リーバイスのジーンズを古着屋で見つけたけど、いつの時代のものなのか気になったことはありませんか?実は、リーバイスには製造された年代を判別できる「隠れた証拠」がたくさん存在しています。ボタン裏の刻印、内タグ、赤タブのデザイン、ステッチの特徴など、細部を見ることで製造年代がわかるんです。
本記事では、リーバイスの製造年を確認する方法を徹底解説します。1960年代のビンテージモデルから2000年代以降の現行モデルまで、時代ごとの特徴や見分け方をプロの古着屋さんの知識を元に紹介。この記事を読めば、あなたも10分でリーバイス鑑定士になれるかも!?

記事のポイント!
- リーバイスの製造年を見分けるための基本的な確認ポイント
- 内タグやボタン裏の刻印から読み取る製造年月と工場情報
- 年代ごとのリーバイス特有のディテールと変遷
- ビンテージリーバイスの価値を高める特徴と判別方法
リーバイスの製造年の見方と基本的なポイント
- リーバイスの製造年は内タグとボタン裏で確認できる
- 1974年以降のリーバイスには製造年月が記載された内タグがある
- ボタン裏の刻印からわかるリーバイスの工場番号と年代
- リーバイスのパッチデザインで年代を判別する方法
- 赤タブのデザインで見分けるビッグEとスモールeの違い
- バックポケットのステッチで判断する製造年代の特徴
リーバイスの製造年は内タグとボタン裏で確認できる
リーバイスの製造年を知りたいときに最も確実な方法は、内タグとボタン裏の刻印を確認することです。特に1974年以降のリーバイスには内タグがついており、製造年月や工場番号などの情報が記載されています。
内タグは最も正確に製造年を判別できる要素ですが、長年の使用で消えてしまっていることも少なくありません。そんなときはボタン裏の刻印や、パッチのデザイン、赤タブの特徴などを総合的に判断する必要があります。
古着店で買い物をするときなどは、まず内側のタグをチェックし、次にボタン裏を見るという順番で確認するのがおすすめです。ボタン裏の刻印は薄暗い店内では見づらいこともあるので、明るい場所で確認できるとベストです。
リーバイスの年代判別は、一つの特徴だけで決めつけるのではなく、複数の特徴を照らし合わせて総合的に判断することが大切です。例えばボタン裏の刻印だけでは確定的なことは言えないこともあります。
内タグが残っているものの方が信頼性が高いので、古着を購入する際は内タグのあるものを選ぶのもひとつの方法です。ただし、年代によっては内タグが最初からないモデルもあるので、その場合は他の要素で判断することになります。
1974年以降のリーバイスには製造年月が記載された内タグがある
リーバイスの内タグは1974年から付けられるようになりました。この内タグには製造年月が記載されているため、リーバイスの製造年を知る上で最も正確な情報源となります。
1974年以降の内タグの読み方は時代によって異なります。初期の内タグには製造工場番号、製造年、製造月が一番下の行に記載されています。例えば、工場番号が「8」の場合、タグの中で「8」と書かれている行を探し、その行から製造年月を読み取ります。
具体的な読み方として、1974年~80年代前半の場合、左から「製造月」「製造年の下2桁」「工場番号」という順番で記載されていることが多いです。ただし、70年代は製造年が1桁のみで表記されている場合もあります。この場合、「7」は「197X年」を意味します。
注意点として、同じ時代でも工場によって内タグの表記方法が若干異なることがあります。また、製造工場番号と製造年月を間違えてしまう可能性もあるので、まずはトップボタン裏の刻印で工場番号を確認するという手順が重要です。
内タグがあるリーバイスは1974年以降のものであることがわかるため、それ以前のビンテージモデルを見分ける際には、パッチやステッチ、赤タブのデザインなど他の特徴を見る必要があります。
ボタン裏の刻印からわかるリーバイスの工場番号と年代
リーバイスのトップボタン裏には工場を示す刻印が入っています。この刻印を確認することで、おおよその製造年代と製造工場がわかります。刻印は時代によって種類が異なり、年代判別の重要な手がかりとなります。
1950~60年代のボタン裏には「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」「11」「12」「14」「15」「16」「17」「18」「20」などの刻印が見られます。特に「16」刻印は50年代初期~70年代中期頃まで存在した工場で、「16ボタン」モデルと呼ばれることもあります。
