古着ブームの中で特に注目を集めているのが「リーバイス シルバータブ」です。1985年に誕生し、90年代のクラブカルチャーやスケートシーンで一世を風靡したシルバータブは、近年のヴィンテージファッションリバイバルによって再び脚光を浴びています。そのユニークなワイドシルエットとバックポケットの銀色のタブが特徴的で、コレクターや古着愛好家から高い評価を得ています。
しかし、シルバータブの価値は一律ではなく、年代やモデル、状態によって大きく変動します。古着市場では10,000円から20,000円程度が相場となっていますが、希少性の高いモデルや状態の良いものはさらに高値で取引されることもあります。この記事では、シルバータブの歴史から現在の市場価値、そして本物を見分けるためのポイントまで詳しく解説します。

記事のポイント!
- シルバータブの歴史的背景と特徴を知ることができる
- 年代別・モデル別の価値と相場について理解できる
- 本物のシルバータブの見分け方とタグの特徴を学べる
- シルバータブ購入時のポイントと注意点がわかる
リーバイス シルバータブの価値と歴史的背景
- シルバータブとは1985年に誕生したリーバイスの革新的ライン
- 90年代クラブカルチャーで爆発的人気を獲得したシルバータブの背景
- シルバータブのバックポケットにあるシルバーカラータブが最大の特徴
- 2017年に復刻され再び注目を集めるようになったシルバータブの魅力
- 古着市場での人気高騰によりシルバータブの価値は上昇傾向にある
- シルバータブが他のリーバイスと異なる点は独特のシルエットと手頃な価格設定
シルバータブとは1985年に誕生したリーバイスの革新的ライン
リーバイスのシルバータブは、1985年にリーバイスがコンテンポラリーラインとして発表した革新的なデニムシリーズです。当時はリーバイスの伝統的なスタイルから一線を画す挑戦的なラインとして登場しました。
シルバータブシリーズは、従来のリーバイスが避けてきた「ワイドでルーズなシルエット」を特徴としており、これはリーバイスにとって大きな冒険でした。伝統的なリーバイスといえば501に代表される王道のストレートスタイルが中心でしたが、シルバータブは当時のファッショントレンドを取り入れた新しいスタイルを提案しました。
独自調査の結果、シルバータブはヨーロッパ企画として発表されたという説もあり、ヨーロッパの若者を中心に爆発的な人気を博したと言われています。日本でもストリートファッションを好む若者を中心に支持を集めました。
その名前の由来は、リーバイスの象徴であるバックポケットのタブが通常の赤色ではなく、シルバー(銀色)であることから名付けられました。この小さな変化が大きな個性となり、コレクターの間でもシルバータブは特別な存在となっています。
シルバータブは単なるファッションアイテムというだけでなく、80年代後半から90年代にかけてのストリートカルチャーを象徴する存在となり、その価値は単なる古着としてだけでなく、文化的なアイコンとしても評価されています。
90年代クラブカルチャーで爆発的人気を獲得したシルバータブの背景
シルバータブが特に人気を博した90年代は、クラブミュージックが全盛期を迎えていた時代でした。ヨーロッパではアシッドハウス、デトロイトテクノ、トランスミュージックなどの様々なクラブミュージックが誕生し、「ダンス」というキーワードが若者文化の中心にありました。
この時代、若者たちは金曜の夜から朝まで踊り明かすクラブカルチャーに没頭していました。彼らが求めたのは「踊りやすく、動きやすい」服装でした。ピッタリしたジーンズでは自由に動けないため、ルーズでワイドなシルエットのパンツが理想的だったのです。シルバータブは、まさにこの需要を満たす製品として登場しました。
さらに、90年代はヒップホップカルチャーやスケートボードなどのストリートカルチャーも大きく発展した時期でした。これらのサブカルチャーでもルーズなシルエットが好まれ、シルバータブはその中心的存在となりました。若者たちは新しいファッションを通じて自分たちのアイデンティティを表現し、シルバータブはその象徴的アイテムとなったのです。
独特のワイドシルエットとリーバイスならではの堅牢さを兼ね備えたシルバータブは、ダンスフロアでもスケートパークでも活躍するアイテムとして、多くの若者の心を掴んだのです。
現在、90年代ファッションのリバイバルブームと共に、シルバータブが再び注目されているのは、単なるノスタルジー以上の意味があります。当時のシルバータブは、若者たちの自由な表現と結びついていたからこそ、今でも多くの人々を魅了し続けているのです。
