
リーバイスのジーンズやジャケットって、いつ作られたものなのか気になりませんか?古着屋で掘り出し物を見つけたとき、家にある古いデニムの価値を知りたいとき、その製造年を特定できれば楽しさも倍増ですよね。でも「内タグの数字が何を意味するのか」「ボタン裏の刻印って何?」と悩んでいる方も多いはず。
実は、リーバイスには製造年を特定するための「隠れたサイン」がたくさんあります。パッチのデザイン、内タグの数字の並び、赤タブの特徴、ボタン裏の刻印など、これらを読み解けば製造された時代がクッキリわかるんです。この記事では、初心者の方でも簡単に製造年がわかる方法や、年代ごとの特徴まで詳しく解説していきます。
記事のポイント!
- リーバイスの製造年を内タグから読み取る方法と年代別の特徴
- ボタン裏の刻印から工場と製造年を特定する方法
- パッチや赤タブなど外観的特徴からおおよその年代を判別する方法
- ヴィンテージと現行モデルの違いと価値の判断基準
リーバイスの製造年と特定方法について
- リーバイスの製造年は内タグで確認できる知識が重要
- 1974年以降のリーバイスには製造年月が内タグに記載されている
- 内タグの見方は年代によって大きく4パターンに分かれる
- リーバイスのボタン裏刻印から製造工場と年代を特定できる
- パッチのデザインからも製造年代がわかる重要な手がかりがある
- 赤タブの「E」の大きさで1970年代前半か後半かを判別できる
リーバイスの製造年は内タグで確認できる知識が重要
リーバイスの製造年を知りたい場合、最も確実な方法は内タグを確認することです。内タグは1974年以降のモデルから付けられるようになりました。それ以前のモデルには内タグがないため、他の特徴から判断する必要があります。
内タグを見れば、製造年月だけでなく、どの工場で作られたのかという情報も得られます。特に古着市場では、アメリカ製のリーバイスは高い価値があるとされています。内タグの見方を理解しておくことで、購入前にその価値を見極めることが可能になります。

内タグは通常、ウエストバンドの内側やポケット内部に付いています。時代によってデザインが異なり、文字の並び順や表記方法も変化しています。そのため、内タグの種類がわかれば、おおよその製造年代を特定することができます。
独自調査の結果、多くの古着愛好家やコレクターが内タグを参考にして製造年を判断していることがわかりました。特に80年代から2000年代初頭までのアメリカ製リーバイスの場合、内タグの情報は非常に重要な手がかりとなります。
内タグを見る際は、単に数字を読み取るだけでなく、タグの素材や印刷の仕方なども併せて確認すると、より正確な年代判定ができます。例えば、80年代前半は特定のタイプの内タグで、90年代になると別のデザインに変わるといった特徴があります。
1974年以降のリーバイスには製造年月が内タグに記載されている
1974年以降、リーバイスは商品に内タグを付けるようになりました。これにより、製品の製造年月が具体的にわかるようになったのです。それ以前のモデルでは、製造年を特定するのは比較的難しく、パッチのデザインやボタン裏の刻印などから間接的に推測する必要がありました。
内タグには、製造年月だけでなく、製造工場番号、サイズ情報、洗濯表示などの情報が記載されています。これらの情報の配置方法や表記スタイルも時代によって変化してきました。初期の内タグでは製造年の表記が1桁のみで、例えば「3」と書かれていれば1973年を意味していました。
特筆すべきは、内タグの導入は「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」(取り扱い説明は衣服の内側にあります)という文言がパッチに入るようになった時期と一致することです。この文言がパッチに見られる場合、内タグが付いている可能性が高いと言えます。
内タグは、リーバイスの歴史において重要な転換点を示す要素と言えるでしょう。それまでの伝統的なワークウェアから、より一般的なファッションアイテムへと移行していく過程で、製品情報を詳細に記載する必要性が高まったと考えられます。
古着市場では、内タグの有無だけでなく、その内容も価値判断の重要な要素になっています。特に70年代後半から80年代前半の内タグを持つモデルは、特徴的な色落ちや耐久性から、現在でも人気が高いとされています。
内タグの見方は年代によって大きく4パターンに分かれる
リーバイスの内タグは時代によって様々な変化を遂げてきましたが、大きく分けると4つのパターンに分類できます。これらのパターンを理解すれば、製造年の特定がより簡単になります。
1. 1974年〜1980年代前半のパターン この時期の内タグには、数字が3行に分かれて記載されています。一般的には左から「製造月」「製造年(下1桁または2桁)」「工場番号」という順番になっています。例えば、「5 3 524」と記載されていれば、1983年5月に524工場で製造されたことを示します。この時期は「年」の表記が1桁のこともあるため注意が必要です。
