あなたはリーバイスのジーンズやジャケットを見ていて、バックポケットの赤いタグに「Levi’s」の文字がなく「R」マークだけが付いているものを見かけたことはありませんか?これは単なる偽物ではなく、実は「ブランクタブ」または「サークルR」と呼ばれる特別なタグなのです。デニムマニアの間では知る人ぞ知る存在で、一部の古着ファンからは熱い視線を集めています。
リーバイス rタグの存在は一般的にはあまり知られていませんが、実はリーバイス社が意図的に製造しているもので、通常の赤タブに混じって生産されています。この記事では、リーバイス rタグの歴史や価値、見分け方から、マニアの間での評価まで徹底解説します。古着店で掘り出し物を探す際の参考にもなりますので、ぜひ最後までお読みください。

記事のポイント!
- リーバイス rタグは「ブランクタブ」「サークルR」とも呼ばれ、全体の約10%の確率で製造されている
- リーバイス rタグが生まれた理由は、タブそのものがリーバイスの商標登録であることを示すため
- 特に501XX期(60年代)のリーバイス rタグは極めて希少で価値が高い
- リーバイス rタグの見分け方や価値判断の基準、さらに注意点についても詳しく解説
リーバイス rタグとは何?その特徴と歴史
- リーバイス rタグは「サークルR」や「ブランクタブ」とも呼ばれる
- リーバイス rタグが生まれた理由はタブそのものの商標登録を示すため
- リーバイス rタグの出現頻度は全体の約10%と言われている
- リーバイス rタグは1960年代から稀に存在していた
- リーバイス rタグと通常の赤タブの違いは社名の有無のみ
- リーバイス rタグのデザインは時代によって微妙に変化している
リーバイス rタグは「サークルR」や「ブランクタブ」とも呼ばれる
リーバイスのジーンズやジャケットのバックポケットについている赤いタブの中で、「Levi’s」という社名が入らず「®」(レジスターマーク)のみが表示されているものを「rタグ」と呼びます。このタグは「サークルR」「ブランクタブ」「レジスターマークのみ」「マルR」など様々な呼び名で親しまれています。
独自調査の結果、正式名称については明確に定められていないようですが、アメリカのリーバイス本社では主に「blank tab(ブランクタブ)」または「blank red tab」と呼んでいるとのことです。ただし、完全に空白(ブランク)というわけではなく、®マークが入っているため「with just the ® symbol」と補足説明されることもあります。
デニムファンやヴィンテージ収集家の間では「サークルR」という呼び名が一般的で、日本では「rタグ」という表現も広く使われています。リーバイスの長い歴史の中で、このような特殊なタグは年代判別の重要な手がかりにもなっています。
通常の赤タブとは一目で区別がつくため、古着店でリーバイス製品を見かけた際は、バックポケットのタブをチェックしてみるとよいでしょう。思わぬレア品に出会えるかもしれません。
サークルRタブは見た目が独特であるためコレクターからの注目度も高く、リーバイスの歴史を語る上でも興味深い要素の一つです。
リーバイス rタグが生まれた理由はタブそのものの商標登録を示すため
なぜリーバイスは一部の製品に社名の入らないrタグを付けているのでしょうか?これには明確な意図があります。リーバイス社の公式見解によると、rタグの存在理由は「タブそのものがリーバイスの商標登録であることを示すため」とされています。
つまり、タブにLevi’sと書かれているテキスト自体が商標登録されているのではなく、ジーンズのバックポケットに付いている「赤いタブ」そのものがリーバイスの商標であるという事実を示すために、あえて社名を入れずに®マークのみのバージョンを含めているのです。
これはブランドアイデンティティを保護する観点から非常に興味深い手法です。リーバイスは1936年頃からこの赤タブを使い始め、デニム市場において強力なビジュアルアイデンティティを確立しました。赤いタブを見ただけでリーバイス製品だと認識できるような強いブランドイメージを築いています。