シルバータブのバックポケットにあるシルバーカラータブが最大の特徴
シルバータブの最も特徴的な点は、その名前の由来ともなっているバックポケットのシルバーカラータブです。通常のリーバイス製品では赤いタブ(レッドタブ)が使用されていますが、シルバータブシリーズでは銀色のタブが使用されています。
この小さな違いは、一見すると些細なディテールかもしれませんが、リーバイスファンやデニム愛好家にとっては大きな意味を持ちます。リーバイスというブランドがタブの色を変更するというのは、通常のラインとは異なる特別なコレクションであることを示す重要なシグナルとなるからです。
シルバータブの特徴はタブの色だけではありません。全体的なシルエットが通常のリーバイスよりもゆったりとしており、バギー、ルーズ、リラックスといった名前が示すように、ワイドなフォルムが特徴です。股上が深く、太もも周りにゆとりがあり、程よくテーパードがかかっているデザインは今でも多くのファッション愛好家に支持されています。
また、シルバータブはデニム生地だけでなく、コーデュロイなど様々な素材で展開されていました。これにより、一年中通して様々なスタイリングが可能になり、多くのファンを獲得しました。
現在では、このシルバーカラータブは90年代ファッションの象徴として認識されており、古着市場ではシルバータブを見分ける重要な指標となっています。偽物や類似品も多く出回っているため、本物のシルバータブを見分ける際には、このタブの形状や質感、取り付け方まで詳細にチェックすることが重要です。

2017年に復刻され再び注目を集めるようになったシルバータブの魅力
2017年、リーバイスは待望のシルバータブ復刻を実現しました。これは90年代ファッションリバイバルの流れに合わせたもので、シルバータブの人気は再び高まりを見せました。
復刻版シルバータブは、オリジナルのデザイン要素を忠実に再現しつつも、現代的な製法と素材を取り入れています。バギー、ルーズ、リラックスといった人気モデルが復活し、シルバータブならではのゆったりとしたシルエットと銀色のタブが特徴的な点はそのままに、現代の若者にも受け入れられるスタイルとなっています。
復刻モデルの登場により、新品のシルバータブを手に入れることができるようになった一方で、90年代の本物のヴィンテージ品はさらに希少価値が高まりました。古着愛好家やコレクターにとって、オリジナルのシルバータブは特別な存在となっています。
復刻版と90年代ヴィンテージの違いは、タグのデザインや縫製の細部に表れています。本物の90年代シルバータブは、サイズ表記の白タグが少し縦長の長方形であるのに対し、復刻版や現行品はタグが極端な縦長であったり、日本語表記が加わっていたりします。
復刻版の登場はシルバータブの歴史と現代をつなぐ重要な出来事となり、若い世代にもシルバータブの魅力を伝えることになりました。現在では新品の復刻版と本物のヴィンテージ品が市場に共存し、それぞれ異なる価値を持つ存在となっています。
古着市場での人気高騰によりシルバータブの価値は上昇傾向にある
近年の古着ブームに加え、90年代ファッションのリバイバルによって、シルバータブの市場価値は大きく上昇しています。数年前までは数千円程度で購入できていたシルバータブも、現在では古着市場で10,000円から20,000円が相場となっています。
特に人気が高いのはバギーモデルです。古着オークションサイトのデータによると、シルバータブの中でも最も定番の「バギー」タイプは、直近30日の平均落札価格が6,090円(2022年時点のデータ)となっていますが、状態の良い人気サイズのものはさらに高値で取引されています。
シルバータブの価値は年々上がっており、生産期間が短かったことから今後も供給量は減少していく一方です。特に90年代に本格的に生産されたオリジナルモデルは、品質の良さも相まって価値が高騰しています。
状態の良いヴィンテージシルバータブを見つけた場合、特に希少なサイズやカラー、状態が良いものであれば、投資的価値も期待できるでしょう。ただし、シルバータブを含むヴィンテージデニムの価値は、ファッショントレンドによって変動する側面もあるため、注意が必要です。
古着市場やオークションでシルバータブを探す際は、バックポケットのシルバータブはもちろん、内側のタグや生産年代なども確認することが重要です。状態の良いヴィンテージシルバータブは、時間の経過とともにさらに希少性が高まる可能性があります。
シルバータブが他のリーバイスと異なる点は独特のシルエットと手頃な価格設定
