとは異なる独特の風合いと色落ちを見せるため、価値が高いとされています。コーンミルズ社製のセルビッジデニムを使用したモデルも特に人気があります。
「市場動向」もビックEの価値に影響します。近年ではヴィンテージデニムへの関心が世界的に高まっており、特に日本、アメリカ、ヨーロッパでは需要が増加傾向にあります。そのため、良質なビックEモデルの価格は年々上昇しているようです。
最後に「個体差」も考慮する必要があります。同じモデルでも、一点物である古着は個体によって状態や特徴が異なります。色落ちのパターンや使用感など、その個体ならではの魅力を持つものは高く評価されることがあります。

リーバイス ビックEの価値を知るための見分け方
- 本物と復刻版の最大の違いは製造国(USA製かどうか)
- ボタン裏の刻印で年代判別が可能
- パッチのデザインと素材も重要な判別ポイント
- 赤タブのデザインが年代によって変化している
- リベットのデザインと素材も年代によって異なる
- 内タグは1974年以降に付けられた重要な特徴
- まとめ:リーバイス ビックEの価値は本物を見分ける目が重要
本物と復刻版の最大の違いは製造国(USA製かどうか)
リーバイスのビックEモデルを見分ける最も重要なポイントは、製造国です。本物のヴィンテージビックEは、全てアメリカ製(MADE IN USA)です。パッチやタグに「MADE IN USA」と表記されているかどうかが、まず確認すべき点になります。
特に注意が必要なのは、日本製のビックEは全て復刻版であるということです。ヤフー知恵袋などの情報によると、「日本製と言う時点でレプリカ(復刻)」と明言されています。近年では「LVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)」などのラインで、本物そっくりの復刻版ビックEが多数販売されています。
さらに重要なのは、リーバイスのアメリカ工場は2003年に一斉閉鎖されたという事実です。そのため、2003年以降に製造されたUSA表記のジーンズは、一部の特別モデルを除いて基本的に存在しません。2003年以降のUSA製として販売されている場合は、バレンシア工場などでの限定生産モデルか、製造年の表記に誤りがある可能性があります。
本物のヴィンテージと復刻版を見分けるには、製造国に加えて、縫製の技術や素材感も重要な手がかりになります。例えば、ヴィンテージ特有の「ステッチの不均一さ」や「生地の風合い」は、現代の復刻版では完全に再現することが難しいとされています。
また、復刻版では意図的に「ビンテージ感」を出すための加工が施されていることがありますが、本物のヴィンテージは長年の使用による自然な経年変化を見せています。この「作り込まれた」風合いと「自然に生まれた」風合いの違いも、見分ける際のポイントとなるでしょう。
もし「このビックEは本物か復刻か」と迷った場合は、製造国と併せて次のセクションで解説するボタン裏の刻印やパッチのデザインなども確認することで、より正確な判断ができるようになります。
ボタン裏の刻印で年代判別が可能
リーバイスのジーンズを見分ける上で非常に重要なポイントの一つが、トップボタン裏に刻印されている数字や文字です。この刻印は製造工場を示す識別番号と言われており、年代判別の大きな手がかりになります。
ビックE時代のボタン裏刻印は、主に1桁の数字や英字、もしくは2桁の数字です。具体的には「2」「4」「5」「6」「8」などの数字や、「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」などのアルファベットが見られます。特に「2」の刻印は希少とされています。
また、「16」の刻印は例外的に50年代から70年代中期まで長期にわたり使用されていた工場番号で、特殊なモデルが多く人気があるとされています。「6」刻印は66モデル(後述)に多く見られることから「旧6工場」とも呼ばれ、こちらも人気の高い刻印です。
ビックE以降の年代では、刻印の桁数が増えていきます。80年代から2000年初期までは「273」「501」「513」「515」「522」「524」などの3桁の数字が主流となります。特に「555」はバレンシア工場(1996年〜2003年)を示す刻印で、高品質なモデルを多く製造していたことから人気があります。
復刻版のビックEでは、アルファベットと数字の組み合わせが見られることが多く、特に日本企画モデルには「J」から始まる刻印が使われる傾向があります。また、現行モデルでは4桁の数字が使われており、文字が詰まって見えるのが特徴です。
ただし、ボタン裏刻印だけで確定的な判断をするのは避けるべきです。刻印が摩耗して読み取れない場合や、例外的なケースもありますので、他の特徴と併せて総合的に判断することが重要です。また、ボタンが交換されている可能性もあるため、他のディテールとの整合性を確認することも大切です。
下記の表は、ボタン裏刻印の年代別特徴をまとめたものです。
刻印のタイプ | 年代 | 特徴 |
---|---|---|
1桁の英数字 | 50〜70年代 | A, D, E, F, J, K, L, O, S, W, 2, 4, 5, 6, 8 など |
2桁の数字 | 60〜80年代 | 10, 12, 14, 16, 17, 20 など (16は50〜70年代中期まで) |
3桁の数字 | 80〜2000年初期 | 273, 501, 513, 515, 522, 524, 527 など |
アルファベット+数字 | 復刻版 | 特に日本企画モデルはJから始まる |
4桁の数字 | 現行モデル | 文字が詰まって見える |
パッチのデザインと素材も重要な判別ポイント
リーバイスのジーンズ右腰に付けられたラベル(パッチ)は、年代判別の重要なポイントの一つです。ビックE時代のパッチには、それ以前と以降で大きな違いがあります。