そのため、たとえ社名が書かれていなくても、赤いタブそのものがリーバイスの象徴であり、保護すべき商標であるという意識を広めるための工夫と考えられます。他社が似たようなタブを使用すれば商標権侵害になるという明確な意思表示でもあるのです。
現代のブランディング戦略の視点から見ても、非常に先進的な考え方だといえるでしょう。他のアパレルブランドでもこのような戦略はあまり見られず、リーバイスならではの独自性を感じさせます。
リーバイス rタグの出現頻度は全体の約10%と言われている
リーバイスのrタグ(サークルR)はどのくらいの頻度で製造されているのでしょうか?リーバイス社によると、ブランクタブ(rタグ)の割合は全体の「約10%」だとされています。つまり、10本に1本程度の確率でrタグが付いた製品が製造されていることになります。
この割合は現代(特に80年代以降)の製品に関しては概ね一致していると考えられています。実際に古着店などで現行に近いモデルを見ていると、おおよそこの割合でrタグが見つかることが多いようです。
しかし、時代によってこの出現率は変動していたようです。独自調査によると、70年代頃のrタグの出現率は現代より少なく、全体の数%から5%程度だったとされています。さらに60年代以前になると非常に稀で、特に501XX期のrタグは極めて希少だったと考えられています。
製造工程の観点から見ると、一説には赤タブ製造ロットのつなぎ目に当たる部分を使用した結果、一定の確率でrタグが生まれるという説もあります。また、生産・在庫管理のために意図的に一定の割合で異なるタグを付けているという見方もあります。
リーバイスには多くの工場があり、時代や地域によって製造方法も異なるため、完全に統一された見解はありませんが、いずれにせよ、rタグは偶然ではなく意図的に一定の割合で製造されていると考えるのが妥当でしょう。
リーバイスマニアの間では、このランダム性も含めて楽しむ要素となっており、「運良くrタグに出会えた」という喜びを感じる人も多いようです。

リーバイス rタグは1960年代から稀に存在していた
リーバイスのrタグ(サークルR)はいつ頃から存在していたのでしょうか?この点については諸説ありますが、複数の情報源を総合すると、少なくとも1960年代初頭の501XX期から稀に存在していたことがわかっています。
リーバイス本社のブログでは「80年代からだと思う」という回答があったという情報もありますが、実際には60年代初頭の501ZXXにrタグが付いていたという証言も確認されています。ただし、この時期のrタグは非常に稀で、多くのヴィンテージコレクターでさえ見たことがないほど希少だったようです。
70年代に入ると、rタグの出現頻度が徐々に増え、66期(70年代)の製品ではしばしばrタグを見かけるようになります。80年代以降は現在の約10%という割合に定着したと考えられています。
興味深いのは、時代によってrタグのデザインも微妙に変化していることです。60年代初頭のZXXに付いていたというrタグは、現代のものとは®マークの位置や大きさが若干異なり、「LEVISの文字だけがない感じ」と表現されています。
ただし注意すべき点として、タブは後付けされたり交換されたりする場合もあるため、実物を見ないと確実なことは言えません。特に希少価値の高い古いモデルでは、タブが破損した場合に後から付け直された可能性もあります。
歴史的資料としての価値も高いrタグですが、特に古い年代のものについては、オリジナルかどうかの見極めが重要になってきます。
リーバイス rタグと通常の赤タブの違いは社名の有無のみ
リーバイスのrタグ(サークルR)と通常の赤タブの違いは、基本的に「社名(Levi’s)の表記があるかないか」という点のみです。色や形状、取り付け位置などその他の要素は基本的に同じであり、品質や製造工程に違いはありません。
通常の赤タブには「LEVI’S」または「Levi’s」(時代によって表記が変わります)という社名が刺繍されていますが、rタグにはこの社名がなく、®マーク(レジスターマーク)のみが表示されています。
