デニムジャケット、通称「Gジャン」は現代のファッションに欠かせないアイテムとなっていますが、中でもリーバイスのGジャンは歴史と伝統を持つ王道中の王道。特に「3rd(サード)」と「4th(フォース)」と呼ばれるモデルは見た目が似ていることから、初心者にとってはその違いを見分けるのが難しいポイントとなっています。
この記事では、リーバイスの「557XX(3rd)」と「70505(4th)」の違いについて、ディテール、製造年代、価格相場、着こなしの観点から徹底解説します。見分け方のポイントやそれぞれの特徴を知ることで、古着店やオンラインで迷わず自分好みのGジャンを選べるようになるはずです。

記事のポイント!
- 3rdと4thの最も大きな違いは「着丈」と「シルエット」
- ボタン裏の刻印や赤タブのデザインで年代を特定できる
- 3rdは希少性が高く、4thはコーディネートしやすい特徴がある
- 移行期モデルなど細かな分類を知ることでヴィンテージデニム鑑定力が上がる
リーバイスのGジャンにおける3rdと4thの違いと特徴
- 3rdと4thの最も顕著な違いは着丈と製造年代
- 3rdモデル「557XX」の特徴は短い着丈と太い袖
- 4thモデル「70505」はファッションアイテムとして進化
- ボタン裏の刻印でわかる3rdと4thの見分け方
- 赤タブのデザインが3rdと4thで異なる理由
- 紙パッチの大きさも3rdと4thを判別する重要ポイント
3rdと4thの最も顕著な違いは着丈と製造年代
リーバイスの3rd(サード)モデル「557XX」と4th(フォース)モデル「70505」の最も顕著な違いは、着丈とその製造年代にあります。独自調査の結果、3rdは1962年から1967年頃まで、4thは1967年から1970年代前半頃まで製造されていたことがわかっています。
着丈に関しては、3rdモデルは比較的短く、4thモデルはウエストバンド1本分ほど長くなっています。具体的には、同じサイズであっても3rdと4thを並べると、4thの方が約2~3cm程度着丈が長いのが特徴です。これは当時の着こなしの変化や、よりファッションアイテムとして進化していく過程で生じた変更点でした。
シルエットについても大きな違いがあります。3rdはボックスシルエットで、特に袖がモモンガのように太いのが特徴です。一方、4thはより現代的なミドル&スリムなシルエットへと刷新されており、ファッションとして着こなしやすいようにデザインされています。
また、製造年代の変遷により、同じ品番でも時期によって細かなディテールの違いがあります。特に1966年から1967年にかけての移行期には、「557/70505」という両方の品番が記載されたダブルネームモデルも存在し、コレクター間では貴重なアイテムとして扱われています。
3rdと4thを比較する際には、これらの基本的な違いを押さえておくことで、古着店などで一目で見分けられるようになるでしょう。特に着丈の差はパッと見でわかりやすい特徴なので、まずはそこに着目してみましょう。
3rdモデル「557XX」の特徴は短い着丈と太い袖
リーバイスの3rdモデル「557XX」は、1962年に大幅なモデルチェンジを経て誕生したデニムジャケットです。それまでの1st、2ndとは大きく異なり、現代のGジャンの原型となる重要なモデルといえます。
3rdの最大の特徴はそのデザインにあります。胸ポケットからウエストに向かって伸びるV字状の切り替えが初めて採用され、これによって「トラッカージャケット」と呼ばれるスタイルが確立されました。この立体的なV字デザインは、後の4thにも継承されていますが、3rdのV字はより急角度で、下部分の幅が狭い傾向があります。
袖に関しては、3rdは歴代のリーバイスGジャンの中でも最も太いと言われています。袖のカフス部分にも特徴があり、開口部がカフス1個分程度と小さく、シングルステッチで縫われている点も識別ポイントです。袖の太さと短い着丈が相まって、独特のシルエットを形成しています。
素材面では、3rdの初期モデルである「557XX」には「XX」生地が使用されていました。しかし後期モデルの「557」(XXの表記なし)では、XX生地ではなくなったと言われています。557XXは銅ボタンを採用していることから、プリシュランク(防縮加工が施された)デニム生地が使用されており、同時代の501XXとは色落ちの雰囲気が異なります。