2. 1980年代後半〜1991年頃のパターン この時期になると、内タグの構造が変わり、製造工場番号と製造年月が別々の行に記載されるようになります。一般的には、6行目に工場番号、7行目に製造年月が記載され、例えば「107」という表記であれば「1987年10月製造」を意味します。
3. 1991年〜1994年頃のパターン この時期の内タグはペラペラとした薄い素材に変わり、構造も変化します。製造年月と工場番号は下から2行目にまとめて記載されるようになります。左から順に「工場番号」「製造月・製造年」という配置です。
4. 1995年〜2003年のパターン 米国工場閉鎖までの最終期のパターンです。内タグが一枚を折り返したような大きなデザインに変わり、表記方法も明確になりました。例えば「324 10 02」という表記であれば、324工場で2002年10月に製造されたことを示します。
これらのパターンを覚えておくことで、内タグを見ただけでおおよその製造年代を判断できるようになります。また、内タグの素材や印刷方法も時代によって変化しているため、それも判断材料になります。
リーバイスのボタン裏刻印から製造工場と年代を特定できる
リーバイスのトップボタン(一番上のボタン)の裏側には、数字やアルファベットが刻印されています。この刻印は製造工場を示すコードであり、時代によって変化してきました。このコードを読み解くことで、どの工場で製造されたか、そしておおよその年代を特定することができます。
刻印の変遷:
- 1950〜1960年代: アルファベット(A、D、E、F、J、K、L、O、S、W)や一部の数字(11、12、14〜18、20)
- 1970年代: 一桁の数字(1、2、4〜8、16など)
- 1980〜2000年代初頭: 三桁の数字(501、522、524、555など多数)
特筆すべきは、同じ工場でも時代によって刻印が変わることがあるという点です。例えば、「16」という刻印は1950年代から70年代中期まで使用されていましたが、後に「653」に変更されました。このような変遷を知っていると、より正確な年代判定が可能になります。
工場番号によっては、特定の特徴を持つモデルを製造していたことで知られているものもあります。例えば「555」はバレンシア工場(1996〜2003年)のコードで、最後のアメリカ工場として知られており、このコードのジーンズは人気が高い傾向にあります。
ボタン裏の刻印と内タグの工場番号が一致するかどうかも確認すべき重要なポイントです。通常は一致するはずですが、不一致の場合は修理や偽物の可能性もあります。ただし、古い個体では刻印が摩耗して読み取れなくなっていることもあるため、判断には注意が必要です。
リーバイスマニアの間では、特定の工場コードが人気を集めることもあります。例えば、「16」刻印のモデルは色落ちが良いとされ、「524」(エルパソ工場)製のモデルも独特の風合いで評価が高いこともあります。
パッチのデザインからも製造年代がわかる重要な手がかりがある
リーバイスの右腰に付いているレザーパッチやペーパーパッチは、製造年代を特定する上で非常に重要な手がかりとなります。パッチのデザイン、素材、表記内容は時代によって変化してきており、これを読み解くことで製造年のおおよその範囲を絞り込むことができます。
パッチの主な変遷:
- 〜1957年頃: 鹿革製のパッチ。「Every Garment Guaranteed」の文言あり。型番の末尾に「XX」が付く
- 1957年〜1960年代前半: 紙パッチに変更。「Every Garment Guaranteed」の文言は継続
- 1960年代中期: 「Every Garment Guaranteed」の文言が消え、小さな「Made in U.S.A.」表記に
- 1966〜1967年: ダブルネームと呼ばれる時期。型番の記載が二箇所に
- 1967〜1969年: タイプ物と呼ばれる時期。小さなアルファベット(A、S、F、I)が記載
- 1970〜1990年代: 「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の表記が登場
- 70〜80年代中期: 黒字表記
- 80年代中期〜: 赤字表記に変更
パッチは経年劣化で消えてしまうことも多いため、古いモデルでは判読が難しい場合もありますが、残っている部分から推測することが可能です。例えば「XX」の表記があれば1966年以前、「501」にレジスターマーク(®)が付いていれば比較的新しいモデルであることがわかります。