興味深いのは、両面タブの場合、裏側も含めてLevi’sの表記がなく、®マークのみになっているという点です。また、プリントタイプの赤タブでも同様に、社名がなく®マークのみのrタグが存在します。
なお、60年代初頭のZXXに付いていたというrタグは、現代のものとは®マークの位置が若干異なり、「タブの下の方にあるのは変わりありませんが、タブ外側の方にある」と表現されています。このように、時代によって微妙なデザインの違いはあるものの、基本的なコンセプトは変わっていません。
リーバイスマニアの間では、この微妙な違いを楽しむ文化があり、「rタグが付いていると得した気分になる」という声も多く聞かれます。ただし、70505などのジャケットでrタグが付いていると、ビッグEかどうかの判別が難しくなるという欠点もあるようです。
いずれにせよ、rタグは通常の赤タブと同様、正規のリーバイス製品に付けられているものであり、偽物ではないことは押さえておきましょう。
リーバイス rタグのデザインは時代によって微妙に変化している
リーバイスのrタグ(サークルR)は長い歴史の中で、微妙にデザインが変化してきました。これらの違いは年代判別の手がかりにもなるため、ヴィンテージデニムファンにとっては貴重な情報です。
1960年代初頭のrタグは、現代のものとは®マークの位置や大きさが異なっていたようです。当時のrタグは「タブの下の方にあるのは変わりありませんが、タブ外側の方にあります」と表現されており、「LEVISの文字だけがない感じ」という特徴がありました。これは極めて希少なタイプです。
70年代以降のrタグでは、®マークの位置が安定し、現在見られるような形になりました。通常の赤タブの変遷に合わせて、rタグも時代によって微妙に素材やデザインが変化しています。
また、リーバイスの赤タブ自体も時代によって変化しており、それに伴いrタグも変化しています:
- 1936年〜1952年:片面タブ(片面だけに刺繍、レジスターマークなし)
- 1953年〜1960年代前半:両面タブ・均等V(LEVI’SのVが均等)、®マーク追加
- 1960年代前半〜1966年:両面タブ・不均等V(LEVI’SのVが不均等)
- 1966年〜1974年:ビッグE(LEVI’S表記)
- 1974年〜1982年頃:スモールe(Levi’s表記)、刺繍タイプ
- 1982年以降:プリントタイプ
それぞれの時代のデザインに合わせて、rタグも変化しているため、例えば「ビッグE時代のrタグ」や「スモールe時代のrタグ」などの違いがあります。
特に注目すべきは、80年代以降に登場するプリントタイプのrタグです。これは刺繍のように見せた立体的なプリント技術で作られており、経年劣化によってプリントが剥がれてしまうこともあります。古着で文字が全く見えないタブを見かけた場合は、このプリントが完全に剥がれた可能性もあります。
これらの微妙な違いを理解しておくことで、ヴィンテージリーバイスの鑑定や年代判別の精度を高めることができます。

リーバイス rタグの価値とレア度
- リーバイス rタグは特にXX期のものが非常に希少価値が高い
- リーバイス rタグの価値を左右する要素は年代と状態
- リーバイス rタグ付きジーンズの市場価格は通常より高めの傾向がある
- リーバイス rタグのコレクターズアイテムとしての魅力
- リーバイス rタグを見分ける際の注意点と偽物の見分け方
- リーバイス rタグ以外にも存在する特殊な赤タブの種類
- まとめ:リーバイス rタグは確かにレアだが価値はモデルや状態にも左右される
リーバイス rタグは特にXX期のものが非常に希少価値が高い
リーバイスのrタグ(サークルR)は、時代によって希少性や価値が大きく異なります。特に注目すべきは501XX期(1950〜60年代)のrタグで、これは非常に希少価値が高いとされています。
501XX期とはリーバイスの黄金期と呼ばれる時代で、デニムの生地や縫製、ディテールなどが最も高品質だったとされる時期です。この時代のリーバイスには「XX」という記号が付けられており、特に質の高い綿花を使用した証でもありました。