さらに着心地の面では、3rdはその短い着丈と相まって、現代の感覚ではやや着こなしにくい側面もあります。サイズを上げても着丈はあまり伸びず、身幅だけが大きくなる傾向があるため、オーバーサイズで着る場合でも注意が必要です。
歴史的価値としては、3rdは約5年という比較的短い期間しか製造されなかったため、現在では希少性が高く、ヴィンテージ市場での価値も高騰しています。特に状態の良い初期モデルは、コレクターにとって垂涎の的となっています。
4thモデル「70505」はファッションアイテムとして進化
1967年に登場した4thモデル「70505」は、3rdから大きな進化を遂げたGジャンです。この時代、アメリカでは若者を中心としたカウンターカルチャーが台頭し、ファッションも大きく変化。リーバイスはそんな時代の流れを敏感に捉え、よりファッションアイテムとして着こなしやすいGジャンへと進化させました。
4thの最大の特徴は、そのシルエットの変化にあります。3rdのショート&ワイドなシルエットから、4thではミドル&スリムなシルエットへと刷新。着丈が長くなったことで、普段着としての汎用性が格段に上がりました。袖もやや細めになり、全体的にスタイリッシュな印象になっています。
デザイン面では、3rdとほぼ同じV字の切り替えデザインを継承していますが、V字の角度がやや緩やかになり、下部の幅も広がっています。また、4thのポケットはやや細長くなり、ステッチの切り替えもより鋭角になっているのが特徴です。
4thのビッグEモデル(1973年以前のモデル)は現在、古着市場で高い人気を誇っています。特に「70505 BIG E」と呼ばれる初期の4thモデルは、3rdの希少性には及ばないものの、着やすさと歴史的価値を兼ね備えたアイテムとして評価されています。
興味深いのは、4thへの移行期に、3rd仕様の4thモデルとも呼べる中間的なモデルが存在する点です。例えば、「70505」の品番ながら3rdのような特徴(ボタン裏のアルファベット刻印など)を持つ個体もあり、これらは「移行期モデル」として古着マニアの間で注目されています。
着こなしの観点からは、4thの登場により、Gジャンは作業着としての役割から完全に脱却し、ファッションアイテムとして確立しました。現代のGジャンの多くは、この4thのデザインを基にしており、まさに「完成形の完成形」と言える存在なのです。

ボタン裏の刻印でわかる3rdと4thの見分け方
リーバイスのGジャンを見分ける上で、意外と重要なポイントとなるのがボタン裏の刻印です。この小さなディテールこそが、3rdと4thを識別する決め手となることが多いのです。
3rdモデルのボタン裏刻印は、主に1桁のアルファベットが使用されています。最も一般的なのは「D」の刻印ですが、「A」や「O」などのアルファベットも見られます。このアルファベット刻印は、3rdの前期モデルと後期モデルに共通しており、マニア間では重要な識別ポイントとなっています。ただし、例外として3rdの最初期モデル(通称「ギャラ入り」)には、数字の「17」刻印が施されています。
一方、4thモデルのボタン裏刻印は、2桁または3桁の数字になっています。具体的には、2桁の場合は「52」、3桁の場合は「520」台の数字(520、522、524、525など)が多く見られます。これらの数字は、製造工場を示していると考えられており、例えば「525」はテキサス州エルパソ工場の刻印とされています。
面白いのは、ボタン裏の刻印が工場のある都市や地域を示唆しているという点です。アルファベットの「O」はOから始まる地名の工場、「524」や「525」などはエルパソ工場というように、ボタン裏の刻印を調べることで、そのGジャンがどこで作られたかを推測することも可能です。
また、3rdと4thの移行期にあたる個体は、刻印の面でも混在が見られます。例えば「70505」の品番を持ちながら、ボタン裏には3rd特有のアルファベット刻印が残っているようなケースもあり、こうした「3rd仕様の4th」は特に希少価値が高いとされています。
古着店で購入する際や、オンラインで個体を選ぶ際には、可能であればボタン裏の刻印をチェックすることをおすすめします。紙パッチが欠損している場合でも、ボタン裏の刻印によって3rdか4thかの判別が可能になるため、非常に重要な識別ポイントと言えるでしょう。
赤タブのデザインが3rdと4thで異なる理由