また、「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の表記があれば、内タグが存在する1974年以降のモデルであることが確定します。さらに、この表記が黒字か赤字かによって、80年代前半か後半かを判断することができます。
パッチに「made in USA」の表記があるかどうかも重要な判断材料です。リーバイス社は2003年にアメリカの自社工場をすべて閉鎖したため、この表記があり、かつボタン裏に3桁の刻印がある場合は、2003年以前の米国製モデルであると判断できます。
こうしたパッチの特徴は、内タグやボタン裏の刻印と組み合わせることで、より正確な製造年の特定に役立てることができます。特にヴィンテージ市場では、パッチの状態や特徴が価値判断の重要な要素となることもあります。
赤タブの「E」の大きさで1970年代前半か後半かを判別できる
リーバイスの特徴的なディテールの一つである「赤タブ」は、製造年代を判別する上で非常に有用な指標です。特に「LEVI’S」の「E」の大きさや形状の変化は、重要な年代判別ポイントとなります。
赤タブの主な変遷:
- 1936年〜1953年頃: 片面タブ。表側にのみ「LEVI’S」の文字があり、裏は無地
- 1953年〜1966年頃: 両面タブ「均等V」。「LEVI’S」の「V」が左右均等で、「E」は大文字(ビッグE)
- 1966年〜1974年頃: 両面タブ「不均等V」。「LEVI’S」の「V」が右側のみ細くなり、「E」は依然大文字(ビッグE)
- 1974年〜1990年頃: 「スモールe」の時代。「LEVI’S」が「LeVI’S」に変更。「V」は引き続き不均等
- 1990年代〜: プリント赤タブの登場。それまでの刺繍から印刷方式に変更されるものも
「ビッグE」と「スモールe」の区別は、リーバイスファンの間では最も有名な年代判別ポイントの一つです。1974年を境に「E」が小文字になったため、「ビッグE」のモデルは1974年以前に製造されたことがわかります。
また、赤タブの種類は基本的なものだけでなく、様々なバリエーションが存在します。例えば、レジスターマーク(®)のみの赤タブや、オレンジタブ(1960〜70年代の廉価ライン)、白タブ(デニム以外の素材用)、黒タブ(混紡素材用)など、用途によって色が異なるタブも存在します。
赤タブの特徴は、パッチの特徴やボタン裏の刻印と併せて確認することで、より正確な製造年を特定することができます。例えば、スモールeの赤タブでありながら、内タグのパターンから1970年代後半のモデルであることが特定できるケースなどです。
古着市場では、特にビッグEタブを持つモデルは希少性が高く評価される傾向にありますが、それだけでなく全体の状態や他の特徴も含めて総合的に価値が判断されます。赤タブの特徴を知っておくことは、リーバイスの歴史を理解する上でも、適正な価値判断をする上でも重要です。

リーバイスの製造年と年代別特徴について
- バックポケットのステッチパターンも製造年を示す重要な手がかり
- リーバイスの工場番号は米国だけでなく世界各国にも存在している
- 1980年代中期まではセルビッジ(赤耳)デニムが使用されていた
- リーバイスには「ヴィンテージ」と呼ばれる4つの主要モデルがある
- 2003年に米国工場閉鎖後の製造年の見分け方も変化している
- 日本製リーバイスの製造年はJから始まる刻印で判別できる
- まとめ:リーバイスの製造年を知ることでその価値と歴史がより深く理解できる
バックポケットのステッチパターンも製造年を示す重要な手がかり
リーバイスのバックポケットには、アーキュエイト(弓形)ステッチと呼ばれる特徴的な縫い目が施されています。このステッチの縫製方法や裏側の処理方法も、製造年代を特定する上で重要な手がかりとなります。
バックポケットステッチの変遷:
- 〜1977年頃: バックポケット裏の縫い目がシングルステッチ。タテ落ちする色落ちが特徴
- 1977年頃〜: バックポケット裏の縫い目がチェーンステッチに変更。より耐久性が増し、アタリが出やすくなる
この変更は「66モデル」の前期と後期を区別する重要な特徴の一つとなっています。66前期モデル(1973〜1978年頃)はシングルステッチ、66後期モデル(1978〜1980年頃)はチェーンステッチというのが一般的な区分です。
また、ステッチの色も時代によって変化しています。初期の「XX」モデルではイエロー系の糸が使われていましたが、ビッグEモデルの時代になると金茶色に変更され、ステッチのピッチ(1インチあたりの縫い目の数)も倍増されました。
バックポケットのステッチパターンに関する興味深い歴史的事実として、第二次世界大戦中(1942〜1946年)には物資統制の影響でステッチが省略され、代わりにペイントで描かれた時期がありました。しかし、洗濯によって消えてしまうため、現存するヴィンテージでは無地の状態になっているものがほとんどです。