シルバータブが通常のリーバイス製品と最も異なる点は、そのシルエットです。リーバイスの定番である501は比較的スタンダードなストレートフィットですが、シルバータブはワイドでルーズなシルエットが特徴的です。
また、シルバータブは当初、通常のリーバイス製品よりも手頃な価格帯で提供されていました。縫製工程が簡略化されており、比較的リーズナブルな価格で若者にも手が届くようになっていました。販売先も従来のリーバイス製品とは異なり、よりカジュアルなファッションを求める若者向けの店舗が中心でした。
デザイン面では、単にシルエットが異なるだけでなく、シルバータブシリーズはよりストリートファッション寄りのデザイン要素が取り入れられています。バギーやルーズといったモデル名が示すように、よりカジュアルで動きやすさを重視したデザインが特徴です。
シルバータブは、リーバイスの中でも「異端児」的な存在でした。伝統的なジーンズメーカーであるリーバイスが、当時のストリートカルチャーを積極的に取り入れた結果生まれたラインであり、伝統と革新のバランスが絶妙だったからこそ多くの支持を集めたと言えるでしょう。
興味深いことに、一部のデニム専門店やヴィンテージファッション愛好家の間では、シルバータブはリーバイスの「邪道」とみなされることもあります。501などの伝統的なモデルを重視する傾向があり、シルバータブなどの当時流行したシルエットのジーンズは「世間の流れに迎合した」と評価されることもあるようです。しかし、そのようなコアな評価とは裏腹に、現在の古着市場ではシルバータブの人気は非常に高く、その価値は着実に上昇しています。

リーバイス シルバータブの価値を左右する要素と見分け方
- シルバータブは主にBaggy、Loose、Relaxedなど5種類のモデルが存在する
- 90年代製のシルバータブはタグの形状で見分けることが可能
- 現在の相場は古着で10,000円〜20,000円程度で推移している
- デニム専門店はシルバータブよりも501などの定番モデルを重視する傾向がある
- シルバータブは「ダサい」という評価と「トレンド」という評価が分かれている
- 本物と偽物の見分け方は細部のディテールとタグの確認が重要
- まとめ:リーバイス シルバータブの価値は年代と状態で大きく変わる
シルバータブは主にBaggy、Loose、Relaxedなど5種類のモデルが存在する
シルバータブには様々なモデルがありますが、特に人気があり市場でよく見かけるのは以下の5つの主要モデルです。それぞれ特徴的なシルエットを持っており、好みや着こなしに合わせて選ぶことができます。
- Baggy(バギー) 最も人気が高く、シルバータブを代表するモデルです。股上が深く、太腿幅が広くゆったりとしていながらも、裾に向かって程よくテーパードがかかっているのが特徴です。今のトレンドであるオーバーサイズスタイルにピッタリで、古着市場でも最も需要があります。デニム以外にもコーデュロイバージョンも存在し、希少性があります。
- Loose(ルーズ) バギーと似たシルエットですが、テーパードがほとんどかかっていないのが特徴です。足首まで太さがあまり変わらないストレートなシルエットで、より「デカ履き」感を出したい方に適しています。ストリートファッションやリラックスした雰囲気を演出するのに最適です。
- Relaxed(リラックス) バギーやルーズほどのワイドさはなく、比較的穏やかなシルエットが特徴です。股上がやや浅めで、緩やかなテーパードがかかっているため、ワイドなシルエットを好みつつも極端な太さは避けたい方に向いています。女性が履いても可愛らしい印象になるため、レディースにもおすすめのモデルです。
- CARPENTER(カーペンター) シルエットはバギーとルーズの中間くらいで、若干のテーパードがかかっています。バギーのように膨らんだシルエットを好む方に適しています。特徴的なのはツールポケットなどのワークウェア要素が取り入れられていることで、機能性も高いモデルです。
- WIDE LEG(ワイドレッグ) テーパードがまったくかかっていないストレートなワイドシルエットが特徴です。90年代当時流行していたVANSやCONVERSEなどのスニーカーと相性が良く、真のストリートスタイルを楽しみたい方におすすめです。いわゆる「土管シルエット」と呼ばれる形状で、モードな雰囲気も演出できます。
これらのモデルはそれぞれ異なるシルエットと特徴を持っており、価値も少しずつ異なります。一般的には、バギーモデルが最も人気が高く市場価値も高い傾向にありますが、個人の好みやファッションスタイルによって選ぶべきモデルは変わってきます。また、同じモデル名でも年代によって若干のシルエットの違いがあることもあるため、購入前にはできるだけ実物を確認することをおすすめします。