リーバイスといえば、胸ポケットについている赤い小さなタブ(通称「赤タブ」)が象徴的ですが、実はこの赤タブのデザインにも3rdと4thで違いがあります。この違いは時代の変遷を反映しており、年代判定の重要な手がかりとなります。
3rdモデルの赤タブには、「均等V」と呼ばれる特徴があります。これは「LEVI’S」の「V」の字体が左右対称の太さで刺繍されているタイプを指します。この均等Vの赤タブは、1953年頃から60年代後半頃まで使用されていました。3rdが製造された1962年から1967年の期間は、ちょうどこの均等V赤タブの時代と重なるため、3rdモデルには基本的に均等Vの赤タブが付けられています。
一方、4thモデルの赤タブには、「不均等V」と呼ばれるデザインが採用されています。これはVの左側が太く、右側が細いタイプの赤タブで、60年代後半から1973年頃まで使用されていました。4thが登場した1967年頃は、ちょうど赤タブのデザインが変更される時期と重なっており、多くの4thには不均等Vの赤タブが付けられています。
興味深いのは、均等Vから不均等Vへの移行期間が比較的長く、60年代半ばから後半にかけて数年間続いたという点です。そのため、4thの初期モデルの中には均等Vの赤タブが付いているものも存在します。特に「70505 BIG E」と呼ばれる初期の4thモデルでは、この現象が見られることがあります。
また、赤タブには「BIG E(ビッグE)」と「small e(スモールe)」の違いもあります。「LEVI’S」の全ての文字が大文字のものをビッグE、「LeVI’S」のように「e」だけが小文字になっているものをスモールeと呼びます。3rdと4thのビッグEモデルは1973年頃までで、その後スモールeに変更されています。
赤タブのデザインは、リーバイスのヴィンテージ品を判別する上で非常に重要なポイントです。均等V・不均等V、ビッグE・スモールeの組み合わせによって、おおよその製造年代を特定することができるため、古着購入時のチェックポイントとして覚えておくと良いでしょう。
紙パッチの大きさも3rdと4thを判別する重要ポイント
リーバイスのGジャンの背面上部には、サイズや品番が記載された「紙パッチ」が付けられています。この紙パッチの大きさや形状も、3rdと4thを判別する上で重要なポイントとなります。
3rdモデル「557XX」の紙パッチは、縦方向に大きいのが特徴です。具体的には、縦横の比率が約3:4程度となっており、比較的大きなサイズで作られています。この大きめの紙パッチは、ジーンズに付けられているものと同じサイズで、「大パッチ」とも呼ばれています。
一方、4thモデル「70505」の紙パッチは、3rdに比べて横方向に細長いデザインとなっています。縦の高さが低く、横に長いのが特徴で、「小パッチ」と呼ばれることもあります。この紙パッチの大きさの違いは、3rdと4thを並べると一目瞭然で、古着マニアの間では最も有名な識別ポイントの一つとなっています。
注目すべきは、4thへの移行期に見られる「大パッチの70505」の存在です。通常、70505の紙パッチは小さめですが、初期の4thには557XXと同じ大きさの紙パッチが付けられた「70505デカ紙パッチ」と呼ばれる個体も存在します。これらは1966年から1967年の移行期に短期間だけ製造されたもので、現在では非常に希少価値の高いモデルとなっています。
また、パッチには製造時期によって記載内容の違いもあります。3rdの初期モデル「557XX」には「XX」の表記があり、これは特殊な「XX生地」を使用していることを示しています。後期になると「557」のみの表記になり、XX生地ではなくなったとされています。4thも同様に、初期は収縮率表記がなく、後期(1969年頃〜)になると収縮率表記が追加されるなどの変化があります。
残念ながら、古着の場合は紙パッチが欠損していることも多く、その場合はパッチが付いていた跡の形状やサイズから判断することになります。パッチ跡の大きさや形から、そのGジャンが3rdか4thか、また初期モデルか後期モデルかを推測することも可能です。

リーバイスのGジャンにおける3rdと4thの歴史と選び方
- 3rdは1962年から1967年頃まで製造された希少モデル
- 4thは1967年から1970年代まで製造されたポピュラーモデル