この501XX期にrタグが付いたモデルは極めて稀で、当時すでに製造数が少なかったと考えられています。ヴィンテージデニムの専門家の証言によれば、「ただでさえ貴重なXXを何十、百と見ても数える程しかない程の現存数」と表現されるほど希少です。
特に66期以前(1966年以前)のビッグE時代のrタグは、マニアの間で「伝説的」と形容されるほど貴重です。実際、多くのヴィンテージコレクターでさえ実物を見たことがないという証言もあります。
年代別に希少度を整理すると:
- 50〜60年代初期(XX期)のrタグ:極めて希少(圧倒的レア)
- 66期〜70年代のrタグ:かなり希少(全体の数%程度)
- 80年代以降のrタグ:一定の希少性あり(全体の約10%)
特にジーンズだけでなく、70505などのデニムジャケットにrタグが付いたものも高い価値を持っています。「XX時代のデニムにこのサークルRの赤タブが付く物は極めて珍しく」という表現からも、そのレア度の高さがうかがえます。
ヴィンテージデニムの収集家やマニアにとって、XX期のrタグ付きリーバイスは「聖杯」的な存在と言っても過言ではないでしょう。見つけたら非常に価値のある掘り出し物と考えてよいでしょう。
リーバイス rタグの価値を左右する要素は年代と状態
リーバイスのrタグ(サークルR)付き製品の価値は、単にrタグが付いているという事実だけで決まるわけではありません。実際には、複数の要素が組み合わさって最終的な価値が決まります。主な価値を左右する要素は以下の通りです。
1. 製造年代 最も価値を左右するのは製造年代です。前述の通り、501XX期(1950〜60年代)のrタグは極めて希少で価値が高くなります。一般的に、古いものほど希少価値が高まる傾向があります。
年代 | 価値評価 |
---|---|
1950〜60年代初期 | 極めて高価(特にXX期) |
1966〜70年代 | 高価(特にビッグE期) |
80年代 | 一定の価値あり |
90年代以降 | 通常品とあまり変わらない |
2. モデル・型番 同じrタグでも、人気モデルか否かで価値が変わります。501(特にXX期)、505、66モデルなどの人気モデルはより価値が高くなる傾向があります。
3. コンディション ヴィンテージデニムの価値は、その状態に大きく左右されます。特に以下のポイントがチェックされます:
- 破れや解れがないか
- 色落ちの状態(自然な経年変化か)
- リペア(修理)の有無と質
- パッチ(革ラベル)の状態
- 全体的な使用感
4. 特殊なディテール rタグ以外にも、その製品特有の希少なディテールがあるかどうかも重要です。例えば:
- 赤耳デニム(セルビッジ)
- 隠しリベット
- 均等Vステッチ
- 特殊なボタン(足長Rなど)
5. サイズ 希少なヴィンテージでも、現代人が着用できる一般的なサイズの方が価値が高くなる傾向があります。特にウエスト30〜34インチくらいのサイズは人気があります。
これらの要素が複合的に絡み合って、最終的な市場価値が決まります。例えば、1960年代のXX期501にrタグが付いていて、状態も良好であれば、非常に高価な掘り出し物といえるでしょう。一方で、2000年代以降のrタグ付きデニムは、通常品とそれほど価格差がないことが多いです。
ヴィンテージリーバイスの収集家にとって、良いコンディションのrタグ付きXX期モデルは「天井知らず」の価値を持つ可能性もあります。
リーバイス rタグ付きジーンズの市場価格は通常より高めの傾向がある
リーバイスのrタグ(サークルR)付きジーンズは、通常の赤タブが付いたモデルと比較して、市場価格が高くなる傾向があります。ただし、その価格差は年代やモデル、状態などによって大きく異なります。
年代別の価格傾向
- 1950〜60年代初期(XX期) XX期のrタグ付きジーンズは、通常の赤タブモデルと比較して、価格が1.5〜3倍程度高くなることもあります。特に状態の良い501XXなどは、コレクターズアイテムとして非常に高値で取引されることがあります。
- 1966〜70年代(ビッグE期) ビッグE期のrタグ付きジーンズも高い評価を受けており、通常モデルより2割〜5割程度高い価格で取引されることが多いです。