1970年代になると「1」「2」「4」「5」「6」「7」「8」「16」「52」などの一桁や二桁の刻印が一般的です。この時代の「66モデル」は「6」の刻印が多く見られます。
1980~2000年代初頭のリーバイスは主に3桁の刻印になります。アメリカ製のものは「501」「502」「511」「512」「513」などの刻印が特徴的です。特に「555」工場は人気モデルを多く製造していたバレンシア工場で、米国最後の工場として2003年まで操業していました。
各国の工場番号も特定されており、例えばフランス製は「275」「388」、イギリス製は「211」「299」「311」、メキシコ製は「104」「493」「647」「989」などの刻印が確認されています。
ボタン裏の刻印は古着において年代を判別する重要な手がかりですが、間違いを避けるために内タグやその他のディテールと照らし合わせて総合的に判断することが大切です。

リーバイスのパッチデザインで年代を判別する方法
リーバイスのデニムの右腰に付いているパッチ(革や紙のラベル)も、製造年代を特定する重要な手がかりになります。パッチのデザインや素材、表記内容は時代とともに変化しているからです。
1958年頃までのリーバイスには鹿革のパッチが使用されていました。このパッチにはモデル番号の後にXX(例:501XX)と表記があり、その上には「Every Garment Guaranteed」(すべての商品を保証)という文言が記載されています。しかし、美品でなければパッチの印字はほとんど消えていることが多いです。
1958年~1960年代頃になると、パッチ素材が革から紙に変更されましたが、デザインは革パッチ時代と変わりません。この「XX紙パッチ」にも「Every Garment Guaranteed」の表記があります。
1962年~1965年になると、「Every Garment Guaranteed」の文字が消え、代わりに小さめの文字で中央に「Made in U.S.A.」と記載されるようになりました。さらに後期になると、同じ段に「100% CUTTON Made in U.S.A. WPL 423」と中央寄せで記載されます。
1966年~1967年には、XX記載が消え、リーバイスが品番を変更したことで混乱を避けるため、以前の型番を左端に小さく印字した「ダブルネーム」と呼ばれるパッチが特徴です。
1970年~1990年代のパッチには、型番の上や下に「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」(取扱説明は衣服の内側にあります)という表記が特徴的です。これは内タグが付くようになったことを示しています。さらに70年代~80年代中期は黒字、80年代中期以降は赤字で印字されるなどの変化があります。
パッチの特徴を見ることで、おおよその年代が判断できますが、他の特徴と合わせて総合的に判断することをおすすめします。
赤タブのデザインで見分けるビッグEとスモールeの違い
リーバイスの象徴とも言える「赤タブ」は、年代によってデザインが変化しており、製造年を特定する重要な手がかりになります。特に有名なのが「ビッグE」と「スモールe」の違いです。
赤タブは1936年に初めて登場しました。初期の赤タブは片面タブと呼ばれ、片面にのみ「LEVI’S」と刺繍されており、裏面には何も書かれていませんでした。また、レジスターマーク(®)もありませんでした。
1953年頃からは両面に「LEVI’S」が刺繍された「両面タブ」になり、この時の「LEVI’S」の「E」は大文字で、「V」は左右対称でした。これが「ビッグE・均等V」と呼ばれるタイプです。
1966年頃からは「V」の形が変わり、右側だけが細くなる「不均等V」になりましたが、「E」はまだ大文字でした。これが「ビッグE・不均等V」のタイプです。
そして1974年頃、大きな変化があります。「E」が大文字から小文字の「e」に変わったのです。これが「スモールe」と呼ばれるタイプで、1974年以降のリーバイスはすべてこのタイプになります。
さらに1982年頃からは、刺繍からプリントに変わりました。見分け方としては、文字の立体感や糸の光沢がないことが特徴です。
赤タブの種類によって製造年代がはっきりわかるため、古着ファンの間では「ビッグE」は1974年以前の古いモデルという証明になり、価値が高いとされています。特に「ビッグE・均等V」(1953-1966年)は最も古いタイプとして珍重されています。
なお、赤タブには通常のオレンジ色以外に、白タブ(1970-1980年代のデニム以外の製品)、黒タブ(混紡素材の製品)、オレンジタブ(1960-1970年代の廉価ライン)などのバリエーションもあります。