90年代製のシルバータブはタグの形状で見分けることが可能
シルバータブの年代を見分ける最も簡単な方法は、内側のタグを確認することです。特に本物の90年代製シルバータブと現行品や復刻版を区別するためには、このタグチェックが非常に重要です。
90年代当時のシルバータブは、サイズ表記の白タグが少し縦長の長方形をしています。このタグの形状は、現行品や復刻版と明確に異なる特徴です。一方、現行品や復刻版は極端な縦長のタグであったり、日本語表記が加わっていたりすることが多いです。
また、タグを見ることで製造年月を知ることも可能です。多くの場合、タグの裏側に製造年月を示す数字が記載されています。例えば「0698」という数字があれば、「1998年6月に製造された」ということを意味します。基本的にシルバータブは1990年代のものが主流ですが、こうした細かなチェックによって正確な製造時期を知ることができます。
さらに、シルバータブの本物と偽物を見分ける際にも、タグは重要な手がかりとなります。本物のシルバータブは、リーバイス特有の洗練された縫製と高品質な印刷が特徴で、タグの縫い付け方も丁寧です。偽物の場合、タグの印刷がかすれていたり、縫製が粗雑だったりすることがあります。
年代によってタグのデザインや表記方法は微妙に変化しているため、詳細な年代判別には複数の要素を総合的に判断する必要があります。インターネット上には様々なリーバイスの年代判別ガイドがありますので、購入前にこれらを参考にすると良いでしょう。
正確な年代を知ることは、シルバータブの価値を正しく評価するためにも重要です。特に希少性の高い初期のシルバータブや特定の工場で製造されたものは、価値が高くなる傾向があります。
現在の相場は古着で10,000円〜20,000円程度で推移している
シルバータブの現在の相場は、古着市場で10,000円から20,000円程度が一般的です。しかし、モデル、サイズ、状態、希少性によって価格は大きく変動します。
オークションサイトのデータによると、リーバイスシルバータブの直近30日の平均落札価格は約6,090円(2022年時点)とされていますが、これは様々な状態のものを含む平均値です。状態の良い人気モデルや希少サイズのものは、この平均を大きく上回ることが多いです。
新品参考価格は12,990円程度ですが、これは現行の復刻版の価格であり、90年代の本物のヴィンテージシルバータブはこれより高値で取引されることも珍しくありません。特に希少なモデルや状態の良いものは、20,000円を超える場合もあります。
シルバータブの価格に影響を与える主な要素は以下の通りです:
- モデル: バギーモデルは最も人気が高く、価格も高めです。次いでルーズ、リラックスと続きます。特殊なモデルや限定品は更に高値になることがあります。
- サイズ: 平均的な体型に合うW30〜W34あたりが最も需要が高く、価格も高めです。極端に小さいサイズや大きいサイズは希少ですが、需要とのバランスで価格が決まります。
- 状態: 未使用品や極美品は価格が高くなります。特に色落ちやダメージの少ないものは価値が高いです。逆に大きなダメージや修復跡があるものは価格が下がります。
- 製造年代: オリジナルの90年代製のものは一般的に価値が高くなります。特に初期のモデルや特定の工場で製造されたものはコレクターから高く評価されます。
- 希少性: 特殊なカラーやデザイン、生産数の少なかったモデルは希少価値が高く、高額で取引されることがあります。
古着市場では季節や流行によって価格変動がありますが、シルバータブの人気は安定しており、良質なヴィンテージ品の価値は今後も上昇する可能性があります。特に90年代ファッションのリバイバルが続く限り、シルバータブの人気と価値は維持されるでしょう。

デニム専門店はシルバータブよりも501などの定番モデルを重視する傾向がある
興味深いことに、デニム専門店やヴィンテージを扱う古着店の中には、シルバータブをあまり取り扱わない、または積極的に仕入れない店舗も存在します。これにはいくつかの理由があります。
まず、デニム専門店やヴィンテージ古着店の多くは、リーバイスの「真正性」や「伝統」を重視する傾向があります。つまり、リーバイス=レッドタブ(赤いタブ)という認識が強く、501や505などのオーセンティックなモデルを中心に取り扱うことが多いのです。
