リーバイスのジーンズといえば「501」が有名ですが、実は「702」という希少なモデルが存在します。このモデルはマニアの間で評価が分かれるものの、独特の特徴を持つ貴重なデニムとして一定の人気を集めています。リーバイス702は1990年代後半に日本で企画・製造された特殊な復刻版で、通常の501とは異なる個性的な特徴を持っています。
今回は、そんなリーバイス702の特徴や歴史、現在の評価や価値について徹底解説します。本物志向が高まりつつあった時代に誕生したこのモデルは、シンチバックや赤耳デニム、ビッグEタブなど、ヴィンテージ感あふれるディテールが魅力です。しかし同時に、独自の解釈による復刻という側面もあり、その評価は様々。古着市場での位置づけや実際の履き心地まで、知っておくべき情報を余すところなくお伝えします。

記事のポイント!
- リーバイス702が生まれた背景と501との関係性
- 702モデルの外観的特徴とヴィンテージデニムとしての価値
- 古着市場での評価と適正価格の目安
- 見分け方のポイントと現代のコーディネート術
リーバイス702の特徴とその歴史
- リーバイス702とは1990年代に復刻された特別なモデル
- 通常の501とは違う702という番号が付けられた理由
- リーバイス702の外観的特徴はシンチバックと太めのシルエット
- ディテールの特徴からみるリーバイス702のヴィンテージ感
- リーバイス702の色落ちと経年変化の特徴
- 復刻版として登場したリーバイス702XXの独自性
リーバイス702とは1990年代に復刻された特別なモデル
リーバイス702は、1990年代後半にリーバイス・ジャパン(日本法人)が企画・生産した特別なモデルです。具体的には1997年に製造が開始され、当時の日本におけるヴィンテージデニムブームの先駆けとなった時期に登場しました。
このモデルは1930年代の501をモチーフにしたレプリカとして企画されました。当時、米国製のレギュラーライン501が上野アメ横で6,000円程度で販売されていた時代に、復刻版プレミアムモデルとして約12,000円という価格で販売されていました。つまり通常の501の約2倍の価格設定だったのです。
リーバイス702は、純粋なレプリカというよりも、ヴィンテージ要素を取り入れつつも日本独自のアレンジが加えられたモデルといえます。特に当時は本物志向が高まりつつある中での登場だったため、ヴィンテージファンからは様々な評価を受けることになりました。
独自調査の結果、このモデルは短期間の生産ながらも、古着マーケットではそれなりの流通量があることがわかっています。また、2013年頃にはリーバイスストアやセレクトショップを中心に再度復刻されるなど、一定の評価を得ていたことがうかがえます。
702の後には、「44501(大戦モデル)」、「47501」、「5501」、「66501」など、正式な復刻モデルのラインが展開され、現在のLVC(リーバイス・ヴィンテージ・コレクション)へとつながっていくことになります。
通常の501とは違う702という番号が付けられた理由
なぜこのモデルには「501」ではなく「702」という番号が付けられたのでしょうか。実はこれには興味深い背景があります。
当時のリーバイス・ジャパンは、復刻版の501を作りたいと考えていましたが、米国リーバイス社から「501」の名称使用の許可が下りませんでした。当時は501の名前を冠したモデルのレプリカ生産に対する規制が厳しく、日本法人であっても独自の企画品に「501」の名前をつけることは許されなかったのです。
そこでリーバイス・ジャパンは、501の復刻版であることを暗示しつつも、異なるロットナンバーである「702」を採用することにしました。この702という番号に特別な意味があるわけではなく、501とは明確に区別するための便宜的なナンバリングだったと考えられています。
この状況は、当時の日米のリーバイス社内の関係性や、オリジナルのヴィンテージモデルに対する本国の保護意識の強さを物語っています。しかし、この702の登場を皮切りに、その後「501」の名を冠した正式な復刻プロジェクトが日米で同時進行的に進み、現在の豊富なレプリカラインへとつながっていきました。
興味深いのは、この「501」が使えなかったという制約が、結果的に日本独自のジーンズ文化を育む一因になったという点です。このような背景から、702は単なる復刻モデルではなく、日本のデニム史における重要な一コマとして捉えられています。
リーバイス702の外観的特徴はシンチバックと太めのシルエット
リーバイス702の最も特徴的な外観は、そのシルエットとシンチバックの存在です。