- 80年代 80年代のrタグ付きジーンズは、通常モデルより1〜2割程度高いことが多いですが、特に希少なディテール(赤耳デニムなど)と組み合わさっている場合はさらに価値が高まります。
- 90年代以降 比較的新しいモデルでは、rタグがあるだけで大きく価格が上がることは少ないですが、それでも同モデルの通常版より若干(5〜10%程度)高く取引されることがあります。
実際の例として、記事中に紹介されていた「脇割り、黒カン、インシームシングルの1981年頃の501でブランクタブ」のW34×L32のデッドストックは38,500円という価格設定でした。このモデルは「希少性はかなり高い」と評価されており、「価格的には妥当な範囲の上の方」という専門家の意見が示されていました。
当時の基準で考えると、通常の赤タブモデルより数千円〜1万円程度高い価格設定だったと推測されます。
マニアの間ではrタグは「レア感」があるとして人気があり、「ブランクタブが付いていると得した気分になる」という表現もあるほどです。ただし「若干レア」程度の認識であり、モデルや状態などの他の要素と組み合わさってこそ価値が高まるという点は重要です。
最終的には、ヴィンテージデニム市場の需要と供給のバランス、そして購入者の個人的な価値観によって価格は変動します。しかし、同じ条件であればrタグ付きモデルの方が高値で取引される傾向は明らかです。
リーバイス rタグのコレクターズアイテムとしての魅力
リーバイスのrタグ(サークルR)付き製品は、デニムコレクターやヴィンテージファッション愛好家の間で特別な魅力を持っています。その魅力の源泉は以下のようなポイントにあります。
1. 希少性によるプレミアム感 全体の約10%(時代によってはさらに少ない)という限られた生産数がプレミアム感を生み出しています。特に古い年代のrタグは極めて希少で、「XX時代のデニムにこのサークルRの赤タブが付く物は極めて珍しく、ただでさえ貴重なXXを何十、百と見ても数える程しかない程の現存数」と表現されるほどです。
2. 偶然性と運の要素 rタグは意図的に混ぜて製造されているため、どの製品にrタグが付くかは予測できません。この「当たり」のような要素が、宝くじ的な楽しさを提供しています。「80年代以降の製品で、このタブが付いていると得した気分になる」という声に、その特別感が表れています。
3. 歴史的・資料的価値 リーバイスの長い歴史の中でrタグがどのように変化してきたかを追うことで、デニムの歴史や製造技術の変遷を知ることができます。「マニアの方も資料としても価値のある1本かもしれませんね」という表現からも、その歴史的価値がうかがえます。
4. 話題性と共有する楽しさ rタグはマニアの間での話題になりやすく、同好の士と語り合うネタとしても価値があります。「そんな角度からリーバイスのヴィンテージデニムをご覧になられても面白いのではないでしょうか!」という表現に、コレクションを通じた交流の楽しさが表れています。
5. ミステリアスな背景 rタグの出現理由には諸説あり、その謎めいた背景も魅力の一つです。タブそのものが商標であることを示すためという公式見解がある一方で、「生産・在庫管理のために」「赤タブ製造ロットのつなぎ目に当たる部分を使用した」などの説もあり、謎解きのような楽しさがあります。
6. ビジュアルの魅力 rタグは通常の赤タブと比べてすっきりとしたデザインで、ミニマルな美しさがあります。特に60年代のrタグは「通常のネーム入りタグと同じ大きさ位のRマーク」という特徴があり、年代によって微妙に異なるデザインも収集の面白さを増しています。
コレクターにとって、rタグ付きリーバイスは「これ以上自分好みのものはない!!」と思えるような特別なアイテムになり得ます。実際、「これをさらに上回るものに出会ったりしたりする場合もあります。でも、そんなことがあっても、『(その前に買ったものを)買わなければ良かった』と後悔した事は、自分の場合はありません」という証言にも、コレクションとしての魅力の大きさが表れています。
リーバイス rタグを見分ける際の注意点と偽物の見分け方
