古着市場で人気の高いリーバイス。特に80年代のモデルは、現在でも高い人気を誇る「ネクストヴィンテージ」と呼ばれるアイテムです。しかし、「このジーンズは本当に80年代のものなのか?」と迷うことも少なくないでしょう。
この記事では、リーバイスの80年代モデルを見分けるための具体的なポイントを詳しく解説します。ボタン裏の刻印番号、内タグの特徴、赤タブのデザイン、赤耳(セルビッジ)の有無など、80年代リーバイスの特徴を細かく分析し、他の年代との違いも明確にしていきます。これを読めば、古着屋やフリマアプリで本物の80年代リーバイスを見つける力が身につくはずです。

記事のポイント!
- ボタン裏刻印や内タグの特徴から80年代リーバイスを見分ける方法
- 80年代特有の「赤耳」や「赤文字パッチ」などの特徴と価値
- 70年代モデルと80年代モデル、90年代モデルとの違い
- 80年代リーバイスの中でも前期と後期の違いと見分け方
リーバイスの80年代モデルの見分け方と特徴
- 80年代のリーバイスはボタン裏刻印が3桁であることが多い
- 内タグの特徴から80年代前半と後半を見分けることができる
- 80年代のリーバイスは「スモールe」の赤タブが特徴
- バックポケットのステッチはチェーンステッチが主流に
- 80年代中盤までは赤耳(セルビッジ)デニムが使用されていた
- パッチのLOT番号の表記色で年代判別が可能
80年代のリーバイスはボタン裏刻印が3桁であることが多い
リーバイスのジーンズを年代判別する上で最も分かりやすい指標のひとつが、トップボタン裏の刻印です。独自調査の結果、80年代のリーバイスは基本的に「3桁の数字」が刻印されていることが特徴です。
50〜70年代のリーバイスはアルファベット1文字や数字1〜2桁の刻印が主流でした。例えば、「A」「D」「E」「F」「J」などのアルファベットや、「2」「4」「5」などの一桁数字、あるいは「16」「17」「20」などの二桁数字が使われていました。
しかし80年代に入ると、「501」「513」「515」「522」「524」「527」などの3桁数字に変わります。これは工場番号を表しているとされており、数字の最初の「5」はリーバイス社の工場を意味し、「6」から始まる番号(例:「624」「650」「653」など)は社外工場を示すと言われています。
特に「555」の刻印は、バレンシア工場(1996年〜2003年稼働)で製造されたもので人気が高く、「524」はエルパソ工場(旧6工場と呼ばれる)の製品です。これらの工場番号を覚えておくと、古着店で手に取ったときにすぐ判別できるようになります。
なお、ボタン裏の刻印は摩耗や錆びで見えにくくなっていることもあるため、他の特徴と合わせて判断するのがベストです。また、近年の復刻モデルではアルファベット+数字の組み合わせが使われていることもあるので、その点も注意が必要です。
内タグの特徴から80年代前半と後半を見分けることができる
80年代のリーバイスを見分ける上で非常に重要な手がかりとなるのが、内タグです。内タグは73年頃から付けられるようになりましたが、80年代には特徴的な変化がありました。
80年代前半(〜85年頃)の内タグ特徴:
- 横長の長方形の形状
- 製造工場番号、製造年、製造月が記載されている
- 製造年は2桁で表記(例:「82」は1982年を意味する)
- インクでスタンプのように印字されている
80年代後半(85年頃〜)の内タグ特徴:
- 同じく横長の長方形だが、記載内容が増え、7行になる
- 6行目に工場番号、7行目に製造年月が記載
- 製造年は下1桁のみの表記になる(例:「7」は1987年を意味する)
- 製造月と製造年の数字が繋がって表記される(例:「107」は10月7年=1987年10月を意味する)
- 染み込みプリントのような印字方法に変化
これらの違いを把握しておくと、80年代の前半と後半のモデルを区別することができます。またこの内タグの記載方法は、工場番号と製造年月を確認できるため年代判別の決め手になることが多いです。
なお、内タグが残っていない場合は、次に紹介する赤タブやその他の特徴から年代を推測することになります。古着を購入する際には、可能であれば内タグをチェックすることをおすすめします。
80年代のリーバイスは「スモールe」の赤タブが特徴