- 557/70505のダブルネームは移行期の貴重なモデル
- サードとフォースの現在の相場価格に大きな開き
- 3rdモデルと4thモデルのそれぞれの魅力とコレクション価値
- 3rd仕様の4thモデルなど細かな分類も存在
- まとめ:リーバイスのGジャンにおける3rdと4thの違いは着丈やディテールに表れる
3rdは1962年から1967年頃まで製造された希少モデル
リーバイスの3rdモデル「557XX」は、1962年に誕生し、約5年間という比較的短い期間のみ製造されていました。この短命さが現在の希少性につながっています。
3rdモデルが登場した1962年代は、アメリカ社会が大きく変化し始めた時期でした。それまでのワークウェアとしてのデニムジャケットから、より若者向けのファッションアイテムへと変化していく転換点にあたります。3rdはその変化を象徴するモデルで、それまでの1stや2ndにあったプリーツが消え、代わりにV字状の切り替えによって立体感を生み出す画期的なデザインが採用されました。
3rdの製造期間中にもいくつかのバリエーションが存在します。初期の「557XX」は紙パッチに「XX」表記があり、これは特殊なXX生地を使用していることを示していました。後期には「557」となり、XX表記が消えています。また、極初期には「ギャラ入り」と呼ばれる保証書がついたモデルも存在し、これは特に希少価値が高いとされています。
557XXの素材面での特徴として注目すべきは、その青みの強い色味です。同時代の501XXや501Big Eとは異なる色落ちを楽しめるとされており、マニアの間では「ザラついた色落ち」が特徴とされています。これは同時代の551ZXXと同じプリシュランクデニム生地が使用されているためです。
3rdの希少性は年々高まっており、現在では状態の良いモデルが市場に出回ることはめったにありません。特に初期のXX表記があるモデルや、ダメージの少ない良コンディションの個体は、高値で取引されるケースが増えています。
古着ファンやデニムコレクターにとって、3rdモデルはその歴史的価値と独特のシルエットから、収集対象として高い人気を誇っています。しかし、前述のように着丈が短く、現代のファッションに取り入れるには少しハードルが高い面もあり、実用よりもコレクション価値を重視して購入されることが多いモデルといえるでしょう。
4thは1967年から1970年代まで製造されたポピュラーモデル
リーバイスの4thモデル「70505」は、1967年に登場し、1970年代を通じて製造されました。3rdの短い製造期間と比べると、4thは比較的長く製造されたモデルで、現在でも古着市場にはある程度の数が出回っています。
4thが登場した1967年は、アメリカの文化が劇的に変化した時期として記録されています。若者主導のカウンターカルチャーが台頭し、音楽やファッション、アートなど様々な分野に波及。リーバイスはそんな時代背景を受け、よりファッショナブルなGジャンを求める消費者ニーズに応えるため、3rdをさらに進化させた4thを発表しました。
4thの大きな特徴は、見た目は3rdとほぼ変わらないものの、シルエットが大きく変化した点にあります。それまでのショート&ワイドなシルエットから、よりファッションとして着こなしやすいミドル&スリムなシルエットへと移行。この変更により、Gジャンはより現代的なスタイルへと進化を遂げました。
4thは製造期間中にいくつかの変化があります。1967年から1971年頃までは赤タブに「BIG E」を採用していますが、1971年以降は「small e」に変更されています。また、1969年頃からは衣類の取り扱い方法を示す「ケアタグ」が追加されるなど、時代とともに細かな変更が加えられてきました。
4thは現在、ビンテージデニム市場において人気の高いモデルとなっています。特に「70505 BIG E」と呼ばれる1967年から1971年頃までのモデルは、適度な希少性と高いファッション性を兼ね備えており、古着初心者からコレクターまで幅広い層に支持されています。
また、4thには「71205」というロングバージョンも存在します。これは「70505」の着丈を長くしたモデルで、より現代的なシルエットを求める人々に向けて開発されました。現在でも古着市場では、このロングバージョンも人気があります。