まず素材について見てみましょう。1958年頃までは革パッチが使用されていましたが、それ以降は紙パッチに変更されました。ビックEモデル(1967年〜1973年頃)は全て紙パッチです。革パッチから紙パッチへの変更は、パッチが欠損しやすいことが理由とされています。
次にパッチの表記について見ていきましょう。ビックE時代以前の1966年までは、ロットナンバーの後に「XX」という表記がありました(例:501XX)。ビックE時代になるとこの「XX」表記がなくなり、現在と同じように「501」だけの表記になりました。これは大きな変化であり、年代判別の重要な手がかりになります。
また、1966年〜1967年の過渡期には「ダブルネーム」と呼ばれるパッチが存在します。これは、品番変更による混乱を避けるため、以前の型番を小さく印字したものです。例えば「501」の左側に小さく「66501」などと表記されています。このダブルネームは短期間しか使用されなかったため、希少価値が高いとされています。
1967年〜1969年には「タイプ物」と呼ばれるパッチも登場しました。これはアルファベット(A, S, F, I など)が印字されているもので、品質ランクや出荷先を示していたという説があります。こうした細かな違いも、ビックEの価値を判断する上で重要なポイントです。
パッチには他にも「EVERY GARMENT GUARANTEED」(すべての商品を保証する)という文字や、「MADE IN U.S.A.」「100% COTTON」「WPL 423」といった表記の有無、位置、サイズなどが年代によって異なります。1970年代以降には「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」(内側に取扱説明あり)というスタンプも登場します。
パッチのこうした細かな違いを知ることで、リーバイスの年代をより正確に判断できるようになります。特に復刻版との見分けには、パッチのデザインや素材感、印刷の質感なども重要な手がかりとなるでしょう。

赤タブのデザインが年代によって変化している
リーバイスの赤タブ(Red Tab)は1936年に初めて導入され、以降様々な変化を遂げています。この赤タブのデザインの変遷を知ることで、ビックEの年代判別や価値評価に役立てることができます。
まず、1936年から1952年頃までの赤タブは「片面タブ」と呼ばれ、タブの片面にのみ「LEVI’S」の刺繍がされていました。この時期はまだレジスターマーク(®)もありませんでした。1953年からは「両面タブ」になり、裏側にも「LEVI’S」が刺繍されるようになりました(裏側は上下が逆になっています)。この時からレジスターマークも登場しています。
また、「LEVI’S」の「V」の形状も重要なポイントです。1966年頃までは左右が均等な「均等V」でしたが、それ以降は右側が細い「不均等V」に変更されました。つまり、ビックEの時代(1967年〜1973年頃)は基本的に「不均等V」です。ただし、移行期には「均等V+ビックE」という組み合わせも存在し、これは特に希少価値が高いとされています。
1974年頃からは「ビックE」から「スモールe」へと変更され、赤タブに「Levi’s」と表記されるようになりました。さらに1980年代頃からは刺繍ではなくプリントの赤タブも登場しています。プリントタブは文字の立体感や糸の光沢がないことで見分けることができます。
赤タブには他にも「®」(レジスターマーク)のみが刺繍された特殊なものもあります。これはリーバイスがタブそのものの商標権を持っていることを示すため、社名なしでRのみのバージョンを10本に1本くらいの割合で含めていたと言われています。
さらに赤タブの色にも注目する必要があります。通常は赤ですが、「オレンジタブ」(1960〜70年代の廉価ライン)、「白タブ」(70〜80年代のデニム以外用)、「黒タブ」(混紡素材用)など、様々なバリエーションが存在します。こうした特殊な色のタブは、それぞれ異なる意味を持っています。
こうした赤タブの細かなデザインの違いを理解することで、リーバイスの年代判別やビックEの価値評価をより正確に行うことができるでしょう。特に復刻版との見分けには、刺繍の質感や細部のデザインが重要な手がかりとなります。
リベットのデザインと素材も年代によって異なる
リーバイスのジーンズを特徴づける重要な要素の一つがリベット(鋲)です。このリベットのデザインや素材も、年代によって変化しており、ビックEの価値を判断する上で重要なポイントとなります。
「隠しリベット」は1937年から1966年まで使用された特徴的なディテールです。バックポケットの補強として、表からは見えないようにリベットが取り付けられていました。これはライバルブランドとの差別化を図るために導入されたものですが、ビックEモデルでは既にこの隠しリベットは廃止され、バータック(補強ステッチ)に変更されています。
リベットの素材も年代判別の手がかりになります。1963年頃までのリベットは内側が鉄の銅メッキでしたが、それ以降はアルミ製に変更されました。ビックEモデルのリベットは基本的にアルミ製です。鉄製リベットとアルミ製リベットは、重さや質感、経年変化の仕方などが異なります。
また、リベットの刻印も重要です。初期のリベットには「L.S.&CO S.F.」というような刻印がされていましたが、時代とともに刻印のデザインや深さ、文字サイズなども変化しています。ビックEモデルのリベット刻印は、それ以前のモデルと比べて浅く、小さめになる傾向があります。
さらに注目すべきは、リーバイスジーンズのコインポケットリベットです。大戦モデル(1942〜46年製)では物資統制の影響でこのリベットが省略されていましたが、それ以降は復活しています。ビックEモデルには当然このコインポケットリベットが付いていますが、その形状や素材も時代によって微妙に異なります。