リーバイスといえば、バックポケットについている赤いタブ(レッドタブ)が象徴的ですが、この赤タブのデザインも年代によって変化しています。80年代のリーバイスを見分ける上で重要なポイントとなるのが「スモールe」の存在です。
リーバイスの赤タブは、大きく分けて以下のような変遷をたどっています:
- 1936年〜1952年頃:片面タブ(片面にのみLEVI’Sの表記)
- 1953年〜1964年頃:両面ビッグE、均等V(LEVI’Sの「E」が大文字、「V」が左右均等)
- 1965年〜1974年頃:両面ビッグE、不均等V(「E」が大文字、「V」の右側のみ細い)
- 1974年〜現在:両面スモールe(「E」が小文字になり「Levi’s」と表記)
80年代のリーバイスは、この「スモールe」の時代に該当します。つまり、赤タブに「LeVI’S」と表記されていれば、1974年以降のモデルであることが分かります。
さらに細かく見ると、80年代の赤タブには以下のような特徴があります:
- 両面に「Levi’s」の表記がある
- 「e」が小文字になっている
- 「V」の字は右側のみが細くなっている不均等な形
- 「®」(レジスターマーク)が付いている
90年代に入ると赤タブのデザインに若干の変化が見られ、Vの文字の右側だけがさらに細くなるタイプも登場します。このような微妙な違いも、年代判別の手がかりになるでしょう。
なお、80年代には通常の赤タブ以外に、「オレンジタブ」と呼ばれるバリエーションも存在します。これは1960〜70年代に登場した廉価ラインで、80年代にもその傾向は続いていました。

バックポケットのステッチはチェーンステッチが主流に
リーバイスのバックポケットに施されるステッチも、年代を判別する重要な手がかりとなります。特に、バックポケットの内側の縫い目(折り返し部分)のステッチパターンは年代によって変化しています。
70年代後半まで:シングルステッチ 70年代後半までのモデルでは、バックポケット入口の折り返し部分はシングルステッチで縫製されていました。このステッチは一本の糸で縫われており、裏側から見ると直線的な縫い目になっています。
70年代後半以降:チェーンステッチ 1977年頃を境に、バックポケットの折り返し部分の縫製がチェーンステッチに変更されました。チェーンステッチは名前の通り鎖のような形状をしており、伸縮性があってデニム特有のアタリ(擦れや色落ち)が出やすいことから採用されたと言われています。
つまり、80年代のリーバイスのほとんどはバックポケット裏がチェーンステッチで縫われていることになります。ただし、80年代初頭のモデル(通称「ハチマル」)には、製造時期によってシングルステッチが使われているものもあります。
リーバイスマニアの間では、この縫製の違いによって「66前期」(シングルステッチ)と「66後期」(チェーンステッチ)という区分けがされることもあります。「66」という名称は、バックポケットについていたフラッシャー(紙ラベル)に記載された「©1966」の表示に由来しています。
また、裾の縫製もチェックポイントで、80年代前半まではシングルステッチ、その後はチェーンステッチが主流になっていきましたが、裾は後から裾上げされている場合もあるため、年代判別の決め手にはなりにくい点に注意が必要です。
80年代中盤までは赤耳(セルビッジ)デニムが使用されていた
リーバイス愛好家の間で高い人気を誇る「赤耳」(セルビッジ)デニム。これは生地の端(耳)部分に赤い糸が織り込まれている特徴的なデニム生地のことで、創業当初から使用されていました。しかし、この赤耳デニムの使用は1986年頃に終了したとされています。
セルビッジデニムはシャトル織機という伝統的な織機で織られたデニム生地で、端が解れにくいという特徴があります。生地の端に赤い糸が使われているため、ジーンズの場合は裾を折り返すと赤い線が見える形になります。この「赤耳」の有無も、80年代のリーバイスを見分ける重要なポイントです。
赤耳デニムの特徴:
- 生地の端(アウトシーム側)に赤い糸が入っている
- 生地が丈夫で経年変化による味わいが出やすい
- ジーンズの幅が細め(シャトル織機の幅に制限があるため)