バックポケットのステッチで判断する製造年代の特徴
リーバイスのバックポケットのステッチも、製造年代を特定する重要な手がかりです。特に注目すべきは、アーキュエイトステッチ(山形の縫い目)と、ポケット裏側の縫い方です。
アーキュエイトステッチはリーバイスを象徴するディテールですが、第二次世界大戦中(1942-1946年)は物資統制の影響で省略され、代わりにペイントで描かれていました。このペイントは洗濯で消えてしまうため、現存するビンテージの多くはステッチのない無地の状態になっています。
1946年以降、アーキュエイトステッチは復活しますが、時代によって色や縫い方に違いがあります。例えば、「XXモデル」(1946-1966年頃)では中央でステッチが交差する「ダイヤモンドポイント」が特徴的です。その後の「ビッグEモデル」(1960年代後半-1973年)ではステッチの色がイエローから金茶に変わり、縫い目の数も増えています。
バックポケット裏側の縫製方法も重要な判別ポイントです。1977年頃までのモデルではシングルステッチが使われていましたが、それ以降はチェーンステッチに変更されています。このため、「66モデル」(1973-1980年頃)は前期と後期で分かれ、前期(1973-1978年頃)はシングルステッチ、後期(1978-1980年頃)はチェーンステッチとなっています。
シングルステッチとチェーンステッチの違いは色落ちの仕方にも影響し、シングルステッチの「66前期」はタテ落ちで色合いに深みがあるのに対し、チェーンステッチの「66後期」や「赤ミミモデル」は全体的に色落ちする傾向があります。
また、トップボタン脇のステッチも年代判別の参考になります。1960年代までは「V字ステッチ」が特徴的で、これはミシンに返し縫い機能がなかった時代の名残です。1960年代後半からはV字ステッチに代わって2本の平行ステッチが使われるようになりました。
これらのステッチの特徴を見ることで、おおよその製造年代を推測することができます。

リーバイスの製造年の見方と年代別の特徴
- 1960年代〜1970年代前半のリーバイス特有のディテール
- 1974年〜1985年の内タグで製造年月を判別する方法
- 1985年〜1994年のリーバイス内タグの見方と特徴
- 1990年代以降のリーバイスタグの種類と読み方
- リーバイスの工場番号一覧とレア度の高い工場コード
- 2000年代以降の現行リーバイスの年代判別方法
- まとめ:リーバイスの製造年の見方と価値判断のポイント
1960年代〜1970年代前半のリーバイス特有のディテール
1960年代から1970年代前半のリーバイスには、他の時代にはない特有のディテールがあります。この時代のリーバイスは「ビッグEモデル」(1960年代後半〜1973年)と呼ばれ、ヴィンテージとしての価値が高いとされています。
まず特徴的なのは赤タブの「ビッグE」表記です。1974年までは「LEVI’S」の「E」が大文字で表記されていました。1966年頃からは「V」の形が変わり、右側だけが細くなる「不均等V」になりましたが、「E」は大文字のままでした。
パッチも大きな特徴です。1960年代後半から1973年までの「ビッグEモデル」では、紙パッチの「501」表記が他の文字が入らないシンプルなデザインとなっています。特に1967年頃からはロット番号の末尾の「XX」が消え、現在と同じ「501」表記になりました。
また、トップボタン裏の刻印も特徴的です。「ビッグEモデル」では「2」「4」「6」「8」「16」などの刻印が見られますが、これらは製造工場の識別番号とされています。
さらに、トップボタン脇の縫製も見分けるポイントです。1960年代までは「V字ステッチ」が特徴的でしたが、「ビッグEモデル」の時代から2本の平行ステッチに変更されました。
バックポケットのステッチも判別ポイントです。「ビッグEモデル」ではステッチの色がイエローから金茶に変わり、縫い目の数も増えています。また、それまで使われていた隠しリベット(バックポケット付け根の内側に見えるリベット)もバータックという縫製方法に変更されました。
この時代のリーバイスは、シルエットも今のものとは異なり、比較的細身のテーパードシルエットが特徴です。このスタイリッシュなシルエットが、現在もヴィンテージとして人気の理由の一つになっています。
1960年代〜1970年代前半のリーバイスは、様々な特徴的なディテールから年代判別がしやすく、ヴィンテージコレクターにとって価値の高いアイテムとなっています。
1974年〜1985年の内タグで製造年月を判別する方法