リベットのこうした細かな違いは、一見すると些細なことのように思えますが、ヴィンテージジーンズのコレクターにとっては非常に重要な判断材料となります。特にリベットの素材変更は、パッチがなくなってしまったジーンズの年代を推定する際に役立つことがあります。
ただし、リベットは使用による摩耗や脱落、さらには後年の修理によって交換されている可能性もあるため、他のディテールと併せて総合的に判断することが重要です。リーバイスのヴィンテージは細部へのこだわりこそが価値を生み出す要素であることを忘れないようにしましょう。
内タグは1974年以降に付けられた重要な特徴
リーバイスのジーンズに内タグが付けられるようになったのは1974年からです。これはビックE時代(1967年〜1973年頃)の後のことなので、本物のビックEには基本的に内タグは付いていません。ただし、移行期のモデルには例外もあるため、注意が必要です。
内タグが付けられるようになった背景には、1970年頃から紙パッチに「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」(内側に取扱説明あり)というスタンプが押されるようになったことが関係しています。このスタンプがあるモデルには、内側に洗濯方法などの注意事項を記した内タグが付いています。
1974年から付けられ始めた初期の内タグは、数字の羅列が3行に分かれて書かれており、製造年月と工場番号が一番下の行に記載されていました。書かれる順番は、左から製造月、製造年の下2桁、そして工場番号となっています。この頃の内タグは、現在のタグとは印刷方法や生地、書き方が異なります。
また、ウエストやレングスが書かれている1つ上の行には収縮率が書かれており、これもモデルの特定に役立ちます。特に66モデル(後期)までは収縮率8%、それ以降は10%という違いがあります。
1980年代後半になると、内タグの形式が変わり、文字量が増えて7行になります。6行目には工場番号、7行目には製造年月が記載されるようになりました。この時期の内タグは製造年が下1桁しか書かれておらず、製造月と製造年の数字が繋がっているのが特徴です。また、プリントの仕方も染み込みプリントのような形に変化しています。
1991年から1994年にかけては、ペラペラで薄い生地の内タグが使用されました。この内タグには一番上に数字、その下に洗濯時などの注意点、さらにその下に2行の数字の列が書かれた構造になっています。製造年月と工場番号は下から2行目に記載され、左から工場番号、製造月・製造年、製造番号の順に書かれています。
1995年から2003年(アメリカ工場閉鎖まで)の内タグは、現在の内タグに近い形になっており、一目でわかるデザインになっています。
このように内タグは1974年以降に導入され、その形式も時代とともに変化してきました。ビックEモデルには基本的に内タグは付いていないため、内タグの有無自体がビックEかどうかを判断する一つの材料になります。ただし、復刻版のビックEには内タグが付いていることがほとんどなので、内タグの有無だけでなく、その形式や記載内容も含めて総合的に判断することが重要です。

まとめ:リーバイス ビックEの価値は本物を見分ける目が重要
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイスのビックEは1967年から1973年頃まで製造された歴史的価値のあるモデル
- 本物のビックEはアメリカ製(MADE IN USA)であり、日本製は全て復刻版
- ビックEの価値は年代、状態、希少性、ディテールなど複数の要素で決まる
- ボタン裏の刻印は年代判別の重要な手がかりであり、ビックE時代は1桁か2桁の数字や英字
- パッチのデザインと素材も重要で、ビックE時代は紙パッチで「XX」表記がない
- 赤タブの「LEVI’S」の「E」が大文字であることがビックEの最大の特徴
- ビックE時代の「V」は基本的に右側が細い「不均等V」だが、移行期には「均等V+ビックE」も存在
- リベットのデザインと素材も年代によって変化し、ビックE時代は隠しリベットがなくバータックに変更
- 内タグは1974年以降に導入されたため、本物のビックEには基本的に内タグがない
- オークションでのビックEの平均落札価格は約36,000円だが、状態や希少性によっては数十万円になることも
- 復刻版と本物を見分けるには、製造国、ディテール、素材感など総合的な判断が必要
- リーバイスのヴィンテージは細部へのこだわりこそが価値を生み出す要素であることを忘れないようにする
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10188578825 https://magazine.collet.am/121 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14273726919 https://www.leon.jp/fashions/6526 https://aucfan.com/intro/q-~a5eaa1bca5d0a5a4a5b920a5d3a5c3a5b045/ https://www.tf-style.com/shop/22/topics/411036/ https://www.style-eco.com/brand_colum/levi_s/25951.html https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4 https://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9501%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0e%E5%BE%A9%E5%88%BB/0/ https://jamtrading.jp/blogs/jam/1026500/