80年代のリーバイスは、前半(〜1986年頃まで)は赤耳デニムが使用されており、それ以降は赤耳のない生地に変わりました。特に、1980年代前半のリーバイス501は「赤耳、脇割り、ハチマル」と呼ばれることもあります。「脇割り」とは縫製方法のひとつで、アウトシームが2本の縫い目で縫われていることを指します。
赤耳が付いたリーバイスは現在でも高い人気と価値があり、特に80年代の「赤耳」モデルは良好な色落ちとシルエットから多くのデニムファンに支持されています。なお、「赤耳」が付いたモデルは主に501が知られていますが、505などの他のモデルでも稀に存在することがあります。
1986年以降のリーバイスは、より幅広のデニム生地を使用するため赤耳がなくなり、代わりに端部にほつれ止め処理が施されています。この違いも、80年代前半と後半のモデルを見分ける手がかりになります。
パッチのLOT番号の表記色で年代判別が可能
リーバイスの腰部分に付いているパッチ(紙ラベル)もまた、年代判別の重要な手がかりとなります。80年代のパッチには特徴的な変化があり、特にLOT番号(品番)の表記色が年代によって異なります。
80年代前期(〜87年頃)のパッチ特徴:
- CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENTの文字が黒字でスタンプされている
- LOT番号(501など)も黒字で表記
- 内タグが付いていることを示すCARE~の表記は70年代から始まった
80年代後期(87年頃〜)のパッチ特徴:
- CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENTの文字が赤プリントに変化
- LOT番号(501など)が赤字の中太または太字で印刷されるようになる
- 赤文字の特徴から「87赤文字」などと呼ばれることも
このパッチの変化は80年代のリーバイスを前期と後期に分ける重要なポイントで、コレクターの間では「赤文字」のパッチが付いたモデルは「87-501赤文字」などと呼ばれて区別されています。
また、パッチに「501XX」と表記されているものは1966年以前のモデルで、80年代のものには「501」とだけ記載されています。さらに、パッチに「made in USA」の表記があれば、2003年以前の製品であることが確認できます(米国工場は2003年に閉鎖)。
80年代の紙パッチは経年劣化で印字が薄くなっていたり破損していることもあるため、他の特徴と合わせて総合的に判断することが大切です。また、「xx」の表記があるものは、リジッド(未洗い)デニムを意味しています。
リーバイスの古着を購入する際には、このパッチの特徴を確認し、さらに内タグやボタン裏の刻印、赤タブなどの複数の要素を照らし合わせることで、より正確な年代判別が可能になります。

リーバイスの80年代モデルと他年代との違いや価値
- 80年代のリーバイス「赤耳」モデルは現在高い人気を誇る
- 80年代前半のモデルは「ハチマル」と呼ばれることも
- 80年代後半からは「赤文字」と呼ばれる特徴的なパッチデザインに
- 505など501以外の80年代モデルもコレクション価値が高まっている
- ジッパーの種類と特徴から製造年代を特定する方法
- 80年代と比較した70年代モデル「66モデル」の特徴
- まとめ:リーバイス80年代モデルの見分け方と魅力
80年代のリーバイス「赤耳」モデルは現在高い人気を誇る
リーバイスの80年代モデル、特に1986年以前の「赤耳」モデルは、現在のヴィンテージデニム市場で高い人気と価値を持っています。これには複数の理由があります。
まず、赤耳デニムの持つ独特の風合いと経年変化の美しさが挙げられます。シャトル織機で織られた赤耳デニムは、現代の大量生産されるデニムとは織り方が異なり、糸の緊張度にムラがあるため、着用と洗濯を繰り返すことで独特の「縦落ち」と呼ばれる色落ちパターンが生まれます。80年代の赤耳リーバイスは、この縦落ちが特に美しいと評価されています。
また、シルエットの良さも80年代リーバイスの魅力です。脚のラインに沿って自然に細くなるテーパードシルエットは、現代のファッションにも合わせやすく、多くのデニムファンに支持されています。特に80年代のリーバイス501は「シルエットが最も美しい時代」と評される傾向があります。