シルバータブは、リーバイスの中でも比較的新しいライン(1985年誕生)であり、伝統的なモデルよりも「その時代に流行ったシルエット」という側面が強いため、ヴィンテージデニムを扱う店舗からは「世間の流れに迎合した邪道の品」と見なされることもあります。
一部のコアなデニム古着屋では「501以外はダメ!ギリギリ505は認める」というような潔癖な姿勢を取っているところもあります。これは単なるアンチシルバータブというわけではなく、一時的な流行に左右されない伝統的な価値観を重視する姿勢の表れと言えるでしょう。
また、実務的な理由としては、シルバータブは90年代に生産されたものが中心で、501などの長い歴史を持つモデルと比べると数が少なく、仕入れが難しいという側面もあります。さらに、トレンドによって需要と価格が変動しやすいため、安定した商品として扱いにくい面もあるようです。
しかし、こうした伝統重視の店舗がある一方で、90年代ファッションやストリートウェアに特化した古着店では、シルバータブは人気アイテムとして積極的に取り扱われています。特に近年は90年代ファッションのリバイバルの影響で、若い世代からの需要も高まっています。
デニム専門店がシルバータブを取り扱わない傾向があることを知っておくと、シルバータブを探す際にはどのような店舗を訪れるべきかの参考になるでしょう。一般的には、ストリート系の古着店やオンラインマーケットプレイスの方がシルバータブを見つけやすい傾向があります。
シルバータブは「ダサい」という評価と「トレンド」という評価が分かれている
シルバータブに対する評価は、見る人や時代によって大きく異なります。一部では「ダサい」という評価がある一方で、現在のファッションシーンでは「トレンディ」で「クール」という評価も得ています。この評価の二極化には、いくつかの理由があります。
「ダサい」と評価される主な理由としては、以下のようなポイントが挙げられます:
- レトロ感の強さ: 80年代後半から90年代のファッションは、現代の目で見ると「古臭い」と感じられることがあります。特にワイドなシルエットは一時期「時代遅れ」とされていました。
- ゆるいシルエットへの抵抗: 細身のシルエットを好む人にとっては、シルバータブのワイドなシルエットは「だらしなく見える」と感じられることがあります。
- カジュアル感への偏見: オレンジタブと同様、シルバータブも元々はリーバイスのカジュアルラインとして誕生したため、「本流」の赤タブと比べて「安価なイメージ」を持たれることがあります。
一方で、「トレンド」と評価される理由としては:
- 90年代ファッションのリバイバル: 現在、90年代ファッションが再評価されており、シルバータブはその象徴的アイテムとして注目を集めています。
- ワイドシルエットの流行: 近年はオーバーサイズやワイドシルエットが流行しており、シルバータブのシルエットは現代のトレンドにもマッチしています。
- ヴィンテージ・古着文化の浸透: ヴィンテージアイテムに価値を見出す文化が広がり、90年代のオリジナルシルバータブは希少なヴィンテージアイテムとして評価されています。
- ストリートファッションの主流化: かつてはサブカルチャーだったストリートファッションが今やメインストリームとなり、シルバータブのようなアイテムもより広く受け入れられるようになりました。
これらの評価の違いは、世代やファッションに対する価値観の違いを反映しています。伝統的なデニム愛好家からはあまり評価されないこともありますが、現代のストリートファッションやヴィンテージファッションのシーンでは高く評価されており、その価値は着実に上昇しています。
最終的には、個人のスタイルや好みに合わせて判断するべきであり、「ダサい」か「トレンディ」かという二元論で捉えるよりも、自分自身のスタイルに合うかどうかを基準にするのが良いでしょう。
本物と偽物の見分け方は細部のディテールとタグの確認が重要
シルバータブの人気の高まりと共に、残念ながら偽物や類似品も市場に出回っています。本物と偽物を見分けるためには、細部のディテールとタグの確認が非常に重要です。
本物のシルバータブを見分けるポイントは以下の通りです:
- シルバータブの質感と形状 本物のシルバータブは、質感と縫製が丁寧です。タブの色は純粋な銀色ではなく、やや落ち着いたシルバーで、表面に「LEVI’S」の文字が適切に刺繍されています。偽物はタブの質感が安っぽかったり、色味が違ったりすることがあります。
- 内側のタグ 内側のタグは非常に重要な判別ポイントです。90年代のシルバータブは、サイズ表記の白タグが少し縦長の長方形をしています。また、タグの裏側には製造年月を示す数字(例:「0698」は1998年6月製造を意味)が記載されていることが多いです。偽物はこうした細部の再現が不完全なことが多いです。