まず、シルエットについては「股上深めで太めのパイプドストレート」という特徴があります。現代の細身のジーンズと比較すると、かなりゆったりとした印象を受けるでしょう。これは1930年代のオリジナルモデルがワークウェアとして設計されていたことに由来します。
そして最も目を引く特徴が、バックシンチ(尾錠)です。これはベルトループの下にリベット止めされている金具で、本来はベルトを使わない時にウエストを絞めるためのものでした。702モデルではこのバックシンチが復刻され、ヴィンテージ感を高める重要な要素となっています。
ただし、実用面では椅子やソファ、車のシートを傷つける原因となり得るため、当時も不評を買うことがあり、切り取ってしまうユーザーもいたようです。現代のコピーモデルではこの点が改良されていることもあります。
フロントトップボタンはドーナツタイプ(中央に穴が開いた形状)で、ヴィンテージ感を演出しています。また、バックポケットは大きめで、アーキュエイト(弓形)ステッチも深めに設計されており、現代のものとは明らかに異なる印象を与えます。
全体的に見ると、リーバイス702は現代的な履き心地や実用性よりも、ヴィンテージ感や歴史的な正確さを重視したデザインになっていると言えるでしょう。

ディテールの特徴からみるリーバイス702のヴィンテージ感
リーバイス702には、ヴィンテージ感を演出するための細部へのこだわりが随所に見られます。これらのディテールは、単に見た目だけでなく、デニムの歴史を感じさせる重要な要素です。
まず注目すべきは赤タブ(レッドタブ)です。702モデルには「ビッグE」と呼ばれる、「LEVI’S」のEが大文字で表記された赤タブが使用されています。これは1971年以前のヴィンテージモデルを彷彿とさせる重要なポイントです。さらに、一部のモデルでは片面だけに「LEVI’S」の表記がある「片面タブ」も採用されています。
パッチ(革のラベル)も特徴的です。やわらかい革製のパッチが使用され、そこには「For over 140 years」という表記が見られます。興味深いことに、この表記は1997年製のモデルと2013年の再復刻モデルでも同じであり、リーバイスの定型句のようなものだと考えられます。
また、セルビッチ(赤耳)デニムを採用している点も重要です。ただし、通常のセルビッチは綾織であるのに対し、702では平織となっており、凹凸が付きにくい仕上げになっています。これは本来のセルビッチの特徴である「あたり」(着用による個性的な色落ち)が出にくくなる要因となり、マニアからは批判の対象となることもあります。
さらに、アウトシーム(外側の縫い目)がチェーンステッチで縫われている点も特徴的です。これにより、セルビッチが開きにくく、やはり「あたり」が出にくいという特性があります。
これらのディテールは、ヴィンテージの雰囲気を出しつつも、細部では本来のヴィンテージとは異なる独自の解釈が加えられている点が702モデルの特徴であり、評価が分かれる要因にもなっています。
リーバイス702の色落ちと経年変化の特徴
リーバイス702の魅力の一つとして、色落ちの特性が挙げられます。デニム愛好家にとって、着用による経年変化は重要な楽しみの一つですが、702モデルの色落ちはどのような特徴を持っているのでしょうか。
702モデルは、先述したようにセルビッチ部分が平織であり、アウトシームがチェーンステッチで縫われているという特徴があります。これらの特性により、通常のヴィンテージデニムと比較すると「あたり」(特徴的な色落ち)が出にくい傾向があります。特に、現代のレプリカデニムが追求する「縦落ち」と呼ばれる縦方向に鮮明に現れる色落ちパターンは、702では比較的出にくいといわれています。
しかし、その一方で、702独自の色落ちの味わいも存在します。特に66前期モデルの色落ちに近い、全体的に柔らかく自然な経年変化を楽しむことができると評価する声もあります。66前期モデルとは、1966年頃から生産され始めたリーバイスの人気モデルで、独特の色落ちが魅力とされています。
また、702は日本製であることからも、日本製ならではの丁寧な縫製やインディゴ染めの特性が色落ちに影響を与えているといわれています。一般的に日本製のデニムは、インディゴの染色方法や生地の特性において独自の進化を遂げており、それが色落ちの特徴にも表れています。
経年変化については個人の着用頻度や洗濯方法によっても大きく異なりますが、おおよそ1年ほど定期的に着用することで、702独自の風合いが出てくると言われています。色落ちを早めたい場合は頻繁に洗濯するという方法もありますが、自然な経年変化を楽しみたい場合は、洗濯を最小限に抑え、長期間着用することがおすすめです。
復刻版として登場したリーバイス702XXの独自性
リーバイス702には、「702XX」という表記が存在する場合もあります。この「XX」という追加表記には、どのような意味や独自性があるのでしょうか。