バックポケットのステッチは、見た目の違いだけでなく、着用時の経年変化にも影響します。シングルステッチの古い時代のモデルは特徴的な縦落ちを見せることが多く、チェーンステッチになってからは異なる風合いの色落ちを見せる傾向があります。このような色落ちの違いも、ヴィンテージ愛好家の間では重要な判断材料となっています。
リーバイスの工場番号は米国だけでなく世界各国にも存在している
リーバイスのボタン裏に刻印されている工場番号は、アメリカ国内の工場だけでなく、世界各国の工場にも割り当てられています。これらの番号を理解することで、製品がどの国で製造されたのかを特定することができます。
主な国別工場番号:
- アメリカ製: 501、502、511〜515、517、520〜529、532、536、541、542、544、548〜555、558、571、575、577、581、585、588、601F、611F、614F、643、650、653、680F、777
- フランス製: 275、388
- イギリス製: 211、299、311
- スペイン製: 292、295
- カナダ製: 212、216、217
- ベルギー製: 266
- メキシコ製: 104、493、647、989
- ハンガリー製: 252
- コロンビア製: 689
- ポーランド製: 273
- グアテマラ製: 324、977
- ドミニカ製: 333
- 香港製: 347
- レソト製: 450、499
- ハイチ製: 267
- フィリピン製: 359(比較的新しいモデルに多い)
- 日本製: J開始の番号(例:J22)
独自調査によると、特にアメリカ製の工場番号は古着市場で価値が高く評価される傾向があります。中でも「555」工場(バレンシア工場)は米国最後期(1996〜2003年)の工場として知られ、特に人気があります。
また、米国製でも工場によって特徴が異なることがあります。例えば「524」(エルパソ工場)は、かつての「6」工場の後継とされ、特徴的な製品を作っていたことで知られています。「16」工場も人気が高く、後に「653」(ボールドウィン工場)に変更されました。
工場番号は内タグの情報と一致するのが通常ですが、不一致の場合は修理履歴や場合によっては偽造の可能性も考えられます。ただし、古い製品では刻印が摩耗して読みづらくなっていることもあるため、判断には注意が必要です。
グローバル化が進んだ現代では、世界各国の工場で生産されるリーバイス製品が増えていますが、それぞれの工場が持つ特徴や品質の違いを理解することは、製品選びにおいて重要な要素と言えるでしょう。
1980年代中期まではセルビッジ(赤耳)デニムが使用されていた
リーバイスの歴史において、重要な転換点の一つが「セルビッジデニム」(赤耳デニム)の使用が終了した1980年代中期です。セルビッジとは、デニム生地の端部(耳)に赤い糸が織り込まれた特殊な織り方のことで、伝統的な織機で生産される高品質デニムの証とされています。
セルビッジデニムの特徴と変遷:
- 1980年代中期以前: すべてのリーバイス501(および他のモデル)に赤耳付きのデニム生地が使用
- 1980年代中期以降: より幅の広いデニム生地を使用する近代的な製造方法に変更され、赤耳は消滅。代わりに端部がほつれ止め処理されるように
この変更は単なる見た目の違いだけでなく、デニムの風合いや着用時の経年変化にも大きな影響を与えました。セルビッジデニムは織り密度が高く、より強固で独特の色落ちを見せる傾向があります。そのため、「赤耳時代」のリーバイス(1980-1986年頃に製造された「赤耳モデル」)は、古着市場で高い人気を誇っています。
セルビッジデニムは当初、ニューハンプシャー州のアモスケイグ社の生地が使用されていましたが、1915年以降はノースキャロライナ州のコーンミルズ社が生産を請け負うようになりました。コーンミルズ社のデニムは、リーバイスにのみ独占的に供給され、その独特の品質と風合いは「コーン・デニム」として世界中のデニム愛好家から高く評価されています。
1980年代中期以降、リーバイスはより効率的な生産方法に移行しましたが、近年ではヴィンテージへの関心の高まりから、LVC(Levi’s Vintage Clothing)シリーズなどで再びセルビッジデニムを採用したモデルが復活しています。これらは当時の製法を忠実に再現しようとする試みですが、オリジナルのヴィンテージとは区別されます。
セルビッジの有無は、リーバイスの製造年を大まかに判別する上で非常に有効な手がかりです。裾を折り返してアウトシーム(外側の縫い目)を確認し、赤い糸が織り込まれた端部があれば、おそらく1980年代中期以前の製品であると判断できます。
リーバイスには「ヴィンテージ」と呼ばれる4つの主要モデルがある
リーバイスの長い歴史の中で、特に「ヴィンテージ」として高く評価される時代のモデルが4つあります。これらの特徴を理解することで、製造年代の特定がより容易になり、古着市場での価値判断にも役立ちます。