1974年から1985年頃までのリーバイスには、製造年月が記載された内タグが付けられるようになりました。この時代の内タグは独特の形式で情報が記載されており、正しく読み解くことで正確な製造年月を知ることができます。
この時代の内タグには、数字の羅列が3行に分かれて書かれています。重要なのは、トップボタン裏の工場番号と同じ番号が記載されている行です。例えば、トップボタン裏に「8」という刻印があれば、内タグの中で「8」が記載されている行を探します。
その行の数字は、左から「製造月」「製造年の下2桁」「工場番号」という順番で記載されていることが多いです。例えば「4 80 8」という表記があれば、これは「1980年4月に8番工場で製造された」という意味になります。
ただし、70年代の製品には注意が必要です。製造年が1桁のみで表記されている場合があり、これは「197X年」を意味します。例えば「12 6 6」という表記があれば、「1976年12月に6番工場で製造された」という意味になります。
また、内タグには製品の特徴を示す情報も記載されています。例えば、ウエストやレングスが書かれている行の1つ上には収縮率が記載されています。「66モデル」の前期は収縮率が8%、後期のモデルは10%に変わるなど、この情報も年代判別の手がかりになります。
1974年〜1985年の内タグは、デザインや印刷方法も特徴的です。初期のものはやや厚めの生地にインクで印字されており、情報の配置も独特です。この時代の内タグが残っているジーンズは、正確な年代判別が可能で、ヴィンテージとしての価値も比較的高いとされています。
ただし、工場によって内タグの表記方法が若干異なる場合もあるので、複数の特徴を照らし合わせて総合的に判断することが重要です。
1985年〜1994年のリーバイス内タグの見方と特徴
1985年から1994年頃にかけてのリーバイスの内タグは、それ以前のものとは異なる特徴を持っています。この時代は大きく分けて「1980年代後半〜1991年」と「1991年〜1994年」の2つの時期に分けられ、それぞれタグのデザインが異なります。
1980年代後半(1985年〜1991年頃)の内タグは、以前のものより情報量が増え、7行構成となっています。6行目には工場番号、7行目には製造年月が記載されるようになりました。この時代の特徴は、製造年が下1桁のみで表記され、製造月と製造年の数字が繋がっているという点です。
例えば、右下に「107」と記載されていれば、これは「10月」「7年」を意味し、「1987年10月製造」と読み取ることができます。このタイプのタグは、以前のものと比べて染み込みプリントのような印刷方法に変わっているのも特徴です。
1991年から1994年頃の内タグは、さらに変化します。このタグはペラペラで薄い生地が使われ、上部に数字、その下に洗濯時の注意点、さらに下部に2行の数字列が記載された構造になっています。
製造年月と工場番号が記載されているのは下から2行目で、左から「工場番号」「製造月・製造年」「製造番号」の順に記載されています。例えば「522 0394」のような表記があれば、これは「522工場で1994年3月に製造された」という意味になります。
この時代の内タグの特徴として、タグに書かれている情報量が増えていること、製造年の表示方法が変わっていること、タグの素材や印刷方法も変化していることが挙げられます。
また、1988年頃から1994年頃までのリーバイスでは、工場番号の刻印も3桁になることが多く、内タグとボタン裏の刻印を照らし合わせることで、より正確な年代判別が可能になります。
なお、この時代のリーバイスは、「赤文字501」(紙パッチの501の文字が赤で印刷されている)と呼ばれるモデルが多く、古着市場では一定の人気があります。

1990年代以降のリーバイスタグの種類と読み方
1990年代以降のリーバイスは、内タグのデザインがさらに進化し、より明確な情報が記載されるようになりました。この時代は主に「1993年〜2003年」の「米国最終モデル」と呼ばれる時期と、2003年以降の「現行モデル」に分けられます。
1993年から2003年にかけての内タグは、一枚を折り返したサイズの大きなものに変わりました。このタグは「刺繍タグ」と呼ばれることもあり、米国製の最後の時代を象徴する特徴的なデザインです。タグの一番下の行に工場番号、製造年月が記載されており、例えば「653 0197」といった表記があれば「653工場で1997年1月に製造された」という意味になります。
この時代は米国内の工場が次々と閉鎖され、2003年にはすべての米国自社工場が閉鎖されました。そのため、「米国製」の表記があるものは、2003年以前のモデルか、それ以降の米国内の委託工場で製造されたものになります。