「XX」という表記は、リーバイスの歴史において重要な意味を持っています。元々「501XX」の「XX」は、「エクストラ エクストラ ヘビー」の略で、当時としては最も重厚なデニムを使用していることを示していました。後に「エクストラ エクシード」という最高級インディゴ染料だけで染め上げられた生地を意味するようになったとも言われています。
702XXは、こうした歴史的な「XX」の意味合いを踏まえつつ、より本格的なヴィンテージレプリカを目指したモデルと考えられます。具体的には、通常の702よりもヴィンテージディテールが忠実に再現されている傾向があります。
例えば、ボタン裏には「J22」などの刻印があるモデルが存在します。これは日本企画モデルを示す記号で、古着市場では重要な真贋判断の一つとなっています。また、一部のモデルには「BIGE」(ビッグE)、シンチバック、片面タブ、隠しリベットなど、より多くのヴィンテージ要素が取り入れられています。
さらに、生地に関しても赤耳(セルビッチ)仕様となっており、よりヴィンテージ感を重視した作りとなっています。ただし、前述のように平織という特性から、色落ちのパターンはオリジナルのヴィンテージと若干異なる点が特徴です。
702XXは、リーバイスジャパンのヴィンテージレプリカへの挑戦であると同時に、後のLVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)シリーズへと続く重要な過渡期のモデルとして、デニムの歴史においても一定の価値を持っています。現在では古着市場においても、702XXはコレクターズアイテムとして人気があります。

リーバイス702の価値と着こなし術
- リーバイス702は古着市場でどのように評価されているのか
- ヴィンテージリーバイス702の見分け方と真贋判断のポイント
- リーバイス702の適切な着こなし方とコーディネート例
- リーバイス702の価格相場と入手方法
- リーバイス702の魅力と他の復刻モデルとの比較
- リーバイス702レディースサイズの特徴と着こなしのコツ
- まとめ:リーバイス702の特徴と希少性の真実
リーバイス702は古着市場でどのように評価されているのか
リーバイス702は、古着市場では様々な評価が存在します。その評価を紐解くと、リーバイス702の真の価値が見えてきます。
まず、ポジティブな評価としては、「過渡期にあったからこそ、後のシリーズに繋がった貴重な一本」という見方があります。702は、日本のレプリカデニム文化の黎明期に作られたモデルであり、その後のリーバイスジャパン製501の登場につながる重要な一歩だったとされています。
また、「キワモノ好きから一定の人気がある」という評価も存在します。通常のヴィンテージモデルとは異なる独特の解釈や、当時のリーバイスジャパンの創意工夫が詰まったモデルとして、マニアの間では一定の評価を得ています。
一方で、ネガティブな評価としては「被せリベット・平織りセルビッジ等、細部の作りが甘い」、「生地が良くない」、「リーバイスの黒歴史作品」などの厳しい意見も見られます。特に、ヴィンテージデニムの細部にこだわるコレクターからは、本来のヴィンテージとの違いが批判の対象となることもあります。
古着市場での評価を年代別に見ると、近年では90年代ファッションの復活と共に、702モデルの評価も若干上昇傾向にあるようです。特にコンディションの良い物や、色の濃いものは比較的高値で取引されるケースもあります。
しかし同時に、「ビンテージレプリカではなく、ビンテージをモチーフにしたと考えるべき」という冷静な評価も多く、純粋なヴィンテージコレクターの間では、あくまで「参考品」として位置づけられていることも事実です。
このように、リーバイス702は評価が二分されているモデルですが、日本のデニム文化の歴史を知るうえでは欠かせない存在として、一定の価値を持ち続けているといえるでしょう。
ヴィンテージリーバイス702の見分け方と真贋判断のポイント
リーバイス702の真贋判断や年代判別は、いくつかの重要なポイントを確認することで可能です。特に古着市場で購入する際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
まず、最も分かりやすい判断材料となるのが「ボタン裏の刻印」です。リーバイス702の多くには「J22」という刻印が見られます。この「J」はJapan(日本)を意味し、日本企画モデルであることを示しています。ただし、中には「JC9」など他の刻印が入っているモデルも存在するため、刻印の有無だけでなく、全体的な特徴と合わせて判断する必要があります。