- ボタンとリベット 本物のシルバータブのボタンやリベットには、リーバイスの刻印がきちんと入っています。また、ボタン裏には工場番号が刻印されていることが多く、これも真贋判定の手がかりになります。
- 縫製の質 リーバイスは縫製の質に定評があります。シルバータブも例外ではなく、縫い目が均一で丁寧です。特にバックポケットのステッチパターンは精密で、偽物では再現が難しい部分です。
- デニムの質感 本物のシルバータブは、質の高いデニム生地を使用しています。手触りや色味、経年変化の仕方などに独特の特徴があります。偽物は生地の質感が本物と異なることが多いです。
- 全体的なシルエット 本物のシルバータブは、モデルごとに特徴的なシルエットを持っています。例えばバギーモデルは股上が深く、太腿幅が広くゆったりとしながらも、裾に向かって程よくテーパードがかかっています。偽物はこうした絶妙なシルエットの再現が不完全なことが多いです。
本物のシルバータブを購入するためには、信頼できる販売店や古着屋で購入することをおすすめします。また、購入前に複数の写真を確認し、疑問点があれば販売者に質問することも重要です。価格が市場相場よりも著しく安い場合は、偽物である可能性を疑った方が良いでしょう。
インターネット上には様々なリーバイス製品の真贋判定ガイドがありますので、それらを参考にすることも有効です。

まとめ:リーバイス シルバータブの価値は年代と状態で大きく変わる
最後に記事のポイントをまとめます。
リーバイス シルバータブの価値を正しく理解するには、年代、モデル、状態、そして市場の動向を総合的に考慮する必要があります。
- シルバータブは1985年に誕生し、90年代のストリートカルチャーで人気を博したリーバイスの革新的ライン
- バックポケットの銀色のタブとワイドなシルエットが最大の特徴
- バギー、ルーズ、リラックスなど5種類の主要モデルが存在し、それぞれ特徴的なシルエットを持つ
- 90年代製のオリジナルシルバータブは、タグの形状で現行品や復刻版と見分けることが可能
- 現在の相場は古着市場で10,000円〜20,000円程度だが、モデル、サイズ、状態によって大きく変動する
- デニム専門店は伝統的な501などを重視する傾向があり、シルバータブをあまり取り扱わないケースもある
- シルバータブは「ダサい」という評価と「トレンディ」という評価が分かれているが、近年は90年代ファッションリバイバルにより再評価されている
- 本物と偽物を見分けるには、シルバータブの質感、内側のタグ、ボタン、縫製の質などを細かくチェックすることが重要
- 2017年の復刻により新品のシルバータブも入手可能になったが、90年代のヴィンテージ品はより希少価値が高い
- シルバータブの価値は今後も上昇する可能性があるが、ファッショントレンドの変化によって変動する可能性もある
- 購入の際は信頼できる店舗で購入し、詳細な情報を確認することが重要
- 最終的には個人のスタイルや好みに合わせて選ぶことが最も大切
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/1015866/
- https://aucfan.com/intro/q-~a5eaa1bca5d0a5a4a5b920a5b7a5eba5d0a1bca5bfa5d6/
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/12037401/
- https://www.mensnonno.jp/fashion/new-topics/440591/
- https://fashiontechnews.zozo.com/culture/levis_silvertab
- https://have-a-colored-day.com/2022/01/24/silvertab-baggy-loose-etc/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12263389252
- https://brand-gadget-blog.com/levis-orenzi-siruba-tabu/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10211556380
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4