リーバイスのrタグ(サークルR)を見分ける際には、いくつかの注意点があります。また、希少性から偽物が作られる可能性もあるため、本物かどうかを見極めるポイントも押さえておきましょう。
rタグの基本的な見分け方
- タブの色と形状:本物のrタグは、通常の赤タブと同じ赤色で、形状も同じです。色合いや形に違和感がある場合は注意が必要です。
- ®マークの位置と大きさ:時代によって®マークの位置や大きさが異なります。60年代初頭のものは「タブの下の方にあるのは変わりありませんが、タブ外側の方にある」という特徴があります。
- 刺繍かプリントか:1982年以前のものは刺繍タイプで、それ以降はプリントタイプが主流です。刺繍タイプは糸の立体感があり、プリントタイプは表面が平らです。
注意すべき点
- 後付けの可能性:「タブは後付けされたりすることもあるので、実物を見ないと個人的には何とも言えません」という専門家の指摘があるように、特に古いモデルではタブが後から付け直されている可能性があります。
- ステッチの確認:タブ周辺のステッチが他の部分と微妙に異なる場合、後付けの可能性があります。「フラップ部のタブ付近のステッチがよく見ると他の箇所と微妙に違っていました」という指摘は、この点を示しています。
- 退色による誤認:「初期のタブでも退色して真っ白になる白タブ等もあり」という指摘のように、極度に退色した赤タブを特殊なタブだと誤認する可能性もあります。
偽物の見分け方
- 総合的な年代判別:rタグだけでなく、ボタン裏の刻印、パッチ(革ラベル)のデザイン、リベットの種類、ステッチのパターンなど、複数の要素から総合的に年代判別を行い、矛盾がないか確認します。
- ディテールの整合性:例えば、1960年代のrタグなのに1980年代のデザインの内タグが付いているなど、各パーツの年代感に矛盾がある場合は注意が必要です。
- 品質の確認:本物のリーバイスは、縫製や素材の品質が高いです。縫い目が雑だったり、デニム地の質感に違和感がある場合は偽物の可能性があります。
- 専門家の意見:確信が持てない場合は、ヴィンテージデニムの専門家や信頼できる古着店に相談するのが確実です。
リーバイスのrタグは確かに希少ですが、「レア」というだけで高額購入を急ぐ前に、上記のポイントをしっかり確認することが大切です。特に高価なヴィンテージモデルを購入する際は、慎重な判断が求められます。
リーバイス rタグ以外にも存在する特殊な赤タブの種類
リーバイスのrタグ(サークルR)は特殊なタブの一種ですが、実はリーバイスには他にもいくつかの特徴的なタブが存在します。これらを知っておくことで、ヴィンテージリーバイスへの理解がさらに深まるでしょう。
1. オレンジタブ 1960〜70年代に登場した、比較的リーズナブルな価格帯のラインに使用されたオレンジ色のタブです。主に若者向けの廉価版として位置づけられていました。現在ではヴィンテージとしての価値があり、特に60年代のオレンジタブは人気があります。
2. 白タブ(ホワイトタブ) 1970〜80年代に登場し、主に非デニム素材の製品(コーデュロイやチノなど)に使用されました。デニム以外の素材向けとして、ワークを想定していないカジュアルパンツに付けられることが多かったです。
3. 黒タブ(ブラックタブ) 混紡素材(ポリエステルとコットンの混紡など)に使われるタブで、主にスタプレ(スタイリッシュなプレスドパンツ)に取り付けられていました。
4. シルバータブ 1990年代に人気だったストリート・ヒップホップテイストのラインで、銀色のタブが特徴です。ゆったりとしたバギーフィットが特徴的でした。
5. 初期の片面タブ 1936年〜1952年頃に使用された、片面だけに「LEVI’S」の刺繍があるタブです。裏面には何も刺繍されておらず、レジスターマーク(®)もありませんでした。ヴィンテージコレクターにとって非常に価値の高いアイテムです。
6. ビッグEタブ 1966年以前の赤タブで、「LEVI’S」と大文字表記されています。1966年以降は「Levi’s」と小文字の「e」に変更されたため、ビッグEタブは古いモデルの証となります。ヴィンテージ市場で高い価値を持っています。