次に「パッチ(ラベル)」の確認も重要です。リーバイス702のパッチには「702」または「702XX」と明記されているはずです。また、「For over 140 years」という表記が見られるのも特徴的です。パッチの素材も重要で、多くの702モデルは革パッチを採用しています。
そして「赤タブ」のチェックも欠かせません。本物の702には、「LEVI’S」の「E」が大文字で表記された「ビッグE」タイプが使用されていることが多いです。また、一部のモデルでは片面にのみ「LEVI’S」の表記がある「片面タブ」も存在します。
さらに、「セルビッチ(赤耳)」の確認も重要です。702モデルは赤耳デニムを使用していますが、通常の綾織ではなく平織という特徴があります。この点は真贋判断の重要なポイントとなります。
製造年については、多くの702モデルは1990年代後半(特に1997年頃)に製造されています。内タグに製造年月が記載されていることもあるため、確認してみましょう。また、2013年頃に再復刻されたモデルも存在するため、内タグの製造年情報は重要な判断材料となります。
最後に、「シンチバック」の存在も重要なチェックポイントです。本物の702にはベルトループ下にバックシンチがリベット止めされています。
これらのポイントを総合的に判断することで、真贋や製造年代の判別がより正確になります。偽物の場合、これらのディテールが不正確であったり、不自然な組み合わせになっていたりする可能性が高いです。
リーバイス702の適切な着こなし方とコーディネート例
リーバイス702は独特のシルエットと歴史的背景を持つモデルなので、その特性を生かした着こなしを楽しむことができます。ここでは、702の特徴を活かした着こなし方とコーディネート例をご紹介します。
まず、リーバイス702の特徴である「股上深めで太めのパイプドストレート」というシルエットを活かすには、トップスとのバランスが重要です。ゆったりとしたシルエットなので、タイトなトップスと合わせることでバランスの良いスタイリングになります。例えば、フィットしたTシャツやニット、スリムなシャツなどとの組み合わせが効果的です。
また、ヴィンテージ感を全面に出したい場合は、同じく歴史のあるブランドのワークシャツやチェックシャツ、ヘンリーネックなどと合わせるのがおすすめです。特に、チャンピオンやラッセルなどのアメリカンカジュアルブランドのスウェットと合わせると、90年代風の着こなしが楽しめます。
足元については、ワークブーツやローファー、スニーカーなど様々なスタイルと相性が良いですが、特にレッドウィングなどのクラシックなワークブーツと合わせると、デニムのヴィンテージ感がより引き立ちます。また、コンバースのチャックテイラーなどのクラシックスニーカーとも相性抜群です。
シンチバックという特徴的なディテールを活かすなら、ベルトを使わずにシンチバックでウエストを調節するスタイリングも楽しめます。この場合、トップスをインするとシンチバックが見えやすくなり、ヴィンテージ感のあるコーディネートが完成します。
季節別のコーディネート例としては、春秋はシャツやライトアウターと、夏はTシャツやポロシャツと、冬はニットやジャケットとの組み合わせがおすすめです。特に冬場は、レザージャケットやミリタリージャケットと合わせると、アメカジスタイルが完成します。
また、裾の折り返しによって赤耳(セルビッチ)を見せるスタイリングもリーバイス702の魅力を引き立てます。特に5〜7センチほど折り返すと、赤耳がしっかりと見えるとともに、ブーツやスニーカーとのバランスも良くなります。
リーバイス702は、そのヴィンテージ感とディテールの豊かさから、シンプルなコーディネートに深みを与えるアイテムとして、現代でも十分に活躍するデニムと言えるでしょう。

リーバイス702の価格相場と入手方法
リーバイス702の価格相場は、コンディションや特徴によって大きく異なります。現在の古着市場での相場を把握し、賢く購入するためのポイントをご紹介します。
まず、リーバイス702の中古品の価格相場は、一般的に5,000円〜15,000円程度です。しかし、特に状態の良いもの、色落ちの少ないもの、または特殊な特徴(例:デッドストックや希少サイズなど)を持つ個体は、20,000円を超える場合もあります。特に人気があるのは、J22刻印のある702XXモデルで、ビッグEタブ、シンチバック、隠しリベットなどの特徴を兼ね備えた個体です。
デッドストック(未使用品)の場合は、さらに価格が上昇し、30,000円前後、極めて希少なものでは50,000円以上の高値がつくこともあります。特に90年代後半の日本製モデルは、その希少性から高値で取引される傾向にあります。
一方、コンディションに難がある場合(破れ、修理跡、色落ちが激しいなど)は、3,000円〜5,000円程度で購入できることもあります。しかし、リペアや大きなダメージがあるものは、コレクター価値や実用性が低下するため、購入前に細部まで確認することが重要です。