さらに、80年代は米国製リーバイスの黄金期とも言える時代で、品質の高さも特徴です。2003年に米国内の工場がすべて閉鎖された後は、海外生産に移行していったため、「最後の米国製黄金期」としての価値も持っています。
なお、状態の良い80年代赤耳501は、現在のマーケットで2万円前後から取引されることが多く、特に保存状態が良いものや人気の高い工場で製造されたもの(例:555工場製など)は、それ以上の価格がつくこともあります。コレクターにとっては、年代や製造工場、状態などの要素が価値を左右する重要な基準となっています。
80年代前半のモデルは「ハチマル」と呼ばれることも
80年代前半(1980年〜1987年頃)のリーバイス501は、コレクターやデニムファンの間で「ハチマル」(80、八〇と表記することもある)と親しみを込めて呼ばれることがあります。この「ハチマル」には、いくつかの特徴的な要素があります。
「ハチマル」の主な特徴は以下の通りです:
- パッチのCARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENTの文字が黒スタンプ
- LOT番号(501など)も黒字で表記
- 赤耳(セルビッジ)デニムを使用
- 脇割り(アウトシームが2本の縫い目)
- スモールeの赤タブ
- 一部にはティアオフタグ(切り取り式のタグ)が付いたものも
「ハチマル」と呼ばれる理由は、1980年代という時代を表す「80」からきていると考えられます。特に初期の「ハチマル」(1980年〜1984年頃)は、70年代後期モデルの流れを汲んだディテールと、80年代独自の特徴が混在しているため、デニムファンの間では一つの区分として認識されています。
また、「ハチマル」の中でも、「赤耳」が付いたモデルは特に人気が高く、色落ちの良さとシルエットの美しさから高く評価されています。1986年以降は赤耳デニムの使用が終了したため、「赤耳ハチマル」は限られた年代のみのモデルとなります。
なお、「ハチマル」という呼称はあくまでもコレクターの間での通称であり、リーバイス社の公式な区分けではありません。しかし、この時代のリーバイスが持つ独特の魅力から、多くのデニム愛好家に親しまれている呼び名です。
80年代後半からは「赤文字」と呼ばれる特徴的なパッチデザインに
80年代後半(1987年頃〜)のリーバイスは、パッチデザインの変化から「赤文字」モデルと呼ばれることがあります。この呼称は、パッチに印刷されたLOT番号(501など)の文字色が赤色に変わったことに由来しています。
「赤文字」モデルの主な特徴は以下の通りです:
- CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENTの文字が赤色のプリントに変化
- LOT番号(501など)が赤色の太字または中太字で印刷
- ロゴタグのデザインが変更(内タグのロゴ部分)
- 赤耳(セルビッジ)は基本的に無くなり、端部はほつれ止め処理
- 「xx」入りのモデル(例:501xx)はリジッド(未洗い)デニムを意味する
「赤文字」モデルはさらに細かく区分けすると、初期(87年頃〜90年頃)と後期(91年頃〜93年頃)に分けられることもあります。初期の「赤文字」モデルはLOT番号が赤色の中太字で、後期になると赤色の太字印刷に変化しています。また、ロゴタグのデザインも変わり、後期には「WPL423 R」の表記が追加されたものも見られます。
1993年以降は、パッチデザインがさらに変化し、LOT番号が黒の太字印刷に戻ります。これは「米国最終(93米国最終)」と呼ばれるモデルの特徴で、2003年の米国工場閉鎖まで続きました。
「赤文字」モデルの価値は、「ハチマル」と比べると若干低めとされることが多いですが、それでも米国製リーバイスとしての魅力は十分あります。特に良好な色落ちのものや、人気工場製のもの(555工場など)は、コレクターの間で高い評価を受けています。
なお、「赤耳」の有無も価値に影響し、80年代後半でも稀に存在する赤耳付きの「赤文字」モデルは、より希少性が高いとされています。

505など501以外の80年代モデルもコレクション価値が高まっている
リーバイスといえば501が代表的ですが、80年代には505や517など、他のモデルも生産されており、これらも現在ではコレクション価値が高まっています。特に近年は、501以外のモデルにも注目が集まるようになってきました。