4大ヴィンテージモデル:
1. S501XX “大戦モデル”(1942〜1946年) 第二次世界大戦中に物資統制の影響を受けて簡素化されたモデル。特徴として、月桂樹刻印やドーナツ型の廉価なボタン、コインポケットのリベット省略、バックポケットのアーキュエイトステッチがペイントに置き換えられるなどの変更があります。品番の頭に「S」(Simplified)が付く点も特徴的です。片面のみに文字が入った赤タブも、この時代の証です。
2. 501XX “XXモデル”(1946〜1966年頃) 多くのデニム愛好家から「501の完成形」と称される時代のモデル。革パッチ(前期)または紙パッチ(後期)が使用され、隠しリベットや、トップボタン脇のV字ステッチなどのヴィンテージ特有の特徴を持ちます。「XX」はデニム生地の特徴を表し、当初は「ダブル エクストラ ヘビー」、後に「エクストラ エクシード」(最高ランクの生地)を意味するようになりました。
3. 501 “ビッグEモデル”(1960年代後半〜1973年) ロットナンバーから「XX」が消え、赤タブの「LEVI’S」で「E」が大文字表記のモデル。V字ステッチに代わって2本の平行ステッチが採用され、隠しリベットもバータックによる補強に変更されました。アーキュエイトステッチの色も変更され、ピッチも倍増されています。トップボタン裏の刻印は「2」「4」「6」「8」「16」などがあります。
4. 501 “66モデル”(1973〜1980年頃) 「©1966」と記されたフラッシャー(紙ラベル)が付いていたことから「66モデル」と呼ばれます。これは1966年にデザインされたことを示すもので、実際の製造年ではありません。「66前期」(1973〜1978年頃)と「66後期」(1978〜1980年頃)があり、前期はバックポケットのシングルステッチ、後期はチェーンステッチという違いがあります。パッチには「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の黒スタンプがあり、内タグが付きます。トップボタン裏の刻印は主に「6」です。
これらのモデルは、単に古いというだけでなく、それぞれの時代のデニム製造技術や社会的背景を反映した特徴を持っています。例えば、大戦モデルは物資統制という歴史的事情を、ビッグEモデルはカウンターカルチャーの時代におけるジーンズの位置づけの変化を物語っています。
古着市場では、これらのヴィンテージモデルは高い価値を持つ場合がありますが、その価値は保存状態や希少性によって大きく変わります。特に「XX」モデルやビッグEの中でも良好な状態のものは高額取引されることがあります。
2003年に米国工場閉鎖後の製造年の見分け方も変化している
2003年、リーバイス社はアメリカ国内の自社工場をすべて閉鎖し、生産拠点を完全に海外へと移しました。この出来事はリーバイスの歴史における大きな転換点となり、製品の特徴や製造年の見分け方にも変化をもたらしました。
2003年以降の製造年判別ポイント:
- ボタン裏の刻印: 4桁の数字になるケースが増加。または「P」や「J」などのアルファベットから始まる刻印(国や工場を示す)
- パッチ表記: 「501®」のように型番にレジスターマーク(®)が付くことが一般的に
- 内タグのデザイン: 全体的にシンプル化され、製造情報がより明確に表示されるように
- 生産国表記: 「Made in Mexico」「Made in China」「Made in Vietnam」など、様々な国での生産が増加
アメリカ工場閉鎖後の製品は、内タグの見方も少し異なります。多くの場合、月と年が明確に表示され、工場コードも併記されます。例えば「04 05 P44」のような表記は、「2005年4月にP44工場で製造」を意味します。
2000年代以降のリーバイスでは、シーズンやモデルによって様々なフィットや素材のバリエーションが展開されるようになりました。そのため、単に「501」といっても、時期によって微妙に形や仕様が異なることがあります。
また、2003年以降もLVC(Levi’s Vintage Clothing)シリーズでは、過去の名作モデルを忠実に再現した「復刻版」が製造されています。これらは外観が古いモデルに似ていますが、タグやラベルに「LVC」や「LEVI’S VINTAGE CLOTHING」の表記があり、通常はパッチやボタン裏にも「J」から始まる刻印があります。
2003年以降のモデルは、ヴィンテージ市場ではまだ「ヴィンテージ」とは呼ばれないことが多いですが、「ネクストヴィンテージ」として注目を集めつつあります。特に、閉鎖直前の米国工場で製造された2000年代初頭のモデルは、「最後の米国製」として価値が高まっている傾向があります。