リーバイス702を入手する方法としては、以下のような選択肢があります:
- 古着専門店: ヴィンテージデニムを扱う古着屋では、リーバイス702が見つかることがあります。実際に試着ができる利点があります。
- オンライン古着ショップ: インターネット上のヴィンテージ古着専門サイトでも、リーバイス702は取り扱われています。詳細な写真や説明を確認することが重要です。
- オークションサイト・フリマアプリ: メルカリやヤフオク、ラクマなどのプラットフォームでも、リーバイス702は出品されています。ただし、真贋の判断が必要なため、前述の見分け方のポイントを押さえておくことが重要です。
- デニム専門のイベント・マーケット: デニムイベントや蚤の市などの古着マーケットでも、リーバイス702が見つかることがあります。
購入の際は、サイズ感に注意が必要です。リーバイス702は股上が深く、太めのシルエットなので、普段のジーンズより1サイズ下を選ぶとちょうど良いことが多いです。また、ウエストのインチサイズだけでなく、股上や太もも周りのサイズも確認することをおすすめします。
また、購入前にできれば実寸を確認し、自分の体型に合ったサイズを選ぶことが、長く愛用するためのポイントです。
リーバイス702の魅力と他の復刻モデルとの比較
リーバイス702の魅力を理解するためには、他の復刻モデルとの比較が役立ちます。ここでは、702と他のリーバイス復刻モデルとの違いや独自の魅力について解説します。
リーバイス702の最大の魅力は、日本のデニム史における「過渡期」を象徴するモデルであるという点です。これは単なる復刻版ではなく、日本のリーバイス社が独自の解釈を加えた「日本版オリジナル」と言える存在です。特に、当時の日本におけるヴィンテージブームの黎明期に生まれたモデルとして、歴史的な意義を持っています。
他の復刻モデルと比較すると、以下のような特徴があります:
◆ 702 vs 501XX復刻 501XX復刻(LVCなど)が本国リーバイス社の正式な復刻ラインであるのに対し、702は日本法人による独自解釈のモデルです。501XX復刻は細部までオリジナルに忠実であることが多いのに対し、702はヴィンテージ感を出しつつも、一部独自のアレンジが加えられています。
◆ 702 vs 44501(大戦モデル) 44501(大戦モデル)は第二次世界大戦中のリソース不足を背景に生まれた簡素化されたモデルの復刻版です。一方、702は1930年代のモデルをモチーフにしており、シンチバックや隠しリベットなど、より古典的な要素を持っています。
◆ 702 vs 66501 66501は1966年頃のモデルの復刻版で、より現代的な要素が入っています。702と比較すると、66501はより洗練されたデザインで、現代の着こなしにも馴染みやすい特徴があります。一方、702はより古典的で独特のシルエットを持っています。
また、702の独自の魅力として挙げられるのが、「日本製」であるという点です。日本のデニム生産技術は世界的に高く評価されており、702もその技術を活かした高品質な作りとなっています。特に縫製の丁寧さや生地の質感は、当時の日本のデニム技術の高さを示しています。
さらに、リーバイス702はその「不完全さ」も魅力の一つです。完璧なレプリカではなく、当時のリーバイス・ジャパンの挑戦や試行錯誤が感じられるモデルであり、それがむしろ個性となっています。「どこを目指していたのか分かりにくい独特なモデル」という評価もありますが、それこそが702の持つ独自の魅力と言えるでしょう。
このように、リーバイス702は他の復刻モデルと明確に異なる独自の位置づけを持っており、特にデニムの歴史や変遷に興味がある方にとっては、コレクションの中でも特別な意味を持つモデルと言えるでしょう。
リーバイス702レディースサイズの特徴と着こなしのコツ
リーバイス702は元々メンズモデルとして企画されましたが、そのユニークなシルエットと特徴から、女性の間でも人気があります。ここでは、リーバイス702をレディースサイズとして着用する際の特徴と着こなしのコツをご紹介します。
まず、サイズ選びが重要です。リーバイス702はもともとメンズサイズ展開のため、女性が着用する場合は以下のポイントに注意が必要です:
- ウエストサイズ: 通常、女性がメンズのジーンズを履く場合、3〜4インチ小さいサイズを選ぶことが一般的です。例えば、通常レディースの29インチを履く方なら、メンズの25〜26インチが目安となります。
- 股上の深さ: リーバイス702は股上が深いため、ハイウエスト風に履くこともできますし、ややローライズに履いてウエスト部分を折り返すスタイルも可能です。