リーバイス505(80年代)の特徴:
- ジッパーフライ(501はボタンフライ)
- テーパードしていくシルエットが特徴
- 基本的にセルビッジ(赤耳)は付かないものが多い
- 80年代のものは42 TALONジッパーが使われているものも
- 501同様に赤タブはスモールe
- 色落ちが良いことで人気
505は501と並んで人気のあるモデルで、ジッパーフライという実用的な特徴と、やや細身のシルエットから、現代のファッションにも合わせやすいと支持されています。特に80年代の505は、ジッパーに42 TALONが使われているものが多く、ヴィンテージの証として価値があります。
その他の80年代リーバイスモデル:
- 502:ストレート(ジップフライ)
- 517:ブーツカット
- 550:リラックスフィット(90年代から人気に)
- 606:スーパースリム
- オレンジタブシリーズ:廉価ラインで現在も根強い人気
これらのモデルも、工場刻印やタグ、ジッパー、赤タブなどの特徴は501と同様に年代変遷しているため、本記事で紹介している判別方法が適用できます。ただし、モデルごとに細かい違いもあるため、詳しく知りたい場合は各モデル専門の情報を調べると良いでしょう。
特に注目したいのは、80年代のオレンジタブシリーズです。これは60〜70年代に登場した廉価ラインですが、80年代にも生産され続け、独自の魅力を持っています。近年ではこのオレンジタブも再評価され、コレクション価値が高まっています。
リーバイスのヴィンテージコレクションを始める方にとって、人気の501よりも比較的手に入りやすい価格で見つかることも多いこれらのモデルは、魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ジッパーの種類と特徴から製造年代を特定する方法
ジッパー付きのリーバイスモデル(505や502など)では、使用されているジッパーの種類も年代判別の重要な手がかりとなります。特に80年代は、ジッパーメーカーの変遷期でもあり、特徴的な違いが見られます。
年代別ジッパーの特徴:
60年代製
- グリッパー(GRIPPER)やコンマー(CONMAR)のジッパーが使用
- 505の前身である551ZXXなどで見られる
70年代製
- タロン(TALON)やスコービル(SCOVILL)のジッパーが主流
- 年代判別の目安として重要
80年代初期〜中期
- 徐々にLevi’s刻印のYKKジッパーに移行し始める
- 稀にLevi’s刻印のタロン製42ジップも存在(レア)
80年代後期〜
- Levi’s刻印のYKKジッパーが標準に
この変遷を知っておくと、例えば「TALONジッパーが付いている505」は70年代から80年代初期のモデルである可能性が高く、「Levi’s刻印のYKKジッパー」であれば80年代中期以降のモデルと判断できます。
特に注目すべきは「42 TALONジッパー」で、これは60年代から80年代まで使用された歴史あるジッパーです。このジッパーが付いている505などは、ヴィンテージファンの間で高い評価を受けています。
また、80年代の移行期に稀に見られる「Levi’s刻印のタロン製42ジップ」は、非常に希少性が高く、こうしたディテールも価値を左右する要素になります。
ジッパー以外にも、505などのモデルでは「フロントボタンの色」も年代判別のポイントになることがあります。例えば、505と502の見分け方としては、フロントボタンがシルバーなら502、銅色なら505という違いがあります。
このように、ジッパーの種類や特徴は、ボタン裏刻印や内タグと合わせて確認することで、より正確な年代判別が可能になります。
80年代と比較した70年代モデル「66モデル」の特徴
80年代のリーバイスの特徴をより理解するためには、その前身となる70年代モデル、特に「66モデル」と呼ばれるタイプとの違いを知ることが重要です。70年代と80年代のリーバイスには、いくつかの明確な違いがあります。
「66モデル」の基本情報:
- 1973年〜80年頃の生産品を指す通称
- 名称の由来は、バックポケットに付いていたフラッシャー(紙ラベル)の「©1966」表記から