製造年を特定する上では、これまで紹介してきた内タグやパッチ、ボタン裏の刻印といった要素を総合的に判断することが重要です。2003年以降のモデルも、歴史的な資料としての価値は確実に増していくことでしょう。
日本製リーバイスの製造年はJから始まる刻印で判別できる
日本でもリーバイス製品は製造されており、日本製リーバイスには独自の特徴があります。特にボタン裏の刻印に「J」から始まるコードが使われていることが多く、これが日本製であることの目印となります。
日本製リーバイスの特徴:
- ボタン裏刻印: 「J22」「J38」「J09」などの「J」から始まるコード
- 内タグ表記: 「MADE IN JAPAN」の表記と、日本特有のコード体系
- 製造年月の読み方: 一般的に「JB026 09 91」のような表記で、「91年9月製造」を意味する
日本製リーバイスには、アメリカ向けの輸出用モデルと、日本国内向けの「極東リーバイス」と呼ばれるモデルがあります。極東リーバイスは日本市場向けに仕様が調整されており、独特のディテールを持つことがあります。
日本製の代表的なモデルとして「502XX」があります。これは501XXを元にした日本向けモデルで、特に「J22」工場コードのものが多く見られます。1990年代前後に製造されたこれらのモデルには、ビッグEの赤タブや赤耳デニムが使用されていることがありますが、これは復刻版の特徴であり、製造年代を示すものではありません。
日本製リーバイスの製造年を正確に特定するには、内タグの情報を確認するのが最も確実です。例えば「JB026 09 91」という表記は、JB026が工場コード、09が製造月(9月)、91が製造年(1991年)を示しています。ただし、表記の順序は時期によって変わることがあるため、全体的な特徴と併せて判断するのが望ましいでしょう。
日本製リーバイスは、縫製の丁寧さや生地の質の高さで知られており、古着市場でも一定の人気があります。特にコーン社の赤耳デニムを使用したモデルや、日本限定のスペシャルモデルは、コレクターにとって価値の高いアイテムとなっています。
近年では、日本のデニム文化への評価が高まり、日本製デニムを使用したコラボレーションモデルなども登場しています。製造年に関わらず、日本製リーバイスの特徴を理解することは、デニム文化の奥深さを知る上で重要な要素と言えるでしょう。

まとめ:リーバイスの製造年を知ることでその価値と歴史がより深く理解できる
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイスの製造年は内タグ、ボタン裏刻印、パッチデザイン、赤タブなど複数の要素から特定可能
- 1974年以降のモデルには内タグが付き、製造年月が直接確認できる
- 内タグの見方は時代によって4パターンに分かれ、配置や表記方法が変化
- ボタン裏の刻印は工場番号を示し、時代によって一桁→二桁→三桁→四桁と変化
- パッチのデザインと表記も時代とともに変化し、製造年の手がかりになる
- 赤タブの「E」の大きさは1974年を境に大文字から小文字に変更された
- バックポケットのステッチは1977年頃にシングルからチェーンステッチに変更
- 1980年代中期まではセルビッジ(赤耳)デニムが使用されていた
- ヴィンテージリーバイスには大戦モデル、XXモデル、ビッグEモデル、66モデルの主要4種がある
- 2003年に米国工場が閉鎖され、それ以降は生産拠点が完全に海外へ移行
- 日本製リーバイスは「J」から始まる工場コードが特徴的
- 製造年を知ることで、リーバイスの歴史的背景や社会的意義をより深く理解できる
- 古着市場での価値判断には製造年だけでなく、保存状態や希少性も重要
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://hurugiblog.com/levis-inner-tag
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://ameblo.jp/piro-surf/entry-12382766221.html
- https://dig-it.media/lightning/article/854383/
- https://shibaken.work/post-2413/2021/2413/
- https://hands-on-jeans.com/blog/2020/02/26/3520
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12235493787
- https://www.leon.jp/fashions/6526
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12312338182