- 裾の長さ: メンズサイズは基本的に股下が長めです。裾を折り返して赤耳を見せるスタイルにしたり、裾上げをしたりするとスタイリッシュに着こなせます。
次に、レディースならではの着こなしのコツをいくつかご紹介します:
◆ オーバーサイズコーデ あえて大きめのサイズを選び、ベルトで絞るオーバーサイズコーデが注目を集めています。タイトなトップスと合わせることでバランスが取れ、今どきのストリートスタイルが完成します。
◆ ボーイフレンドジーンズ風 リーバイス702は太めのシルエットを活かして、ボーイフレンドジーンズ風の着こなしも人気です。裾をロールアップして、ヒールやフラットシューズと合わせるスタイルがおすすめです。
◆ ハイウエスト×クロップドトップ 深い股上を活かしてハイウエストで履き、クロップドトップスと合わせると、トレンド感のあるスタイリングになります。特に夏場は涼しげで女性らしいシルエットが作れます。
◆ レイヤードスタイル ゆったりとしたシルエットを活かして、長めのトップスやニットなどをレイヤードしたスタイリングも効果的です。特に秋冬は、オーバーサイズのニットやシャツとのレイヤードがおすすめです。
◆ シンチバックの活用 リーバイス702の特徴であるシンチバックを活かすなら、ベルトを使わずにシンチバックでウエストを調節する着こなしもユニークです。トップスをインすることで、このユニークなディテールをアピールできます。
また、女性が着用する場合の注意点としては、やはりサイズ感が挙げられます。試着ができない場合は実寸を確認し、特にウエスト、ヒップ、太もも周りのサイズが自分に合っているかを確認することが重要です。
リーバイス702は独特のヴィンテージ感とシルエットから、女性が着用するとユニークで個性的なスタイリングが楽しめるアイテムです。メンズモデルならではの武骨さを活かしながらも、女性らしさとのバランスを取ることで、オリジナリティあふれるコーディネートが完成します。

まとめ:リーバイス702の特徴と希少性の真実
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイス702は1990年代後半にリーバイス・ジャパンが企画・製造した1930年代の501をモチーフにした復刻モデル
- 米国リーバイス社からの許可が下りず「501」の名前が使えなかったため「702」というロットナンバーになった
- 発売当時は通常の501の約2倍の価格(約12,000円)で販売された高級ラインだった
- シンチバック、ビッグE赤タブ、セルビッチ赤耳、ドーナツ型ボタン、革パッチなどヴィンテージ感あふれるディテールを持つ
- 股上深めで太めのパイプドストレートというシルエットが特徴的
- セルビッチ部分が平織で、アウトシームがチェーンステッチになっており、独特の色落ちパターンになる
- 702XXという表記のものは、より多くのヴィンテージ要素を取り入れたモデル
- ボタン裏に「J22」などの刻印があり、日本企画モデルであることを示している
- 古着市場では「ビンテージレプリカではなく、ビンテージをモチーフにした」モデルとして評価が分かれている
- 後のリーバイス・ジャパン製501やLVC(リーバイス・ヴィンテージ・コレクション)の登場につながる過渡期の重要なモデル
- 中古市場での価格相場は5,000円〜15,000円程度だが、状態やレア度によって大きく変動する
- メンズモデルだが、女性が着用することでユニークで個性的なスタイリングが楽しめる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://www.g-planning-japan.com/levis702
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1273778382
- https://ameblo.jp/omakaseya-vintagekaitori/entry-12492006815.html
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1131436501
- https://www.leon.jp/fashions/6526
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9+702/
- https://lubb.shop-pro.jp/?pid=105263814
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1273778382
- https://jp.mercari.com/item/m24786349228