- 「66前期」(1973年〜1976年頃)と「66後期」(1977年〜1979年頃)に区分されることが多い
「66前期」の特徴:
- バックポケット裏がシングルステッチ
- 縦落ちが特徴的な色落ちパターン
- 野趣溢れる風合いとクラシカルな雰囲気
「66後期」の特徴:
- バックポケット裏がチェーンステッチに変更
- まだらな色落ちが特徴
- 66前期と比べるとやや整った印象
80年代「ハチマル」との違い:
- 内タグのデザインと表記方法が異なる
- ボタン裏刻印が80年代は3桁に(66モデルは主に「6」)
- 生地の変更により色落ちに若干の違いがある
- 80年代のほうがやや細身のシルエット傾向
「66モデル」と80年代モデルの最大の違いは、生地の風合いと色落ちのパターンにあります。70年代の「66モデル」は天然インディゴを使った生地が残っていた最後の時代で、独特の縦落ちが特徴的です。80年代になると、生地の製法が変わり色落ちのパターンも変化しています。
また、シルエットについても微妙な違いがあり、コレクターの間では「66モデル」のほうがややストレートで、80年代モデルはより細身になっていく傾向があるとされています。ただし、これは個体差もあり、一概には言えない部分もあります。
値段面では一般的に「66前期」が最も高く、次いで「66後期」、その後に80年代モデルという序列になることが多いですが、状態や希少性によって大きく変わる場合もあります。
「66モデル」と80年代モデルを見分ける際は、バックポケットのステッチ、内タグ、ボタン裏刻印などをチェックするとよいでしょう。

まとめ:リーバイス80年代モデルの見分け方と魅力
最後に記事のポイントをまとめます。
リーバイス80年代モデルの見分け方と特徴に関する重要ポイントは以下の通りです:
- ボタン裏刻印が3桁の数字(501、513、515、522など)であることが80年代モデルの特徴
- 内タグの特徴で80年代前半と後半を区別でき、前半は2桁年表記、後半は1桁年表記に変化
- 赤タブは「スモールe」(Levi’s)表記で、これは1974年以降のモデルの特徴
- バックポケットのステッチは70年代後半からチェーンステッチが主流になった
- 80年代中盤(1986年)までは赤耳(セルビッジ)デニムが使用されていた
- パッチのLOT番号の表記が黒字なら80年代前半、赤字なら80年代後半の特徴
- 80年代のリーバイス「赤耳」モデルは縦落ちの美しさとシルエットの良さから高い人気を誇る
- 80年代前半のモデルは「ハチマル」、後半のモデルは「赤文字」と呼ばれることがある
- 505など501以外の80年代モデルもコレクション価値が高まっている
- ジッパー付きモデルでは、70年代〜80年代初期はTALON、80年代中期以降はYKKが主流
- 80年代モデルは70年代の「66モデル」と比べて生地や色落ちパターン、シルエットに違いがある
- コレクション価値は工場番号(555など)や状態、希少性によって大きく変わる
- 80年代のリーバイスは「米国製最後の黄金期」として特別な価値を持っている
- 年代判別は単一の特徴だけでなく、複数の要素を総合的に判断することが重要
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/
- https://shibaken.work/post-2413/2021/2413/
- https://dig-it.media/lightning/article/854383/
- https://hurugiblog.com/levis501
- https://article.yahoo.co.jp/detail/45c1001f16128bc50750a87b95c8cd0b16dbed30
- https://ameblo.jp/illminate/entry-11713310926.html
- https://rogers-kyoto.com/vintage_and_used/blog/post37065
- https://www.leon.jp/fashions/6526
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14240224544