7. 均等Vタブ 1953年〜1960年代前半に使用された赤タブで、「LEVI’S」の「V」の字が左右対称(均等)になっているのが特徴です。1960年代後半以降は「V」の右側が細くなる不均等デザインに変更されました。
8. プリントタブ 1982年頃から登場した、刺繍ではなく立体的なプリント技術で文字が表現されたタブです。経年劣化によってプリントが剥がれることもあります。
これらの特殊なタブは、それぞれの時代背景や用途を反映しており、リーバイスの歴史を語る上で重要な要素となっています。コレクターや古着愛好家にとっては、これらの違いを見分けることがヴィンテージデニムの楽しみの一つとなっています。
また、タブの色や形状以外にも、「ビッグE」か「スモールe」か、「均等V」か「不均等V」かといった細かな違いも、年代判別の重要な手がかりとなっています。

まとめ:リーバイス rタグは確かにレアだが価値はモデルや状態にも左右される
リーバイスのrタグ(サークルR)について、その特徴や価値、歴史から見分け方まで詳しく見てきました。ここでは記事全体のポイントを整理しておきましょう。
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイスのrタグは「サークルR」や「ブランクタブ」とも呼ばれ、社名がなく®マークのみが表示されている特殊なタブである
- rタグが生まれた理由はタブそのものがリーバイスの商標登録であることを示すためとされている
- rタグの出現頻度は現代では約10%、70年代は数%〜5%程度、60年代以前はさらに稀だった
- 少なくとも1960年代初頭の501XX期から稀に存在していたことが確認されている
- rタグと通常の赤タブの違いは基本的に社名の有無のみで、品質や製造工程に違いはない
- 時代によってrタグのデザインも微妙に変化しており、®マークの位置や大きさが異なる
- XX期(1950〜60年代)のrタグは極めて希少で、高い価値を持つ
- rタグの価値は年代、モデル、状態、特殊なディテール、サイズなど複合的な要素で決まる
- 市場価格は通常の赤タブモデルより高めの傾向があるが、その差は年代によって大きく異なる
- コレクターにとってのrタグの魅力は希少性、偶然性、歴史的価値、話題性、ミステリアスな背景など多岐にわたる
- rタグを見分ける際は後付けの可能性や退色による誤認に注意し、複数の要素から総合的に判断することが重要
- リーバイスにはrタグ以外にもオレンジタブ、白タブ、黒タブなど様々な特殊なタブが存在する
- ヴィンテージデニムとしての価値判断には、タブの種類だけでなく総合的な状態や希少なディテールの有無が重要である
- rタグは確かにレアだが、それだけで大きな価値があるわけではなく、モデルや状態といった他の要素も重要
- 古着店でリーバイス製品を見かけた際は、バックポケットのタブをチェックする習慣をつけると掘り出し物に出会えるかもしれない
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13113316708
- https://magnetsco.exblog.jp/22071833/
- https://www.double-heart.jp/blog/staff_diary/6345/
- https://www.bizexlimited.com/224027055.phtml
- https://ameblo.jp/faith-and-trust/entry-10779254956.html
- https://misslona.com/shopdetail/17117816
- https://www.shinryo-hoshu.com/shopdetail/2916112
- https://iridakroof.com/637289413.html
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://go-cleaning.com/product/edit/SFMDA6235971