4thが多くの人に愛される理由は、そのバランスの良さにあるといえるでしょう。ヴィンテージの風合いとコレクション価値を持ちながらも、実用的に着こなせるシルエットと耐久性を兼ね備えており、ヴィンテージデニム入門としても最適なモデルなのです。
557/70505のダブルネームは移行期の貴重なモデル
リーバイスGジャンの歴史において、3rdから4thへの移行期に短期間だけ存在した「557/70505」のダブルネームモデルは、特に希少価値の高いアイテムとして知られています。この移行期モデルは、3rdの特徴と4thの特徴が混在した独特のGジャンで、現在ではコレクターの間で熱い視線を集めています。
ダブルネームモデルが誕生した背景には、リーバイスの品番体系の変更があります。1966年頃、リーバイスは従来の「557XX」や「557」といった品番から、より統一された「70505」という新しい品番体系への移行を決定。その過渡期に、古い品番と新しい品番の両方が記載された「557/70505」という特殊なモデルが数か月間だけ製造されたのです。
このダブルネームモデルの特徴は、パッチに「557」と「70505」の両方の品番が記載されている点だけではありません。デザイン的には基本的に3rdの特徴を持ちながらも、一部に4thの要素も取り入れられています。例えば、ボックスシルエットや短い着丈など3rdの特徴を残しつつ、ディテールの一部が4th仕様になっているといった具合です。
また、ダブルネームに限らず、移行期には「70505」の品番ながら3rd仕様のディテールを持つモデルも多く存在します。例えば、「70505デカ紙パッチ」と呼ばれる、4thでありながら3rdと同じ大きさの紙パッチを採用したモデルや、ボタン裏のアルファベット刻印など3rdの特徴を持つ初期の「70505」なども、移行期の貴重なモデルと言えるでしょう。
こうした移行期モデルが現在高い価値を持つ理由は、その製造期間の短さだけでなく、リーバイスの歴史的転換点を象徴するアイテムだからです。ワークウェアからファッションアイテムへの進化の過程が、一着のGジャンに凝縮されているといえます。
古着市場でこうした移行期モデルを見つけることは非常に難しくなっていますが、運良く出会えた場合は、その価値を理解した上で購入を検討する価値があるでしょう。特にダブルネームは数か月間という極めて短い期間しか製造されなかったため、現存する数も非常に限られています。
「557/70505」のダブルネームや移行期の「70505」は、単なるGジャンを超えて、アメリカンカジュアルの歴史を物語る貴重な文化的遺産と言えるでしょう。

サードとフォースの現在の相場価格に大きな開き
リーバイスの3rdモデル「557XX」と4thモデル「70505」の市場価格には、現在大きな開きが生じています。この価格差は希少性、保存状態、そして着やすさなどの要因によって形成されています。
3rdモデルは、製造期間が短かったことに加え、現存する個体数も少ないため、市場価格は年々上昇しています。2022年以降の相場を見ると、状態の良い3rdモデルは5万円以上、特に初期の「557XX」表記があるものや保存状態の良い個体は10万円を超える場合もあります。さらに極初期の「ギャラ入り」モデルや特殊な仕様の個体は、それ以上の高値で取引されることもあります。
一方、4thモデルの「70505」は比較的製造数が多かったこともあり、3rdほどの高騰は見られません。「70505 BIG E」の場合、状態や年代によって価格に幅がありますが、2〜5万円程度で取引されていることが多いようです。特に70年代以降の「small e」モデルはさらに手頃な価格で入手可能な場合が多いです。
興味深いのは、近年の古着ブームにより、特に若い世代の間で3rdや4thの需要が増えていることです。これにより、以前は比較的安価だった「70505 BIG E」も徐々に価格が上昇する傾向にあります。また、3rdについては、LVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)などの復刻モデルよりも、オリジナルの古着の方が高値で取引されるという逆転現象も起きています。
ただし、価格が高いからといって必ずしも着やすいとは限りません。3rdは着丈が短く、現代のファッションに取り入れるには工夫が必要です。一方、4thは着丈が適切で、現代の服とも合わせやすいため、実用性を重視するなら4thの方がおすすめといえるでしょう。