2003年以降の現行モデルの内タグは、多くの言語で記載された複数のタグが付いています。これは世界中で販売するために各国の言語で表記されているためです。最後のタグに、ロット番号、製造時期、工場番号、販売ラインといった情報が記載されています。
現行モデルの製造時期の読み方は、例えば「2020年の3週目」のように「年」と「週」で表記されています。また、工場番号も4桁になり、例えば「4996」(メキシコ内の工場)というように表記されています。
販売ラインも重要な情報で、「4100」や「41」はUSライン、「4515」や「45」はJPラインといった区別があります。特に「USライン」と「JPライン」では、同じロット番号でもデザインやフィット感が異なることがあります。
なお、2003年以降の「MADE IN USA」表記のあるモデルは、リーバイス社の自社工場ではなく、米国内の委託工場で製造されたものです。例えば、エルパソにある「ReadyOne Industries社」などの工場で製造されています。
これらの情報を読み解くことで、現行モデルのリーバイスでも製造年や生産国、販売ラインなどの詳細を知ることができます。
リーバイスの工場番号一覧とレア度の高い工場コード
リーバイスのボタン裏に刻印されている工場番号は、製造された工場を示す重要な情報です。これらの番号は時代によって変化し、特定の番号は特に人気が高く、レア度が高いとされています。
まず、1950〜60年代の工場番号は主にアルファベットや2桁の数字で表されています。代表的なものには「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」「11」「12」「14」「16」「17」「20」などがあります。これらの刻印があるモデルは、古いビンテージとして非常に価値が高いとされています。特に「16」は50年代初期〜70年代中期までの長期間にわたって存在した工場で、「16ボタン」モデルとして人気があります。
1970年代になると、主に一桁の数字や「16」「52」などの刻印が見られます。この時代の「66モデル」では「6」の刻印が基本とされています。「6」刻印は後にエルパソ工場を示す「524」に変わったことから、「旧6工場」と呼ばれることもあります。
1980〜2000年代初頭になると、工場番号は3桁になります。アメリカ製のものは「5」から始まる番号(「501」「502」「511」「513」「515」など)、社外委託工場は「6」から始まる番号(「624」「650」「653」など)が使われることが多いです。
特に人気が高くレア度が高いと言われる工場番号には以下のようなものがあります:
- 「555」:バレンシア工場(1996〜2003年、米国最後のリーバイス工場)で、人気モデルを数多く製造していました。この工場の製品は色落ちの良さで知られています。
- 「524」:エルパソ工場で、かつて「6」刻印だった旧6工場の後継です。
- 「501」:アルバカーキ工場とされ、米国製の中でも特に人気があります。
- 「16」:長期間操業していた工場で、ビンテージファンの間では特に人気があります。
海外の工場番号も多数確認されており、例えばフランス製「275」「388」、イギリス製「211」「299」「311」、カナダ製「212」「216」「217」、メキシコ製「104」「493」「647」「989」などがあります。
これらの工場番号は古着市場での価値にも影響し、特定の工場のものは高値で取引されることもあります。ただし、工場番号だけでなく、製品全体の状態や他の特徴も価値を左右する要素となるため、総合的に判断することが重要です。
また、工場番号の解明は現在も進行中で、古着ファンやコレクターによる調査によって新たな発見がなされています。
2000年代以降の現行リーバイスの年代判別方法
2000年代以降の現行リーバイスも、内タグなどの情報から製造年代を判別することができます。ただし、1990年代以前のモデルとは異なる読み方が必要です。
現行リーバイスの内タグは、多くの言語で記載された複数のタグが付いています。これは世界中で販売するために必要な情報を各国の言語で表記しているためです。最も重要な情報が記載されているのは、一般的に最後に付いているタグです。
まず、最初のタグで製造国を確認することができます。リーバイス社は2003年に米国内の自社工場をすべて閉鎖したため、それ以降の「MADE IN USA」表記のあるものは、米国内の委託工場で製造されたものです。
現行モデルの内タグからは、以下の情報を読み取ることができます:
- ロット番号:例えば「00501-0000」のような形式で表記されています。最初の5桁が基本的なモデル番号(501など)、ハイフン後の4桁が仕様やカラーを示します。
- 製造時期:「2020年の3週目」のように「年」と「週」で表記されています。例えば「03/20」であれば、2020年の第3週を意味します。
- 工場番号:4桁の数字で表記されています。例えば「4996」はメキシコ内の工場、「4459」はベトナム内の工場、「5115」は米国テキサス州エルパソの委託工場といった具合です。
- 販売ライン:「4100」や「41」はUSライン、「4515」や「45」はJPラインといった区別があります。同じロット番号でも販売ラインによってデザインやフィット感が異なることがあります。
特に注目すべきなのは、「MADE IN USA」と表記されたモデルです。2003年以降、リーバイス社は米国内に自社工場を持っていないため、これらは米国内の委託工場で製造されたものです。具体的には「ReadyOne Industries社」「Roicom USA社」「Border Apparel Laundry社」「IGP/USA」などの工場が知られています。
また、現行モデルには「White Oak」シリーズなど、米国のコーンミルズ社の生地を使用した特別なラインも存在します。これらは内タグに特別な表記があることが多いです。
現行リーバイスを購入する際は、これらの情報を確認することで、いつ、どこで、どのラインとして製造されたものかを知ることができます。特に古着として購入する場合は、これらの情報が製品の価値を判断する上で役立ちます。

まとめ:リーバイスの製造年の見方と価値判断のポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイスの製造年は内タグとボタン裏の刻印から最も正確に判断できる
- 1974年以降のリーバイスには製造年月が記載された内タグが付いている
- 内タグの読み方は時代によって異なり、70年代~80年代前半は「製造月・製造年・工場番号」の順
- 80年代後半~90年代前半は製造年が1桁表記で、90年代以降は工場番号と製造年月が明確に区分されている
- ボタン裏の刻印は工場を示し、時代によって一桁・二桁・三桁と変化していく
- 50~60年代はアルファベットや二桁の数字、70年代は一桁の数字、80年代以降は三桁の数字が基本
- 赤タブのデザインも重要な判断材料で、1974年以前は「ビッグE」、それ以降は「スモールe」
- パッチのデザインや素材も年代によって変化し、初期は革パッチ、後に紙パッチへと変更
- バックポケットのステッチも年代判別の手がかりで、1977年頃まではシングルステッチ、それ以降はチェーンステッチ
- 1985年頃までは赤耳(セルビッジ)デニムが使用され、それ以降は一般的なデニムに変更された
- 2003年にリーバイス社は米国内の自社工場をすべて閉鎖し、それ以降の「MADE IN USA」は委託工場製
- 現行モデルは内タグから製造年週、工場番号、販売ラインなどの情報を読み取ることができる
- ビンテージリーバイスとしての価値は、年代、保存状態、特徴的なディテールの有無によって大きく変わる
- 「66前期モデル」(1973~78年頃)は縦落ちの色落ちが特徴で、ビンテージ入門としておすすめ
- 工場によっても製品の特徴や価値が異なり、特定の工場(555、524など)のものは人気がある
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://hurugiblog.com/levis-inner-tag
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://dig-it.media/lightning/article/854383/
- https://de-suke.com/how-to-distinguish-levis-inner-tag
- https://shibaken.work/post-2413/2021/2413/
- https://www.leon.jp/fashions/6526
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12235493787
- https://shibaken.work/post-1925/2021/1925/
- https://magazine.nikkei.com/article/DGXMZO72459580R00C21A6000000