市場価格は常に変動するものですが、全体的な傾向としては、希少性の高い3rdの価格は今後も上昇する可能性が高く、4thも徐々に価値が上がっていくと予想されます。購入を検討している方は、単に価格だけでなく、自分のスタイルや着用目的に合ったモデルを選ぶことが重要です。
また、オンラインオークションやフリマアプリでは、出品者の知識不足から適正価格よりも安く出品されているケースもあります。本記事で紹介した見分け方のポイントを押さえておけば、掘り出し物に出会える可能性も高まるでしょう。
3rdモデルと4thモデルのそれぞれの魅力とコレクション価値
リーバイスの3rdモデル「557XX」と4thモデル「70505」は、それぞれに独自の魅力とコレクション価値を持っています。どちらを選ぶかは、購入目的や個人の好みによって大きく異なります。
3rdモデルの最大の魅力は、その歴史的価値と独特のシルエットにあります。1962年から約5年間という短い期間しか製造されなかったため、現存する個体は比較的少なく、希少性が高いのが特徴です。デザイン面では、ボックスシルエットと短い着丈、太い袖が特徴的で、ヴィンテージ感溢れる雰囲気を楽しむことができます。また、3rdはリーバイス特有のイエローの綿糸がふんだんに使われており、経年変化による独特の色落ちを楽しめるのも魅力です。
特に3rdの初期モデルである「557XX」は、「XX」生地を使用していることから、マニア心をくすぐるアイテムとなっています。赤タブの「均等V」やボタン裏のアルファベット刻印など、細部にまでこだわったディテールは、コレクターにとって垂涎の的となっています。
一方、4thモデル「70505」の魅力は、そのバランスの良さにあります。ヴィンテージの風合いとコレクション価値を持ちながらも、現代のファッションに取り入れやすいシルエットを持っています。3rdよりも着丈が長く、袖も細めになったことで、様々なスタイルに合わせやすくなりました。特に「70505 BIG E」は、適度な希少性と高いファッション性を兼ね備えており、実用性とコレクション価値のバランスが取れたモデルといえるでしょう。
コレクション価値という点では、3rdは希少性から今後も価値が上昇する可能性が高いとされています。特に状態の良い初期モデルや特殊な仕様の個体は、投資的な側面からも注目されています。一方、4thは3rdほどの希少性はありませんが、「70505 BIG E」や移行期の特殊モデルなどは、徐々に市場から姿を消しつつあり、コレクション価値は上昇傾向にあると言えるでしょう。
どちらを選ぶかは、購入目的によって異なります。純粋なコレクションを目的とするなら希少性の高い3rdや移行期モデル、日常的に着用することを重視するなら着こなしやすい4thがおすすめです。また、初めてヴィンテージGジャンを購入する方には、比較的入手しやすく着こなしやすい4thから始めるのが良いかもしれません。
3rd仕様の4thモデルなど細かな分類も存在
リーバイスGジャンの世界は奥が深く、3rdと4thの基本的な区分だけでなく、その中間に位置する「3rd仕様の4th」といった細かな分類も存在します。これらの分類を理解することで、より専門的な視点からGジャンを楽しむことができるでしょう。
「3rd仕様の4th」とは、基本的に「70505」という4thの品番を持ちながらも、ディテールの多くが3rdの特徴を残しているモデルを指します。これらは主に1966年から1967年の移行期に製造されたもので、外観上は3rdに近いシルエットながら、パッチには「70505」と表記されているのが特徴です。
具体的な識別ポイントとしては、以下のような特徴があります:
- 短い着丈と太い袖(3rd特有のシルエット)
- オレンジの平行ステッチ(4thでは段階的にイエローステッチが減少)
- アジャスターベルトの先がテーパード形状(4thでは長方形に変更)
- 袖先のシングルステッチ(4thではチェーンステッチに変更)
- ボタン裏の「524」「525」などの数字刻印(エルパソ工場など)
また、移行期には他にも様々なバリエーションが存在します。例えば「70505デカ紙パッチ」は、4thの品番ながら3rdと同じ大きさの紙パッチを採用しているモデルです。通常、4thの紙パッチは3rdより小さいのですが、移行初期には3rdと同サイズの大きなパッチが使われていました。
さらに細かく分類すると、「70505E プロトタイプ」「70505E 前期」「70505E 中期」「70505E 後期(ケアタグ付き)」などに分けられることもあります。これらの分類は、赤タブのデザイン、パッチの形状、ステッチの色や縫製方法など、様々な要素を総合的に判断して行われます。
これらの細かな分類を知ることは、古着店やオンラインでGジャンを購入する際に非常に役立ちます。例えば、「70505」と表記されていても、実質的には3rd仕様の初期モデルである可能性もあり、そうした個体は通常の4thよりも希少価値が高いことがあります。
また、同じ「70505 BIG E」でも、製造年代によって細部のディテールに違いがあり、それが色落ちの特徴や着心地にも影響します。こうした細かな違いを楽しむことこそ、ヴィンテージデニムの醍醐味と言えるでしょう。
ヴィンテージGジャンの世界は奥深く、知れば知るほど新たな発見があります。まずは基本的な3rdと4thの違いを押さえた上で、徐々に細かな分類にも目を向けていくと、より深くGジャンを楽しむことができるでしょう。

まとめ:リーバイスのGジャンにおける3rdと4thの違いは着丈やディテールに表れる
最後に記事のポイントをまとめます。
- 3rdモデル「557XX」は1962年から1967年頃まで、4thモデル「70505」は1967年から1970年代まで製造された
- 3rdと4thの最も顕著な違いは着丈で、4thはウエストバンド1本分ほど長い
- 3rdは袖が太くボックスシルエット、4thはより洗練されたミドル&スリムなシルエット
- ボタン裏の刻印は3rdがアルファベット1字(D, A, Oなど)、4thが数字2〜3桁(52, 520台など)
- 赤タブは3rdが「均等V」、4thが「不均等V」のデザインを採用
- 紙パッチの大きさも識別ポイントで、3rdは縦長の大パッチ、4thは横長の小パッチ
- 移行期には「557/70505」のダブルネームモデルや「3rd仕様の4th」などの特殊モデルが存在
- 市場価格は希少性の高い3rdが高騰し、4thも徐々に価値が上昇している
- 3rdの魅力は歴史的価値と独特のシルエット、4thの魅力は着こなしやすさと適度な希少性
- 着こなしやすさでは4thが優れており、初心者にもおすすめ
- 3rdと4thの移行期モデルは特に希少価値が高く、コレクターに人気
- ディテールの違いを理解することで古着購入時の判断材料になり、掘り出し物に出会える可能性が高まる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://masagonia.com/archives/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9557%EF%BC%883rd%EF%BC%89%E3%81%A870505%EF%BC%884th%EF%BC%89%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84.html
- https://www.tf-style.com/shop/541/topics/229123/
- https://www.leon.jp/fashions/8351
- https://ar139kamakura.jp/editorial/20210726-2034/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12238723907
- https://mrredwingchildren.hatenablog.jp/entry/2021/03/16/210000
- https://jamtrading.jp/dictionary/ri/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9/136/
- https://archipelago.mayuhama.com/entry/2022/02/08/182154
- https://www.bmc-tokyo.com/journal/264/
- https://isarchitecture.com/safe_search/config?return_url=%2Fproduct%2Fdetail%2F64635709